皆さんは、「年の瀬」という言葉を目にしたり、耳にしたりしたことはありますか?
「年の瀬」は、年末に用いられる言葉となっていますが、「年の瀬という言葉にどのような意味があり、なぜ年末に用いる言葉なのか分からない」といった方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、
- 「年の瀬」の意味や語源
- 「年の瀬」はいつからいつまでに用いる言葉?
- 「年の瀬」の使い方
- 「年の瀬」を用いた挨拶文を【例文】で紹介(メール)
- 年末に用いる挨拶のフレーズ
- 「年の瀬」の類語・対義語
- 「年の瀬」に送るオススメなお歳暮ギフト
- 「年の瀬」の英語表現
について解説・紹介していきます。
年の瀬の意味とは
「年の瀬(としのせ)」は、12月の慌ただしい時期を表した言葉で、『忙しい1年の終わり』を意味する言葉となっています。
なぜ「瀬」という言葉が使われているのかというと、江戸時代に行われていた「ツケの支払い」が由来と言われています。
「年の瀬」の語源の由来
江戸時代には、商品を購入する際にまず商品だけ先にもらい、購入代金はツケにして後からまとめて払う「掛売り」という方法が、一般的に行われていたそうです。
当時は、顔見知りの身元が分かる人であれば「掛売り」が行われていて、お盆と大晦日にまとめてツケの返済が行われていました。
そのため、総決算となる年末には厳しい取り立てが待っていましたので、お金を無事に返済できるかが人々の心配だったようです。
お金が足りない人は、大晦日までにお金を工面する必要がありましたし、ツケを返済することで、お正月の準備ができなくなってしまう人も多くいたと言われています。
また、ツケを回収する側である商人は、大晦日に回収できないと半年後のお盆まで待たなければならない決まりがありましたので、何としてでもツケの回収しなければなりませんでした。
そのようなツケの返済・回収に追われた慌ただしい状態を、流れの速い川の瀬に例えた言葉が「年の瀬」の由来と言われています。
年の瀬はいつからいつまで?
「年の瀬」は、いつを表す言葉とは決まっていませんが、
『12月中頃から12月31日の大晦日まで』を指す言葉として用いられることが多いようです。
元々、ツケの支払いに追われた状態を例えた言葉であることを考えても、12月後半の忙しくなる時期に用いるのが良いでしょう。
挨拶で使える、年の瀬の使い方【例文】
では、実際に挨拶で使用する場合の「年の瀬」の使い方について、例文で紹介します。
「年の瀬」は、12月の時候の挨拶となっていますので、12月を表す言葉として用いることができます。
例文(挨拶)
- 年の瀬となり、お忙しい日々かと存じますが、いかがお過ごしでしょうか。
- 年の瀬を迎え、今年も残すところ僅かとなりました。
- 年の瀬も押し迫り、皆様慌ただしくお過ごしのことと存じます。
- 年の瀬が近づくにつれ、次第に寒さも厳しくなってまいりましたが、体調など崩されていませんでしょうか。
- 今年も大変お世話になりました。良い年の瀬をお迎え下さいませ。
ちなみに、「押し迫り」という言葉は、「押し詰まり」と用いる場合もあります。
「押し迫る」と「押し詰まる」の使い方
「今年も押し迫り…」と言うと、『年末に近づく』という意味、「今年も押し詰まり…」と言うと、『12月の末日に近づく』という意味になるようなので、時期によって使い分けると良いでしょう。
「年の瀬」という言葉の後に用いる場合は、「年の瀬」自体に12月の後半というニュアンスがありますので、「押し迫り」でも「押し詰まり」でもどちらも正しい表現と言えます。
メールで使える、年の瀬の挨拶文【例文】紹介
年末の挨拶は、手紙や直接会って挨拶するだけでなく、メールでも1年の感謝の気持ちを伝えることができます。
年末の挨拶としてメールで取引先などに送る場合は、遅くとも先方の最終営業日の3日前までには送るようにしましょう。
