日本年間行事

ひな祭りの由来や歴史とは?人形を飾る理由や行事食の意味について解説

2020年2月17日

3月3日は女の子をお祝いするひな祭り!

ひな祭りと言えば、女の子の健やかな成長と幸せを願う節句の行事ですよね。

欧米化が進み、日本の伝統的文化とは疎遠になってきたと言われる現代のご家庭でも、可愛らしい雛人形を飾り、ちらし寿司をみんなで食べてお祝いするところはまだまだ多いのではないでしょうか。

私も子供のころは、3月が近づくとお家にお雛様が飾られていました。妹のおかげでおいしいご飯を食べれて、一緒にお祝いしてもらって・・・と、楽しかった思い出があります。

記事を書きながら当時を思い起こすと、 あの頃は何も考えず毎日を過ごせて幸せだったな~なんて、たまに幼少期に戻りたくなったりもするものです。

この女の子にとって一年に一度のお祝い行事である「ひな祭り」は、いつから行われるようになり、どのようなものだったのでしょう。

そこで、この記事では、

  • ひな祭りの歴史と由来
  • ひな祭りが祝日ではない理由
  • ひな祭りで雛人形や桃の花を飾る理由
  • 雛人形はいつからいつまで飾る?
  • 雛人形の種類と役割
  • ひな祭りの料理・行事食の意味
  • ひな祭りの祝い方と楽しみ方

について解説・紹介していきます。

ひな祭りの歴史と由来

ひな祭りの歴史を調べてみると、その始まりははっきりせず、複数の説があるようです。

その中で最も有力とされているのは、およそ1200年前の平安時代の『子女の遊び』が現代のひな祭りに変わっていったとされる説です。

ひな祭りは元々女の子のお祭りではなかった

現代では女の子のお祭りとされている「ひな祭り」ですが、元は中国で行われていた女の子とは関係のない行事である『五節句』の一つである「上巳の節句」が日本に伝わり、やがて貴族の子女の間で行われていた『ひいな遊び』と合わさったことで、現在のようなひな祭りの行事に変わっていったとされています。

五節句とは?

五節句とは、次の5つの※節句のことを言います。
※節句というのは、厄払いなどが行われてきた節目となる日のことです。

  • 1月7日:「人日(じんじつ)の節句」
  • 3月3日:「上巳(じょうし)の節句」(桃の節句)
  • 5月5日:「端午(たんご)の節句」
  • 7月7日:「七夕(しちせき)の節句」
  • 9月9日:「重陽(ちょうよう)の節句」 

「桃の節句」や、子供の日の「端午の節句」は現在でも耳にすることがありますね。

季節の変わり目である「節句」の時期には、中国では邪気が入りやすいと考えられていたため、旧暦3月の最初の「巳の日(みのひ)」には、『上巳の祓(じょうしのはらえ)』というお祈りの行事が行われていたとされています。

この『上巳の祓』というのは、穢れを水に流して厄払いしたり、お酒を飲みながら歌を詠んで楽しんだりする行事であったそうです。

そして、この中国の「上巳の祓」の行事が平安時代の貴族の間に伝わると、3月3日に「人形(ひとがた)に災厄を移して川に流す」という日本式の風習へと変わり、ひな祭りの原型が生まれたのではないかとされています。

ちなみに、平安貴族の間で行われていた「人形に災厄を移して水に流す行事」についてですが、 当時の貴族たちは、紙や草木などで作った人形で自分の身体をなでることで厄災を人形に移し、お酒やお供え物を添えて「災いを身代わりに背負ってくれますように」との願いを込めていたそうです。

平安貴族の行事から庶民の行事へ

最初は貴族の行事であった「上巳の祓」の行事も、時がたつにつれ、武家社会に取り入れられたことで、やがて一般庶民の間でも行われることとなったようです。

すると、初めはワラや紙で作って川に流していた人形が、貴族の子女の遊び道具とされていた「ひいな」と呼ばれる紙や布などで作った人形と次第に合わさることとなり、時代と共に大きく立派になっていくこととなりました。

そして、人形を川に流す風習から、次第に家に飾る風習へと変わっていったことで、江戸時代以降には華やかで豪華な人形や装飾品が作られるようになり、現代のひな祭り文化の始まりとなったと言われています。

ちなみに、ひな壇が登場したのは、江戸時代中期になってからだそうです。

ひな祭りが祝日じゃない理由は?

