「土用の丑の日」と言えば「うなぎ」ですね!
ほとんどの方が「うなぎ」を思い浮かべる「土用の丑の日」ですが、そもそも「土用の丑の日」の意味が分からないという方も多いようです。
また、「土用の丑の日」には、うなぎ以外の食べ物を食べる風習もあるようなのですが、ご存知でしょうか。
そこで、この記事では、
- 「土用の丑の日」の意味とは?
- 【2022年(令和4年)】の「土用の丑の日」はいつ?
- 「土用の丑の日」に「うなぎ」を食べるようになった由来
- 「土用の丑の日」の食べ物や風習
- 「寒の土用の丑の日」とは?
- 「土用の丑の日」にオススメな「うなぎ」
について解説・紹介していきます。
土用の丑の日の意味とは?【分かりやすく解説!】
「土用の丑の日(どようのうしのひ)」は、言い換えると、
『土用の期間に訪れる丑の日』となります。
ん~・・・そもそも「土用の期間」というのは何?
まずは、「土用」の意味から理解したほうがいいね!
土用(どよう)とは?
「土用」というのは「雑節(ざっせつ)」の一つで、『四立(しりゅう)に至る直前の約18日間』のことを言います。
※年によって17日間になったり、19日間になったりする年もあります。
四立とは、「立春・立夏・立秋・立冬」のこと、雑節とは、季節の移り変わりをより的確に分かるように定められた暦上の日、または期間のことです。
土用は、「土旺用事(どおうようじ)」の略称で、土の気が強くなる日とされているよ。
「土用」となる日を分かりやすく説明すると、次の期間になります。
(4月17日頃~5月4日頃)
・【夏の土用】立秋(8月7日頃)となる直前の約18日間
(7月20日頃~8月6日頃)
・【秋の土用】立冬(11月7日頃)となる直前の約18日間
(10月20日頃~11月6日頃)
・【冬の土用】立春(2月4日頃)となる直前の約18日間
(1月17日頃~2月3日頃)
ちなみに、土用が始まる日のことを「土用入(い)り」、終わる日のことを「土用明(あ)け」と言い、これは太陽黄経の角度によって決められています。
・【夏の土用】は太陽黄経117度~135度(立秋)の前日まで
・【秋の土用】は太陽黄経207度~225度(立冬)の前日まで
・【冬の土用】は太陽黄経297度~315度(立春)の前日まで
土用の由来
「土用」というのは、「五行思想(ごぎょうしそう)」と呼ばれる
『万物(この世のすべてのもの)は木・火・金・水・土の性質からできている』
という考えが由来となって作られたものです。
春は「木」の性質・夏は「火」の性質・秋は「金」の性質・冬は「水」の性質があるものとされ、春から夏、夏から秋、秋から冬、冬から春へと以降する間には、「土」の性質が働くと考えられていました。
そのため、季節の移行期間を「土の性質が最も旺盛(おうせい)に働く時期」として『土旺用事(どおうようじ)』と呼びます。
ちなみに、「土用」には『土の気が盛んになり不安定になる』と考えられていたことから、「土いじり」や「引っ越し」など、土や土地に関することは避けたほうが良いと言われることがあります。
丑の日(うしのひ)とは?
では、次は「丑の日」について説明していきます。
「丑の日」というのは、
『十二支(じゅうにし)の「丑(うし)」が割り当てられた日』のことです。
暦には、1日ごとに「子(ね)→丑(うし)→寅(とら)→卯(う)→辰(たつ)→巳(み)→午(うま)→未(ひつじ)→申(さる)→酉(とり)→戌(いぬ)→亥(い)」の順で十二支が割り当てられており、12日に1回「丑の日」が訪れることになります。
一般的に、「土用の丑の日」と言えば、『夏の土用に訪れる丑の日』のことを言いますが、「うなぎを食べる日」と限定しなければ、春夏秋冬いずれの季節にも「土用の丑の日」が存在します。
また、同じ季節に2回「土用の丑の日」となることもあり、その場合は1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」と呼びます。
【2022年】の土用の丑の日はいつ?
2022年(令和4年)の夏の「土用の丑の日」は、
『7月23日(土)』と『8月4日(木)』の2日です。
ちなみに、2022年のすべての「土用の丑の日」は次の通りです。
【春】4月18日(月)・4月30日(日)
【夏】7月23日(土)・8月4日(木)※うなぎを食べる風習がある日
【秋】10月27日(木)
【冬】1月24日(月)
土用の丑の日にうなぎを食べるのはなぜ?由来は「販売戦略」?