また、合わせて新年の営業開始日・開始時間を記載しておくと、より親切な挨拶文となります。
注意点としては、取引先へ送る場合は一斉メールは使わず、きちんと個別に送るようにすることです。
社内でも、本来は直接挨拶をするべきですが、忙しく顔を合わすことのできない上司などには、1年の感謝の気持ちを込めてメールで年末の挨拶を行うようにすると良いでしょう。
取引先への挨拶文
○○株式会社 ○○課 ○○様
いつも大変お世話になっております。
△△会社の△△です。
いよいよ年の瀬を迎え、さぞご多忙のことと存じますので、メールでの年末の挨拶とさせて頂きます。
本年は格別のご愛顧を賜り、誠に厚くお礼申し上げます。
来年も皆様に満足頂けるサービスを目指して、より一層の努力をしていく所存ですので、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
尚、誠に勝手ながら、当社の年末年始の営業予定は下記の日程となっております。
年内:12月○○日(曜日) ○○時まで
年始:1月○日(曜日) ○○時より
※休業中のお問い合わせに関しましては、大変ご迷惑をおかけしますが、1月○日以降に対応させていただきますので、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
貴社の益々のご発展と、皆様のご多幸をお祈り申し上げまして、年末のご挨拶とさせていただきます。
どうぞ良いお年をお迎えください。新年もよろしくお願い致します。
上司への挨拶文
○○部長
年の瀬も押し迫り、今年も残すところあと僅かとなりました。
○○部長には大変多くのことを学ばせていただき、実りある1年を過ごすことができました。誠にありがとうございました。
来年は、より飛躍の年となるよう自己研鑽に努めてまいる所存です。
まだ至らぬ点も多いと思いますので、何卒ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
時節柄、ご多忙のことと存じますので、体調を崩されませんようご自愛いただき、良いお年をお迎えください。
直接ご挨拶できませんでしたので、恐縮ですがメールにて失礼いたします。
○○部 ○○
年の瀬以外にもある、年末の挨拶フレーズとは
「年の瀬」は12月の後半を表す言葉として用いられていますが、年末を意味する言葉は他にもありますので紹介します。
- 歳末ご多端の折
- 心せわしい年の暮れ
- 寒さひとしお身にしみる頃
- 木枯らしが吹きすさぶ頃
- 【師走・歳末・歳晩・初雪・初冬・厳寒・霜寒・寒冷・寒気・忙月・孟冬】
【カッコ内】の言葉に、「~の候」・「~の折」・「~のみぎり」のいずれかを後に付けることで12月の時候の挨拶として用いることができます。
年の瀬の類語・対義語
「年の瀬」と同じような意味を持つ言葉としては、次のものがあります。
- 歳末(さいまつ)
- 年の暮れ(としのくれ)
- 年末(ねんまつ)
- 歳暮(せいぼ・さいぼ)
- 歳晩(さいばん)
年の瀬の対義語
「年の瀬」の対義語となれば、年の初めを意味する言葉が当てはまりますので、次の言葉が「年の瀬」の対義語となります。
- 年初(ねんしょ)
- 年頭(ねんとう)
- 年始(ねんし)
- 新春(しんしゅん)
- 初春(しょしゅん・はつはる)
年の瀬に贈る贈り物とは
ちょうど年の瀬の慌ただしい時期に贈る物と言えば『お歳暮』ですよね。
お歳暮は室町時代から始まったと言われていて、分家した親族や嫁いだ娘から、お正月に祖先の霊を迎えるためのお供え物として、本家や親元に12月31日の大晦日の日に手渡しで贈っていたものが始まりと言われています。
その後、商人が贈り物を渡しながら挨拶回りを行っていたことから、一般的な風習として広まり、明治時代になると、お世話になった人に贈り物を贈る風習として定着したそうです。
お歳暮を贈る時期
お歳暮は、本来「正月事始め」とされる12月13日以降に贈る物となっていましたが、
