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バレンタインデーの起源・由来とは?女性からチョコレートを贈るのは日本だけ?

2020年1月28日

プレゼントの箱の写真

2月14日はバレンタインデー、日本では女性から男性にチョコレートを贈るというのが一般的ですよね。

学生時代、ドキドキしながらその日を過ごしたという男性も多いのではないでしょうか。

しかしながら、女性から男性にチョコレートをプレゼントするというのは、日本独自の文化のようです。

そこで、この記事では、

  • バレンタインデーの由来と歴史
  • 日本式バレンタインデーの起源と由来
  • 海外のバレンタインデーとは
  • チョコレート・ココアの歴史
  • バレンタインデーにオススメなプレゼント

について解説・紹介していきます。

バレンタインデーの起源と歴史とは

バレンタインデーの始まりは、およそ2000年前のローマ帝国の時代まで遡ります。

当時のローマでは、2月14日が『ユノの祭日』(祝日)とされており、翌2月15日に『ルペルカリア祭』という豊年を祈願するお祭りを行っていたそうです。

ユノというのは、ローマ神話で最高位の女神であり、家庭と結婚の守護神とされています。

加えてこの時代のローマでは、若い男女は別々の生活を強いられていたため、ルペルカリア祭では、豊年祈願をすること以外にも、くじ引きを行って一日限定のカップルとなり、お祭りの間一緒に過ごすというイベントも行われていたようです。

くじ引きのルールとしては、前日の14日に女性が自分の名前を書いた札を桶の中に入れ、翌日男性が札を一枚引くというものでしたが、意外にも、一日限定のカップルになった人達がその後恋に落ちて結婚するということが多かったようです。

唯一の出会いの機会であったのが、『ルペルカリア祭』であったわけですから、これを機に結婚しようという人がいてもおかしくないかもしれませんね。

兵士の結婚を禁止したクラウディウス2世

しかし、そのような恋愛の厳しい時代に、ローマ帝国皇帝のクラウディウス2世は、とんでもない政策を打ち出します。

愛する人を故郷に残した兵士がいると、戦争に出たがらない者が出たり、戦場で兵士の士気が下がったりするという理由から、兵士の結婚を禁止したのです。

すると、そのことをあわれに思い、行動したのがキリスト教司祭である『ヴァレンティヌス(英語読み:バレンタイン)』でした。

彼は、結婚禁止令に背いて内緒で結婚式の手助けをしていたそうです。もちろん、皇帝にバレないように工夫はしていましたようですが、後に目を光らせていた皇帝によって見つかってしまいます。

当時、キリスト教を迫害していた皇帝によってキリスト教を捨てるようヴァレンディヌスは迫られますが、それを彼が受け入れなかったため、反逆罪として処刑が決定しました。

そして、皮肉にも、処刑日が「ユノの祭日」である2月14日とされたのです。

このことからキリスト教では、ヴァレンティヌスは守護聖人となり、2月14日を『バレンタインデー』と呼ぶようになったと言われています。

14世紀からバレンタインは恋人たちの日へ

現代のような男女の恋愛に関するバレンタインデーに変わったのは、14世紀ごろからだそうです。

イギリスでもこのころから、恋人たちのために殉教したヴァレンティヌスを「愛の守護聖人」と呼ぶようになり、フランスなども含めたヨーロッパの各国で、恋人たちがこの日にラブレターを送るようになったといわれています。

日本式バレンタインデーの起源と由来

華やかなチョコレートの写真

時代は1960年代(昭和35年)頃、あらゆるお菓子メーカーがバレンタインデーにチョコを贈る文化を定着させようとキャンペーンを打ち出し、試行錯誤していたそうです。

その火付け役となったのが、1958年(昭和33年)に『メリーチョコレートカムパニー』が行った「バレンタインセール」ではないかといわれています。

『チョコレートとバレンタインカードで愛を伝えよう』という売り込みでしたが、結果は散々で、キャンペーン中に売れたのは「50円の板チョコ3枚」と「20円のカード1枚」だけだったそうです。

その後もハート型のチョコレートを売り出してみたり、アメリカの「ウーマン・リブ」(女性解放運動)にあやかって、『女性から男性へ』という女性主導型のイベントとして宣伝してみたりしたようですが、バレンタインデーが浸透するまでには時間がかかりました。

バレンタインチョコの定着は1970年代

バレンタインのチョコレートと男女のイラスト

1958年の「バレインタインセール」から始まり、あらゆる会社がそれに乗っかってキャンペーンを打ち出すものの、10年以上もの間バレンタイン関連のチョコレートの売り上げが軌道に乗ることはありませんでした。

これには、キャンペーンの打ち出し方法や、当時の日本の恋愛文化も関係しているのではないかと言われています。

なぜなら、当時のバレンタインの普及活動は、『妻から夫へ贈る』という、夫婦に向けたキャンペーンイベントだったからです。

それもそのはず、この頃の日本ではお見合い結婚が主流で、結婚前の男女の関係を楽しむといった文化は、あまりありませんでした。
そのため、女性が片思い中の人に告白するということは、企業が考えられなかったのです。

しかし、1970年代前半に入ると状況は大きく変わり始めます。

ひとつに高度経済成長が挙げられますが、社会全体が消費社会へと変わったことで、それに伴って小売店が積極的に動きだし、売り出しキャンペーンを強めていきました。

また、恋愛文化の変化から、中高生などのティーンエイジャーを中心に「好きな人にチョコを渡して告白する」といったことが行われるようになり、そのことが新聞やTVに取り上げられたこともあって、現代のように全国区でチョコレートを渡す文化が定着していったようです。

バレンタインデーとホワイトデー

バレンタインデーは、古代ローマで行われていた『ルペルカリア祭』が由来という古い歴史があります。

しかし、日本で認識されているホワイトデーの始まりはごく最近の1980年代からになります。

これは、日本でバレンタインデーの文化が根付いた後に、日本で行われるようになった日本発祥のイベントになるからです。

そのため、日本のホワイトデーの風習が伝わった一部の国を除いて、男性から女性へプレゼントのお返しをするホワイトデーは、海外では行われていません。

ホワイトデーについては、下記の『ホワイトデーの由来とは?』の記事で詳しく紹介していますので、よろしければご覧ください。

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海外のバレンタインデー文化とは?

