節分といえば、「恵方巻きを食べて縁起を担ぐ日」と言われていますが、なぜ方角が毎年変わるのか不思議に思われたことはないでしょうか。
また、なぜその年の方角を向いて恵方巻きを食べると縁起が良いのでしょう。
そこで、この記事では、
- 2023年(令和5年)の恵方巻きの方角と食べる日
- 節分の日は毎年変動する?
- 恵方巻きの方角が変わる理由や決め方
- 恵方巻きの由来
- 恵方巻きの正しい食べ方
について解説・紹介します。
2023年(令和5年)の恵方巻きを食べる方角は?いつ食べる?
2023年(令和5年)の恵方巻きを食べる方角は『南南東』で、正確には、『南南東やや南』になります。
従って2023年には、2月3日(金)の節分の日に、南南東やや南(右)を向いて食べることになります。
ちなみに、節分の日は毎年日にちが変わりますので、注意してください。
節分の日は2月2日~2月4日の間で変動するって本当!?
「節分の日って、2月3日じゃないの?」と思われる方も多いと思います。
しかし、節分の日が2月3日として続いていたのは、1985年から2020年までの35年間に限ってのことなのです。
節分の日とは?
まず、「節分の日」とは何かについて説明します。
「節分」というのは、各季節の始まりの日とされる『立春・立夏・立秋・立冬』の前日のことをいいます。
そのため、本当は年に4回節分があるのですが、江戸時代の頃から「立春」の前日を特に「節分の日」と呼ぶようになったと言われています。
立春はどうやって決めている?
まず、立春の日について簡単に説明すると、
立春は『冬至と春分の中間の日』のことを指します。
冬至(12月22日頃) | 一年のうちで最も昼の時間が短い日(日の出から日没までの時間) |
立春(2月4日頃) | 「冬至」と「春分」の中間点 |
春分(3月21日頃) | 昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなる日 |
また、立春には『春の気配が立ち始める』という意味もあります。
立春の日が2月3日~2月5日の中で変動する理由
地球が太陽の周りを1周するのにかかる時間を1年(約365日)としているのは多くの方がご存じですよね。
しかし、正確な1年の平均日数は、グレゴリオ暦(新暦)では365.2425日と考えられていることから、4年に一度うるう年を作ることで微妙な時間のズレを調整しています。
先ほど「立春」とは、冬至と春分の日の中間の日であると説明しましたが、正確にいうと立春は、『太陽黄経が315度となる日』と定期法で決められています。
4年に一度、2月29日のうるう年があるということは、2月4日頃に訪れる立春が、最大1日前後ずれる場合があるということになるのです。
そのため、立春の前日となる節分は『2月2日~2月4日』の間で変動することになるということになります。
ちなみに、下の表を用いると、西暦をもとに調べたい立春の日を求めることができます。
①1985年~2020年 | 西暦を4で割った余りの数字がどの場合でも2月4日が立春となった。 |
②2021年~2056年 | 西暦を4で割った余りの数字が ・0の場合は2月4日が立春となる ・1の場合は2月3日 ・2の場合は2月4日 ・3の場合は2月4日 |
③2057年~2088年 | 西暦を4で割った余りの数字が ・0の場合は2月4日が立春となる ・1の場合は2月3日 ・2の場合は2月3日 ・3の場合は2月4日 |
④2089年~2100年 | 西暦を4で割った余りの数字が ・0の場合は2月4日が立春となる ・1の場合は2月3日 ・2の場合は2月3日 ・3の場合は2月3日 |
⑤2101年~2120年 | 西暦を4で割った余りの数字が ・0の場合は2月5日が立春となる ・1の場合は2月4日 ・2の場合は2月4日 ・3の場合は2月4日 |
立春の考え方(計算方法)
実際に計算をして、立春がいつになるのかを考えてみましょう。
例えば2026年の立春を調べたいとすると、まず2026を4で割ります。
すると、答えが506余り2となります。
それを先程の上の表②に当てはめると、余りが2なので立春は、『2月4日』ということになります。
「節分」は立春の前日ですので、2026年の節分の日は『2月3日』と導き出すことができますね。
今後5年間の立春・節分の日リストも参考までに載せておきます!
2022年 | 余りが2なので、2月4日が立春の日 「節分の日」は2月3日 |
2023年 | 余りが3なので、2月4日が立春の日 「節分の日」は2月3日 |
2024年 | 余りが0なので、2月4日が立春の日 「節分の日」は2月3日 |
2025年 | 余りが1なので、2月3日が立春の日 「節分の日」は2月2日 |
2026年 | 余りが2なので、2月4日が立春の日 「節分の日」は2月3日 |
恵方とは?
そもそも、恵方巻の「恵方(えほう)」とは何かを知りたいという方も多いのではないでしょうか。
「恵方」というのは、『その年の一番良いとされる方角』のことを言います。
実はこの方角、『東北東・西南西・南南東・北北西』の4つの方角しか存在しないのですがご存知でしたでしょうか。
そのため、毎年この4方向のいずれかが恵方となります。
恵方の方角の決め方とは?どうして毎年変わるの?