現在では『11月下旬から20日頃、遅くとも25日まで』に贈ると良いと言われています。
しかしながら、地域によって贈るべきとされる時期が異なり、
・関東では【12月1日~20日頃】
・(北海道・東北・東海・関西・中国・九州)では【12月10日頃~20日頃】
・沖縄では【12月1日~25日頃】
とされていますので、贈る先によって贈る日にちを選んだ方が良いでしょう。
年々お歳暮を贈る時期は早まってきており、11月下旬に贈ったとしても問題はないようです。
では、お歳暮にオススメなお歳暮ギフトを紹介します。
贈って喜ばれるお手軽ギフト
こちらのギフトは、『楽天市場うまいもの大会』でも出店を果たし、大変人気となった信州名物であるおやきの「プチおやきセット」になります。
全15種類のおやきが入っているので、様々な味を飽きずに楽しむことができます。
中には、りんごやホワイトチョコといった変わり種もありますので、子供さんにも楽しんでもらえるセット内容となっていてオススメです。
上品スイーツの贈り物
こちらは抹茶・ほうじ茶・玄米茶の三種の宇治茶が楽しめる「宇治てぃらみす」になります。
甘さが控えめながらも濃厚な味わいに、抹茶本来の苦みや風味が楽しめる大人向けのスイーツとなっています。
また、上質な京都産茶葉と、やさしくコクのある国産マスカルポーネチーズとの相性は抜群で、江戸時代から続くお茶屋さんならではの上品な味わいが特徴です。
ぜひ、お世話になった方への贈り物としてみてはいかがでしょうか。
王道のお肉の贈り物
こちらは、最高A5ランクの高級黒毛和牛のリブロースとサーロインを使用した霜降りローススライスです。
霜降り部がとても細やかで美しく、肉質はとても柔らかいので小さなお子様やご年配の方がいらっしゃる家庭でも安心して贈ることができます。
美味しいお肉を味わってほしいという方にオススメです!
年の瀬を英語で表現すると
では最後に、「年の瀬」の英語表現を紹介します。
「年の瀬」は『the last days of the year』や『the end of the year』と表現されています。
また、「良いお年を」という言葉は『Have a great new year!』や『Enjoy the holidays!』といった言葉となりますので、覚えておくと良いですね。
まとめ:年の瀬は、慌ただしい1年の終わりを意味する言葉
- 「年の瀬」という言葉は、「ツケ」の返済・回収に追われる人々を、流れの速い川の瀬に例えた言葉とされている
- 「年の瀬」は12月中旬~12月31日までを表す言葉用いられている
- 「年の瀬」の類語は「歳末」や「年末」といった言葉
- 「年の瀬」の対義語は「年始」や「年初」といった言葉
いかがでしたでしょうか。
年の瀬は、年末のバタバタした状況を表す言葉として用いられるようになったことが分かりました。
ちなみに、「お歳暮」とよく似た風習でお盆の時期に贈る「お中元」がありますが、その由来は諸説あるようです。
一年間亡くなる身内がいなかった場合、おめでたいお盆として「生盆(いきぼん・しょうぼん)」と言い、生きている両親をお祝いする風習があったそうです。
その際に、子供から両親へ魚を贈っていたことがお中元の始まりではないかと言われています。
また、身内に不孝なことがあった時には、近所に贈り物をして厄災を分け合うという思想があり、贈り物を贈り合う風習がお中元に繋がったとも考えられています。
現在では、お中元もお歳暮も感謝の気持ちを込めて贈るものですが、一度贈った相手には毎年贈ることが礼儀とされていますので、この先ずっと付き合っていきたい相手か、見極めてから贈る必要があります。
そのため、何かのお礼として今回だけ贈り物をする際は、「御礼」や「無地熨斗(のし)」にして贈るようにしましょう。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。