「土用の丑の日」について説明しましたが、なぜ夏の「土用の丑の日」に「うなぎ」を食べるようになったのか不思議に思いますよね。
実のところ、夏に「うなぎを食べる風習」が生まれた由来は、はっきりとは分かっておらず、諸説あります。
平賀源内による「販売戦略」説
一番広く有名となっている説が、平賀源内(ひらがげんない)による「販売戦略」になります。
平賀源内は、多彩な分野で活躍した学者であり発明家で、天才と称された江戸時代の人物です。
うなぎは晩秋から初冬にかけて脂が乗るため、夏のうなぎはあまり売れなかったようです。
そこで困った鰻屋が、平賀源内に何か売れる方法はないかと相談したところ、
『本日丑の日』と書いた紙を店先に貼ることを勧めたとされています。
これは、『土用の丑の日には、「う」のつく物を食べると夏負け(夏バテ)しない』と言われていた風習を利用した戦略で、見事この方法が成功し、次々に他の鰻屋も真似し始めたことで、土用の丑の日にうなぎを食べる風習が生まれたと言われています。
ちなみに、この「本日丑の日」という商品を売るための販売文句は、日本で初めての「コピーライティング」なのだそうです。
しかし、平賀源内がこのように発案したことを記している文献は確認されておらず、あくまでも一説となっています。
また、証拠がないというところから「平賀源内説」はデマや嘘と言われることもあります。
黒いものを食べて「厄除け」説
季節の変わり目である「土用」は、体調を崩しやすい時期であり、特に夏の時期は夏負けしやすい時期でもあったことから、栄養のある食材を食べて養生する『食い養生(くいようじょう)』と呼ばれる風習が行われていたそうです。
また、「丑の日」は『災難を受けやすい日』とされていたことから、丑の方角(北方)を守護する神様である「玄武(げんぶ)」の象徴であった「黒色」にあやかり、黒い食べ物を食べて災難を払う「厄除け」の風習も行われていたと言われています。
そのため、滋養強壮に効果があるとされ、黒い姿をしている「うなぎ」が夏負け防止や厄除けの食べ物にふさわしいと、土用の丑の日に「うなぎ」を食べる風習が生まれたという説になります。
「うなぎ」は、「う」のつく食べ物でもありますので、これ以上にふさわしい食べ物は無かったかもしれませんね。
うなぎの効能は奈良時代には知られていた
奈良時代(710年~794年)の末期に成立したとみられている、日本最古の和歌集である『万葉集(まんようしゅう)』には、次の歌が掲載されています。
「石麻呂尓吾物申 夏痩尓吉跡云物曽 武奈伎取喫」大伴家持(おおとものやかもち)
【訓読文】
「石麻呂に吾れ物申す 夏痩に良しといふものぞ 鰻取り喫せ」
【現代語訳】
「石麻呂に私は申し上げます。夏痩せに良いと言われるものです。うなぎを獲ってお召し上がりになって下さい。」
ちなみに「うなぎ」には、エネルギー産生に効果のあるビタミンB1や身体の抵抗力を高めるビタミンAなどの栄養素が豊富に含まれていることから、バランスのとれた優れた栄養食品と言われています。
しかし、食べる量には注意が必要で、ビタミンAは体内に蓄積されていく栄養素であり、過剰摂取すると健康障害を引き起こしてしまうリスクもあるようなので、毎日のように食べることは避けた方が良さそうです。
土用の丑の日の食べ物は「うなぎ」以外にもある?