その年の恵方=良い方角というのはいったいどのようにして決められているのか不思議に思いますよね。
まずは、恵方とは何かについて説明してきます。
恵方とは?
恵方は、陰陽道でいう福の神「歳徳神(としとくじん)」がいらっしゃる方角を指します。
歳徳神とは、金運や幸せを呼び寄せるとても縁起のいい神様とされています。
また、「歳徳神」は、「歳神様」や「正月様」といった呼び方をされることもあります。
恵方というのは、『歳徳神』がいらっしゃる方角ということは分かりましたが、なぜ恵方は毎年かわるのでしょう。
恵方はその年の十干(じっかん)によって決まる
歳徳神がいるとされる方角は、その年の『十干(じっかん)』によって決まります。
「十干」というのは、順番を表す役割をしていた1~10の数字のようなもので、次の10種類があります。
甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)
己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)
甲(コウ)・乙(オツ)・丙(ヘイ)という言葉は、資格や契約書などでも順位を表す言葉として用いられることがありますので、目にした覚えがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
恵方の方角 は、十干や西暦から調べられる!
【恵方・方角・十干早見表】
「恵方」は、その年の十干によって決まると説明しましたが、西暦の『下一桁(しもひとけた)』から十干は調べることができます。
西暦の下一桁というのは、2021年であれば『1』、2022年であれば『2』、2023年であれば『3』のことです。
ちなみに、上記の表から2030年の十干を調べてみると、下一桁の数字は『0』なので、十干は『庚(かのえ)』、恵方は『西南西やや西』ということが分かりますね。
恵方巻きの由来とは
恵方巻きの起源は諸説あるようですが、
大阪・船場(せんば)で巻きずしを切る手間や時間を惜しみ、丸ごと一本の「丸かぶり寿司」として提供し始めたのが『切らない恵方巻』の発祥と言われています。
その後1949年(昭和24年)に、大阪鮓商協同組合の理事長が、"土用の丑の日にうなぎの蒲焼を食べる風習"に対抗して、節分には「丸かぶり寿司!」として販売を開始したそうです。
その際「恵方を向いて巻き寿司を食べることで福を呼び込もう!」というマーケティング戦略が功を奏したことから、節分に「丸かぶり寿司」を食べる文化が、大阪の一部地域で定着していったとされています。
「恵方巻き」の名付け親は「セブンイレブン」
1980年代中盤頃に、『小僧寿し』が「縁起巻(えんぎまき)」の名称で販売を開始したようなのですが、さほどブームにならなかったと言われています。
しかし、10年後の1990年にセブンイレブンが「恵方巻(えほうまき)」として売りはじめ、1998年に全国展開したことで急速に恵方巻の風習が普及することとなったとされています。
現在では、恵方巻を食べる時に願い事をすると『願いが叶う』とも言われているようです。
恵方巻きの正しい食べ方(3つのルール)
恵方巻を食べる時には3つのルールがあるようなので、そのルールを紹介します。
1 恵方を向くこと
ルールその1は、『その年の神様がいらっしゃる恵方を向いて食べよう!』です。
このルールは当たり前という方も多くいらっしゃると思いますが、実は『食べている間はよそ見をしてはいけない』とされていますので注意してください。
2 黙って食べること
ルールその2は、『恵方巻を食べるときは、黙って食べる!』です。
このルールも広く知られていることと思いますが、なぜ話してはいけないと言われるのかというと、
『途中で話してしまうとご利益が逃げる』とされているからになります。
自分が食べ終わったとしても、他の人が食べ終わったのを確認してから、話しかけるようにしてくださいね!
3 恵方巻きは一気に食べること
ルールその3は、『恵方巻きを食べる時には、切り分けたりせず、丸ごと一本一気に食べる!』です。
恵方巻を切ってしまうと、『福との縁が切れる』と言われています。
また、途中で休んだりしてもご利益が薄くなってしまうとされていますので、食べる前に呼吸を整え、一度に食べ終えるようにしましょう。
お子様やご高齢の方がいらっしゃる家庭では、恵方巻を細くするといいかもしれませんね。
まとめ:恵方巻を食べる方角は、歳徳神がいらっしゃる方角
- 2023年(令和5年)の恵方は『南南東やや南(右)』
- 恵方巻は、恵方を向いて黙って一気に食べると福が呼び込めると言われている
- 恵方とは、歳徳神がいらっしゃる方角のこと
- 恵方巻の起源は江戸時代の大阪からで、セブンイレブンの販売戦略により、恵方巻きと名付けられ、全国的なブームとなった。
- うるう年の関係で、節分は2月2日~2月4日の間で変動する
- 恵方巻を食べる際には3つのルールがある
いかがでしたでしょうか。
これで、恵方巻を食べる準備はばっちりですね!
食べ方やルールは、「なんだかちょっと厳しいルールだな・・・」と感じられたかもしれませんが、あらゆるお店の販売戦略によって決められたものもあるので、細かなルールは定まっていないようです。
個人的な意見ですが、あまりルールに縛られることなく、家族や友人との仲を深めるひとつのイベントとして、恵方巻を楽しむことが一番大切なことでしょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。