実は3月3日の「上巳の節句(桃の節句)」は、江戸時代には五節句の一つとして祝日だった時代があります。

しかし、明治6年に新暦が採用された際、五節句の祝日が廃止されたことで、「上巳の節句(桃の節句)」は祝日ではなくなりました。

そして戦後になり、新しい祝日を作ろうとした際に、
「3月3日のひな祭りを祝日にしょうとする案」や「新年度の4月1日を祝日にしようとの案」も出ていたようなのですが、最終的には『5月5日だと男女に関係なく 「こどもの日」としてお祝いできるよね。』という考えから、3月3日は祝日にしない方針で決まったそうです。

ひな祭りも祝日にできなかったのかなと思うところですが、「こどもの日」として男女を祝う日がありますので、特別にひな祭りだけを祝日にはできなかったのでしょうね。

ひな祭りで「ひな人形」や「桃の花」を飾る理由とは

当初は、人形を川に流すことで厄災を祓うという行事でしたが、次第に女児の「ひいな遊び」と融合し、次第に人形が立派になって家に飾られるようになったことで、『人形を 飾ることで厄祓うもの』へと変わっていくこととなりました。

現在は座った形の雛人形が一般的ですが、初めは『立ち雛(たちびな)』と呼ばれる立った雛人形が始まりだとされています。
これは、紙やワラで作った人形が原型となっているからなのだそうです。

そのため、雛人形は人形(ひとがた)と同様に、『人形に厄を移して女の子の成長と健康、幸せを願う意味があるのです。

また、ひな祭りは「桃の節句」とも言われますよね。それは元々中国のお祭りで桃の花が使われていたことが理由とされています。

桃の花の意味

当時の中国では、桃には『魔除けや長寿のパワーがある』とされていました。

そのためか、日本の神話にも、イザナミノミコトという神様が、幽霊を追い払うために桃を投げつけたという話もあります。

「桃」が付いた名前のお子さんが多いのも、邪気や穢れを遠ざけ、長生きしてほしいという意味が込められているからかもしれませんね。

また、当時の桃の節句は今でいうと『3月末から4月中旬頃』にあたります。

ちょうどその頃は桃の花が咲く時期であったため、中国では桃の花のお酒を飲んだり、桃の葉のお風呂に入ったりすることで厄払いをしていたそうです。

ひな人形はいつからいつまで飾る?

華やかな雛人形は時期が近づくと、早く出してできるだけ長く飾りたいものですよね。
では、いつ頃から出すのが良いのでしょう。

一般的には『立春(2月4日頃)を過ぎたあたりから2月中旬ごろにかけて余裕をもって飾るのが良い』とされます。

遅くともひな祭りの一週間前(2月24日頃)までには飾るようにしましょう。

また、前日に飾るのは縁起が良くないともされていますので、気を付けて下さいね。

お祝いが終わったあとは、『3月中旬頃までの気候の良い日に丁寧に片付けると良い』とされています。
カビや劣化を抑えるためにも、晴れ日の湿気が少ないときが良いですね。

早く片付けないとお嫁に行けないと言われるのはなぜ?

よく、「早く片付けないとお嫁にいけない!」などとも言われますが、なぜそのようなことが言われるようになったのかというと、それには主に3つの理由が言われているようです。

  • 人形を川に流していた頃の名残
    昔は人形に厄を移して川に流していたことから、厄を移した人形をいつまでも飾ることなく、すぐにしまってしまった方が良いという考えからそのように言われるようになったという説になります。
  • しつけのため
    面倒だからといつまでも片付けないというのは、『だらしがない女性になり、結婚が遅くなりますよ』というしつけの意味で言われるようになったという説になります。
  • 結婚の時期を雛人形になぞらえている
    雛人形は、婚礼の様子を表していることから、早く雛人形を飾ると『早く嫁に出る』・早く雛人形を片付けると『早く嫁に行く』と言われるようになったという説になります。

ちなみに、雛人形には女性の身代わりとしての役目がありますので、結婚後も処分することなく飾ることで『災いから守ってくれる』と言われています。

ひな人形の種類とそれぞれの役割とは

昔から「七」は縁起のいい数字とされ、雛人形でも七段で構成される別名「十五人飾り」が最も美しいとされています。

その十五人飾りの人形について役割をそれぞれ説明していきます。

お雛様とお内裏様(おひなさまとおだいりさま)