「土用の丑の日」には、「うなぎを食べる」という風習が広く知られていますが、実は「うなぎ」以外にも、様々な食べ物が食べられていたようです。
「う」がつく食べ物
「土用の丑の日」の由来で紹介しましたが、
『土用の丑の日に「う」のつく物を食べると夏負けしない』
とされていたことから、様々な「う」のつく食べ物が食べられていたと言われています。
【梅干し(うめぼし)】
「梅干し」は、昔から体に良い食べ物と言われており、「土用の丑の日」にも積極的に食べられていたようです。
「梅干し」には、クエン酸が豊富に含まれているため、疲労回復・食欲増進などの効果が期待でき、夏バテ予防の役割を果たすと考えられています。
【瓜(うり)】
「瓜」と言えば、一般的には「マクワウリ」のことを言いますが、「きゅうり・すいか・とうがん」などの野菜もウリ科の植物になります。
ウリ科の植物は水分を多く含んでいるため、体の熱を取ると古くから言われてきた食材で、利尿作用によってむくみを取る効果もあると言われています。
「マクワウリ」には、血圧を下げる効果のあるカリウムやβカロテン、血液を作る働きをする葉酸、抗酸化作用のあるビタミンCなどの体に良い栄養素が多く含まれているので、夏バテ予防にはぴったりの食材と言えるでしょう。
【うどん】
土用の丑の日には、さっぱりと食べられる「うどん」もよく食べられていたようです。
「うどん」は、非常に消化吸収が早く、すぐにエネルギーに変わるため、胃に負担をかけずに栄養をとることができる体に優しい食べ物とされています。
ちなみに、ビタミンB1を含んでいる豚肉を一緒に食べると、疲労回復の効果も期待できるようなので、肉うどんにして食べるのもおすすめです。
「黒」の食べ物
こちらも、「土用の丑の日」の由来で紹介しましたが、
「丑の日」は『災難を受けやすい日』とされていたことから、丑の方角の守護神である玄武の象徴の黒色にあやかり、『厄除け』として黒い食べ物を食べる風習があったと言われています。
また、「土の性質が盛んになる日」ということから、土や牛の色にちなみ「黒色のものを食べると良い」と言われるようになったという説もあるようです。
では、「土用の丑の日」に食べられていた「黒い食材」をいくつか紹介します。
- ドジョウ
- クロダイ
- なす
- 黒豆
- 黒ごま
- 黒砂糖
- ごぼう
- ひじき
このような黒い食べ物には、「アントシアニン」と呼ばれるポリフェノールの一種が含まれていることが多く、強い抗酸化作用によって「動脈硬化」や「老化」を防止する効果があると言われています。
また近年では、黒い食べ物は「ブラックフード」と呼ばれ、美容・健康に良い食材として世界的に注目されており、「黒キヌア」や「ブラックシード」などは、アンチエイジングやダイエットにも効果が期待できると人気が高いそうです。
土用餅(どようもち)
関西地方や北陸地方を中心に、夏の土用入りの日に無病息災を願って「土用餅(どようもち)」を食べる風習があります。
「土用餅」は、こしあんで餅を包んだ和菓子である「あんころ餅」のことで、古来より小豆(あずき)の赤色には「厄除けの効果」があるとされてきました。
また、「餅」を「力持ち」とかけて『精を付けて夏を乗り切る』という意味もあるそうです。
土用蜆(どようしじみ)
「土用しじみ」は、『夏の土用の時期に「しじみ」を食べる風習』、または「夏の土用の時期に旬を迎えるしじみ」のことを言います。
昔から『土用のしじみは腹薬(はらぐすり)』と言われており、滋養に良い食べ物として土用の丑の日に「しじみ」を食べる風習があったそうです。
しじみはご存知のとおり、貝殻が真っ黒い色をしていますので、「黒い食材」のひとつと言えますね。
しじみの旬は年に2回あり、7月~9月頃の夏の時期に旬を迎えるものを「土用しじみ」、12月~2月頃の冬の時期に旬を迎えるものを「寒しじみ」と呼びます。
特に「土用しじみ」は、産卵期ということもあり、身が大きくプリプリとしていてとても美味しいそうです。
しじみは、体内で合成することができない9種類の必須アミノ酸や、ビタミン・ミネラルなど多くの栄養素を含んでいる健康食材になります。
特に貧血予防や神経の機能維持に関与する「ビタミンB12」、肝機能や疲労改善に役立つ「オルニチン」が豊富に含まれているため、夏バテ防止に効果のある食材と言えるでしょう。
土用卵(どようたまご)
「土用卵」は、『土用の時期にニワトリが産む卵』のことを言います。
土用は季節の変わり目ということもあり、体調を崩しやすかったことから、「土用の時期に滋養のある食べ物を食べると、健康に次の季節を迎えることができる」と言われていたそうです。
