2021年の今年の春分の日と秋分の日はいつ?それぞれの意味と違いと由来について解説

厳しい暑さ寒さが終わったころに訪れ、お墓参りの時期でもある日といえば、「春分の日(しゅんぶんのひ)」と「秋分の日(しゅうぶんのひ)」ですよね。
皆さんは、春分の日・秋分の日がどのような日かご存じでしょうか。
「祝日で、お墓参りをする日というのはわかるけど、なんだかぼんやりとしていて、いったいどういう日なのかよく分からない」といった方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、春分の日と秋分の日の由来や、それぞれの意味について説明していきます。
2021年(令和3年)の春分の日と秋分の日はいつ?
2021年(令和3年)の「春分の日」は、『3月20日(土)』
2021年(令和3年)の「秋分の日」は、『9月23日(木)』
になります。
春分の日と秋分の日に先祖供養をする理由
ここでは、春分の日と秋分の日にそれぞれ、「ご先祖様を供養するようになった理由」を説明します。
その理由を説明するためにまずは、「春分の日と秋分の日がどういう日に当たるのか」を下記にて詳しく見ていきましょう。
日本では季節を分けるのに昔から、1年を24分割した「二十四節気(にじゅうしせっき)」というものが使われています。
二十四節気については、下記の『二十四節気とは?』の記事で詳しく説明していますので、合わせてご覧下さい。

この図は「二十四節気」を表したもので、春夏秋冬の4つをさらに細かく分類したものになるのですが、見ていただくと、春は「立春」から始まり、春のくくりの中で「春分」は真ん中にあたりますよね。
天文学上では、太陽の通り道(黄道)と、地球の赤道を天まで延長した「天の赤道」が2点で交わり、それを「春分点」「秋分点」と呼びます。中には、小学校の理科で習ったのを覚えているという、強者もいるかもしれませんね。

難しいので簡単にいうと、春分の日と秋分の日は、「昼と夜の長さがほぼ等しく、太陽がほぼ真西に沈む日」とされています。
そこで本題の先祖供養する理由ですが、仏教ではお彼岸の期間に先祖の供養を行うと、極楽浄土へ行くことができると考えられていました。
仏教ではあの世のことを「彼岸(ひがん)」、この世(私たちのいる現世)を「此岸(しがん)」と呼ぶのですが、「極楽浄土である彼岸」は西方にあると考えられていました。
加えて「太陽を神様」として崇められていたこともあったことから、春分の日と秋分の日を中日として、前後3日間を合わせた合計7日間の期間で、お墓参りをするようになったのです。
ちなみにこれは、平安時代から続く日本独自の風習で、仏教国であるインドや、その他の国では見られないそうです。
春分の日と秋分の日が祝日である理由

春分の日と秋分の日が祝日なのは、第二次世界大戦より前から、両日とも「歴代の天皇陛下たちを祭る儀式を行う、宮中の祭典だったから」と言われています。
ちなみに、当時はそれぞれ「春季皇霊祭」、「秋季皇霊祭」と呼ばれる祝日でした。
しかし、戦後の1947年に「国民の祝日に関する法律」が制定され、天皇主体の宮中行事から、国民主体の祝日に変更しなければなりませんでした。
そこで「自然をたたえ生物をいつくしむ」という意味の日になり、名称を変更してそれぞれ「春分の日」「秋分の日」とされ、現在に至ります。
また、この「春季皇霊祭」と「秋季皇霊祭」は現在でも毎年、宮内庁や各地の神社で執り行われています。
これは皇居の皇霊殿で行われる皇室の大祭で、天皇が歴代の天皇・皇后・皇族などの皇祖の神霊を祀る儀式だそうです。
春分の日の食べ物って?

春分の日に食べるものと言えば、「ぼた餅」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。季節によっては「おはぎ」や「夜船」(よふね)、「北窓」(きたまど)と呼び名が変わるのですが、あんこがたっぷりで緑茶ともよく合いますよね。
ぼた餅は漢字で「牡丹餅」と書くのですが、春に牡丹(ぼたん)の花が咲くことと、その見た目からその名になったそうです。そのため春分の日のぼた餅は、牡丹の花のように大きく丸く作るのが基本のようです。

ぼた餅を食べるようになった理由は、昔から小豆には、邪気を払う力があると考えられており、その小豆を使って作られたぼた餅を、ご先祖さまにお供えすることで、厄払いができると考えられていたからだそうです。
お墓や仏壇にぼた餅を供えたその後は、家族でおいしくぼた餅をいただきましょう。
またお彼岸には、精進料理をお供えして、その後いただく習慣もあります。この精進料理はお肉が入っていないだけでなく、ニンニクや玉ねぎ、ニラなどの臭いが強い食材もNGとされており、野菜や穀類、海藻などを中心に作られています。
お彼岸に精進料理を食べるようになったのは、仏教には「ご先祖さまを供養する意味」と、「この世に生きている者の修行期間」の二つの考えがあるからだそうです。
秋分の日の食べ物って?
秋分の日の食べ物といえば「おはぎ」ですよね。春分の日の食べ物のところでもお伝えしましたが、ぼた餅とは呼び名が異なるだけで、同じ食べ物です。
おはぎは秋に、萩(はぎ)の花が咲くころに食べられることからその名になりました。萩の花は小さくて細長い花のため、おはぎは小さく長め(俵の形)に作られます。季節の花の形を模して作る和菓子には、風情をも感じますよね。

まとめ:昔から日本はご先祖様を大切にする文化だった

- 春分の日と秋分の日にお墓参りをするのは日本独自の文化
- 春分の日と秋分の日は、昼の時間と夜の時間の長さがほぼ同じ日
- 春分の日と秋分の日は、昔から宮中の祭典の日としての祝日だった
- 春分の日に食べるものが「ぼた餅」で、秋分の日に食べるのが「おはぎ」
春分の日と秋分の日は、その年によって日にちが変わるのですが、正式に日付が決まるのは、前年の2月1日に、官報に掲載される「暦要項(れきようこう)」の発表をもってだそうです。
これは、 国立天文台が太陽と地球の動きを観測し、計算してその日を算出するそうなのですが、現代のような望遠鏡やコンピュータがない平安時代から、春分の日や秋分の日を導き出し、ご先祖様を供養していたなんて驚きですよね。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。