七段飾りの一番上の段には、『内裏雛(だいりびな)』と言われる2つの人形が飾られています。

日本では天皇にあたる位の男女の二人です。
正式には「男雛(おびな)・女雛(めびな)」または「お殿様・お雛様」と呼ぶのが正しいようです。

女雛は着物を何枚も重ねた、十二単(じゅうにひとえ)と言われるものを身に着けています。

三人宮女(さんにんかんじょ)

上から二段目は内裏雛の身の回りのお世話をする三人官女です。

三人官女は和歌や漢文の”たしなみ”があるそうです。
それぞれが長柄銚子(ながえのちょうし)、加銚子(くわえのちょうし)、盃(さかずき)(三宝)を持っています。

ちなみに左右の官女が持つ銚子は、結婚式の三三九度で使われるものです。

また、真ん中の官女は眉毛がなく、お歯黒をしてあります。
昔の既婚女性は、眉毛を剃って、お歯黒をつけるという習慣があったので、真ん中の官女だけ既婚者ということになります。

五人囃子(ごにんばやし)

上から三段目は五人囃子で、子供の姿をした音楽隊です。

子供であるということは、髪の毛を結ばず、侍烏帽子(さむらいえぼし)をかぶっていることから分かります。
お殿様とお雛様の前で、秀才な美少年たちが 能楽の腕前を披露しています。

また、能楽とは 室町時代より600年以上受け継がれてきた日本を代表する舞台芸術で、能面を用いる音楽劇です。

能楽は現代でも行われていますが、およそ90分の劇中は非常に静かな時が流れ続けるので、初めて観にいった方はほぼ100%眠りにつくそうですよ。

随身(ずいじん)

上から四段目は『随臣(ずいじん)』といい、別名「左大臣・右大臣」とも呼ばれています。

外出するときに天皇を守る役割があるようです。
右大臣、左大臣と分かれていることで、悪いものが近づかないように守っています。

仕丁(しちょう)

上から五段目は仕丁と言って、内裏様のお供をしたり御所の雑用をする人たちです。

地方からの労働者として宮廷に入っていたと考えられ、ひな飾りの中では唯一、庶民出身の白衣を着ています。

表情豊かな三人は、それぞれ泣き上戸、笑い上戸、怒り上戸で『表情が豊かに育ちますように』との願いが込められています。

ひな祭りの料理・行事食とは

ひな祭りには、菱餅や雛あられなど、行事食を食べる風習がありますが、どのような意味があるのかご存知でしょうか。

行事食の意味を知ることで、よりひな祭りを楽しむことができると思いますので、ひな祭りに食べられる行事食の意味を紹介していきます。

ちらしずし・はまぐり・雛あられを食べる理由とは

現代では、ちらし寿司や蛤(はまぐり)のお吸い物などをみんなで食べてお祝いするのが一般的となっていますよね。

ちらし寿司には色々な具材が入っていますが、これは『将来食べ物に困りませんように』という願いが込められているそうです。

そして蛤のお吸い物には、『蛤の貝殻のようにパートナーと一生添い遂げられますように』という意味が込められています。

また、お菓子の雛あられは、桃、緑、黄、白の四色で構成されていることが多いのですが、この4色は四季を表しています。これは、『一年を通して娘の幸せを祈る』という意味が込められているのだそうです。

菱餅(ひしもち)の意味とは

5色のお餅で作られた菱餅は、『茶色・黄色・緑・白・赤』の順です。
これは、土から葉が伸びて、茎があり花が咲く順と言われています。

また、3色の菱餅は、『赤は(桃の色)・白は(雪)・緑は(草)』を表していると言われており、赤にはクチナシ、緑はヨモギが色付けのために混ぜられています。
ともに邪気を祓うと信じられてきた植物であり、菱餅を食べることで『邪気を打ち消す』とされ用いられているそうです。

加えて、菱餅がひし形をしているのは、菱(ひし)という水生植物が水に浮かんだ時の葉っぱの形を表していて、尖った形には『魔除けや厄除け』の意味があるからだと言われています。