特に夏の土用は、夏の暑さによる疲労が大きいということもあり、栄養満点の卵を食べて「食い養生」を行っていたと言われています。
卵は、ビタミンC・食物繊維以外の全ての栄養成分を含んでいるため、栄養バランスに優れた「完全栄養食」とされています。
卵黄には、生体を維持するための成分である必須アミノ酸が全て含まれており、卵白には、リゾチームと呼ばれる免疫力を高めてくれる酵素が含まれているため、卵黄と卵白を一緒に食べることで健康で強い体を作ることができます。
「土用の丑の日」の食べ物以外の風習
「土用の丑の日」には、食べ物の風習だけでなく、「土用干し(どようぼし)」や「丑湯(うしゆ)」と呼ばれる風習も行われているようです。
土用干し(どようぼし)
「土用干し」は、夏の土用の時期に行われる「様々な物を干す」風習のことです。
干す対象としては、次の物があります。
- 梅干し
- 田んぼ
- 衣類・書籍
【梅干し】
伝統的に作られる梅干しは、夏の土用の時期に、塩漬けにして漬け込んだ梅を3日ほど太陽にあてて日干しを行います。
この3日間ほど梅を干す作業が「土用干し」です。
そして、土用干しを行った梅は「白干し(しらぼし)」と呼ばれ、塩分濃度が20%前後の保存性に優れた梅干しとなります。
【田んぼ】
田んぼの「土用干し」は、「中干し(なかぼし)」とも言い、夏の土用の時期に田んぼの水を抜いて地表を乾かすことを言います。
田んぼには成長途中の稲が植えられていますが、「土用干し」をすることで次のようなメリットがあります。
- 土の中に酸素が入ることで根腐れを防ぎ、根を強くする効果がある
- 土の中の悪性のガスを抜くことができる
- 稲穂が実らない余分な茎の成長を防ぐことができる
- 土が固まることで刈り取り作業がしやすくなる
【衣類・書籍】
衣類や書籍に行う「土用干し」は、梅雨の時期についた湿気を取り除く風習です。
普段はしまい込んでいる衣類や書籍を、風通しが良く直射日光が当たらない場所に陰干しすることで、カビや虫がつくのを防ぐ目的があります。
丑湯(うしゆ)
「丑湯」というのは、夏の土用の丑の日に『薬草を入れたお風呂に入る風習』のことを言います。
今では毎日お風呂に入ることが当たり前の時代となりましたが、昭和30年代以前は銭湯が主流でしたので、毎日お風呂に入ることが難しい時代でした。
そのため、土用の丑の日に入る薬草のお風呂は特別なものであったようです。
薬草はドクダミやヨモギなど、様々な薬草が用いられていたようですが、江戸時代には桃の葉が用いられていたとされています。
桃の葉には、タンニンと呼ばれる成分が含まれており、消炎・解熱作用があるため、「あせも」や「日焼け」などに効果があると言われています。
寒の土用の丑の日とは?
「寒の土用の丑の日(かんのどようのうしのひ)」というのは、
『冬の土用の丑の日にもうなぎを食べよう!』という活動日のことです。
この、「冬の土用の丑の日にうなぎを食べる」という年中行事は、長野県岡谷市(おかやし)が発祥とされています。
天然うなぎは冬が旬
本来、天然のうなぎは冬(10月~12月頃)が旬であり、脂がのって美味しくなることから、夏の土用の丑の日だけでなく、冬の土用の丑の日にも旬のうなぎを食べてほしいと「寒の土用の丑の日」と称してPR活動を行うようになったようです。
1998年(平成10年)には「うなぎのまち岡谷の会」が、「冬の土用の丑の日」を『寒の土用の丑の日』として日本記念日協会に申請したことで、記念日として登録されたほか、2001年(平成13年)には、岡谷商工会議所によって「寒の土用の丑の日」が商標登録されています。
長野県の「諏訪湖(すわこ)」をはじめ、諏訪湖を源流とし、そこから愛知県・静岡県を経て太平洋まで流れる「天竜川(てんりゅうがわ)」で捕れる天然うなぎは有名で、昔から人々に親しまれてきた歴史があるそうです。
現在は養殖うなぎが主流で旬はない
昭和初期までは豊富に捕れていた天然うなぎですが、ダム建設や護岸工事など、様々な理由で天然のうなぎが育つ環境が減ってしまった結果、現在は、市場に出る99%以上が養殖うなぎであり、天然うなぎは0.3%未満とも言われています。
天然物というと、「養殖物より美味しいのだろうな」と感じてしまいますが、天然うなぎは水質やエサなどによって大きく味が左右してしまう一方、養殖うなぎは水質やエサなどによる味の変化がなく、安定的な美味しさを維持することができるため、当たり外れがないそうです。