先ほど説明したように、「女性から男性へチョコレートを贈る」という日本のバレンタインデー文化は、日本企業が独自に考えたマーケティング戦略によって根付きました。

そのため、女性が男性へチョコレートを贈るというのは、世界的には珍しいようです。

海外では、バレンタインデーは「愛を伝える日」として男女間でプレゼントを交換したり、男性が特別なデートプランを考え、花やジュエリーをプレゼントしたりする行事となっています。

国によっても違うようですが、イタリアのように少し過激なランジェリーを贈る国もあるようです。

チョコレート・ココアの歴史

ところで、チョコレートはどうやって作られているかご存じでしょうか?

チョコレートは簡単に説明すると、カカオ豆を焙煎し、豆の中身をすり潰して砂糖やミルクなどを混ぜて作ります。

現代の甘くて滑らかなチョコレートはまだ170年ほどの歴史なのですが、そこに行きつくまでの歴史を辿ると、およそ3000年前のメキシコまで遡ることになります。

カカオ豆からココアバターへ

3000年前のメキシコの原住民は、当初カカオ豆をすり潰して食べていたとされています。

それから1800年後、メキシコのマヤ文明およびアステカ文明の時代、カカオ豆はステータスのシンボルとされていただけでなく、通貨としても使用されていたそうです。

また、お金持ちの人はカカオ豆を使って、チョコレートドリンクを作り飲んでいたそうですが、味は渋く・苦く・くどかったそうです・・・。

当時は「知恵とパワー」を与えるドリンクとして考えられて飲まれていたようですが、実際に人を覚醒させるカフェインや、免疫力を高めるポリフェノールが入っていることを考えると、健康には良さそうですね。

そして、1500年ごろの大航海時代になり、ヨーロッパ全土へカカオ豆が持ち込まれるようになったことで、その後オランダ人が、カカオ豆に含まれるココアバターだけを搾り取る技術を発見し、現在の甘くて滑らかなチョコレートが生まれたと言われています。

バレンタインにおすすめプレゼント

ここまで、バレンタインチョコレートについて説明してきましたが、ここではチョコレート以外の、おすすめなプレゼントについて紹介します。

チョコレートと一緒にプレゼントすると、より素敵なプレゼントとなるかもしれません。

防寒アイテム

2月14日はまだまだ、暖かい春までは遠いですよね。
そこでオススメなのが、マフラーなどの防寒アイテムになります。

防寒アイテムをプレゼントすることで、大好きな人に風邪などひかせず、元気に過ごしてほしいという気持ちを伝えられるのではないでしょうか。

また、ニットの帽子や手袋などもいいかもしれませんね。

安眠グッズ

睡眠時間は、人生の80年のうち25年を占めると言われています。

心身ともに元気で前向きに過ごすためにも、睡眠の質は重要ですよね!
質を上げるためには枕や寝具などはもちろんですが、安眠グッズがあればさらにぐっすりと、眠ることができます。

定番の抱き枕はもちろん、体圧や体重による負荷を上手に分散してくれる低反発タイプのクッションや抱かれ枕、あとは落ち着く香りのアロマグッズもおすすめです。

香水

食べ物よりも物として、そして記憶として残したいなら香水がおすすめです。

匂いというのは記憶としてずっと残るものですし、いい香りを身にまとうことで、彼自身の自信へと繋がり、より魅力的な男性へと導いてくれるかもしれません。

男性は甘い香りよりもスッキリとした香りを好む傾向があるということを意識したうえで、二人が気に入る香りを見つけてみましょう!

まとめ:チョコレートを贈るのは日本独自の文化!

義理チョコをもらう人のイラスト
  • 女性から男性へチョコレートを贈るのは日本独自の文化で、海外では男性から女性へおもてなしすることが多い
  • バレンタインデーの起源は、ユノの祭日と殉教したヴァレンティヌス司祭が由来
  • 日本のバレンタイン文化は、恋愛文化の変化と日本国内の企業努力によって生まれた
  • 現代の甘いチョコレートの歴史は170年程だが、カカオ豆を食べる歴史は3000年にも及ぶ

いかがでしたでしょうか。
男性にとっては苦い思い出ともなるバレンタインデーのイベントですが、なかなか告白するタイミングがつかめない女性にとっては、告白するチャンスとなる良い機会となることでしょう。

ちなみに現在では、男性から女性へ下着を贈って愛の告白をする「メンズバレンタインデー」があることをご存知でしょうか。

1991年(平成3年)に日本ボディファッション業界が制定し、ホワイトデーの半年後にあたる9月14日を「メンズバレンタインデー」としています。

実際のところ、夫婦間やカップルの間でのやり取りとしては成立するかもしれませんが、片思いの相手に下着を贈るというのは、日本では気持ち悪がられて終わってしまうどころか、女性に対し恐怖心を与えてしまうことも予想されますので注意が必要です。

とはいえ、認知度は低く、中には実際に実行したというツワモノもいるようですが、販売商戦としては失敗に終わっています。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人
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のすけ

ご覧いただきありがとうございます! 少しばかり私の紹介ですが、息子を育てる父親であり、会社員をしています。 父親として恥ずかしくないよう、皆様と一緒に日本文化について知識を深めていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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