また、心臓を表しているという説もあり、ただの飾りではなく『健康を祈る』意味もあるようです。

白酒(しろざけ)の意味とは

白酒とは見た目が白く濁ったお酒のことです。
菱餅や雛あられと一緒に、白酒を飲んだことがある方もいるのではないでしょうか。

なぜひな祭りに白酒を飲むようになったのかについては、次の2つの説があるようです。

  • 女性の厄払いのためという説
  • 江戸時代に人気だった白酒が桃の節句になると売り出されたからという説

見た目は甘酒によく似ています。
しかし、甘酒はアルコール分をほとんど含んでいませんが、白酒はアルコール分9%という立派なお酒になります。

そのため、子供は飲むことができないことから、甘酒で代用しているご家庭もあるようです。

昔から伝わる、ひな祭りの行事とは

平安時代に人形(ひとがた)を川へ流す風習があったことを、ひな祭りの由来で説明しましたが、実は「流し雛」の風習は現代でも各地で行われています。

中でも鳥取県の用瀬町(もちがせちょう)で行われている【もちがせの流し雛】は有名で、『桟俵(さんだわら)』と呼ばれる米俵の上下にあてる丸いワラ製のフタの上に男女一対の紙雛を乗せて川に流し、一年の幸せと無病息災を願う様子は大変風流があります。

また、福岡県の柳川地方では、昔から女の子が生まれると初節句におひな様と一緒に色とりどりの「さげもん」を飾り、盛大に祝う習慣もあるようです。

さげもんの写真

現代でのひな祭りの楽しみ方とは

ひな祭りには、女の子の成長と幸せを願うのが一般的ですが、現代では様々な楽しみ方が増えてきているようです。

ひな祭りは子供の時だけというイメージがありますが、最近では『女性の幸せを祈る日』として大人の女性が集まって食事を楽しんだり、かわいらしくデコレーションされたケーキを用意したりしてひな祭りを楽しく過ごすという方が多くなってきているそうです。

また、大人の女性をターゲットにした雛人形や雛飾りが多く販売されているため、大人になってから自分好みの雛飾りを買い、部屋に飾って楽しむという方も多いようですよ。

子供と一緒に楽しもう!雛人形の作り方

せっかくのお祝い行事のひな祭り。
お話や食事だけでなく、子供たちとひな祭りには欠かせない雛人形づくりができればより一層思い出に残りますよね!

そこで、子供と一緒に楽しく作れる雛人形の作り方をご紹介しますので、ぜひ参考に雛人形を作ってみてください。

★紙皿や折り紙を使った見た目もかわいい壁面工作★

★折り紙で作るねこのおひな様★

★紙粘土で作るおひな様★

まとめ:ひな人形は自身の穢れを移すための身代わり役だった!

ひな祭りの絵
  • 中国の「上巳の祓」と平安貴族の子女の遊びであった「ひいな遊び」が結びつき、現在のひな祭りとなった
  • 平安時代の貴族達は、人形に自身のけがれを移し、川に流していた
  • ひな人形は立春以降に出し、3月中旬頃までに片付けると良い
  • ひな人形には、女性の成長と健康、幸せを願う意味がある
  • 行事食にも、厄除けや女性の幸せを願う意味が込められている
  • 3月3日が祝日でないのは、5月5日が子供の日として祝日となったから

いかがでしたでしょうか。
ひな祭りは平安時代から長い歴史とともに変化し、女性の幸せを願う行事へと変わっていったことが分かりました。

5月5日のこどもの日は、男女問わず、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」として祝日法に制定されていますが、昔は「端午の節句」と呼ばれ主に男の子の成長を願う日となっていたため、現在でも5月5日は男の子・3月3日は女の子をお祝いする日というイメージが強く残っています。

男の子をお祝いする日は、男女ともにお祝いする「こどもの日」となったのに、ひな祭りは変わらず女の子だけをお祝いするというのはなんだか不平等な気がしますね。

ひな祭りであったとしても、男女問わず厄を払い、幸せや健康を祈る日としてお祝いを行っていきたいものです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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のすけ

ご覧いただきありがとうございます! 少しばかり私の紹介ですが、息子を育てる父親であり、会社員をしています。 父親として恥ずかしくないよう、皆様と一緒に日本文化について知識を深めていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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