また、養殖うなぎは、ビニールハウスの中で、徹底した温度管理のもとで育てられるため、季節を問わず美味しいうなぎを出荷できると言われています。
特に需要の高まる「夏の土用の丑の日」に合わせてうなぎを飼育することが多いことから、「養殖うなぎは夏(6月~8月頃)に旬を迎える」と言われることがありますが、常に品質の良いうなぎを出荷できることから、『養殖うなぎには旬はない』とされています。
土用の丑の日に食べたいオススメな『うなぎ』を紹介
では最後に、土用の丑の日にオススメな「うなぎ」を紹介します。
新仔(しんこ)うなぎ
「新仔うなぎ」と呼ばれるうなぎをご存知でしょうか。
天然うなぎは、3~5年かけて成長するのに対し、養殖うなぎは25℃~30℃前後の温かい水で育てられることでエサの食いつきが良くなり、1年程度で食べられる大きさに成長します。
その養殖うなぎの中でも、威勢がよく、半年~1年未満で食べごろに成長するうなぎを「新仔」、1年以上経過したうなぎを「ヒネ仔」と呼びます。
「新仔うなぎ」は、1年以上かかって成長するうなぎに比べまだ若いため、身がふっくらとしていて柔らかく、良質な脂にすっきりとした味わいが特徴と言われています。
大変貴重で、通常のうなぎとは一味違う贅沢な「新仔うなぎ」をぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
セブンイレブン・ローソンなどのコンビニ商品
お家で安く手軽にうなぎを食べることができると好評なのが、コンビニエンスストア各社で販売される「土用の丑の日」の季節限定商品です。
セブンイレブンやローソン、ファミリーマートといったコンビニエンスストアでは、夏の土用の丑の日に向けて毎年6月頃から予約販売を開始しています。
また、セブンイレブンでは、「春の土用の丑の日」にも「うなぎ」を使った商品を販売しており、春の土用の季節にもこだわりのうなぎを食べることができます。
近年では食品ロス防止のため、各社『予約販売のみの数量限定商品』としていることが多いので、購入希望の方は早めに店舗またはネットで予約すると安心です。
まとめ:土用の丑の日は、四立になる直前の約18日間に訪れる丑の日のこと
- 土用の丑の日は、夏だけでなく春・秋・冬にも存在する
- 【2022年(令和4年)】の夏の土用の丑の日は、『7月23日(土)』と『8月4日(木)』の2日
- 夏の土用の丑の日には、夏バテ対策として「う」のつく食べ物を食べたり、厄除けのために「黒いもの」を食べたりする風習がある
- 夏の土用の丑の日にうなぎを食べるようになった由来は、はっきりと分かっておらず諸説ある
- 夏の土用の丑の日には、「土用干し」・「丑湯」といった食べ物以外の風習も存在する
- 天然うなぎは「冬」に旬を迎えるが、養殖うなぎには旬はなく、いつでも美味しく食べることができる
いかがでしたでしょうか。
土用は季節の変わり目にあたり、丑の日は災難に当たりやすいとされたことから、特に体調の崩しやすい夏の土用の丑の日に「食い養生」として、うなぎなどの栄養価の高い食べ物を食べる風習が生まれ、現在まで受け継がれてきたということが分かりました。
ちなみに、世界には19種類のうなぎがいることが確認されていますが、そのうち食用となるのは4種類だけで、私達が食用としているニホンウナギは、「絶滅危惧種」に指定されるほど個体数が減少傾向にあります。
うなぎが減少している主な要因としては、海流の変化や人工物の増加による生育環境の変化、そして、うなぎの稚魚である「シラスウナギ」の密猟などによる違法な流通があげられています。
現在、国内に流通するシラスウナギの半数以上が密猟や無報告漁獲、海外からの密輸と考えられていますが、正規に漁獲されたシラスウナギと違法に漁獲されたシラスウナギの区別ができないため、国内の養殖場で混ざり合い、市場に出回ることになってしまうそうです。
現時点で養殖うなぎは、天然のシラスウナギを捕獲して、それを育てるという方法しかないため、近い将来うなぎを食べることができなくなるのではと危惧されていますが、完全養殖に向けての研究も日々進められています。
今後、うなぎの完全養殖が確立され、大量生産が可能になれば、ニホンウナギの絶滅を防ぐことができるかもしれません。
それまで私達ができることは、うなぎが絶滅の危機であり、大変貴重な食べ物であることを認識し、年間に食べる割合を減らして需要を下げることが、ニホンウナギを守ることにつながると言われています。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。