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丙午(ひのえうま)の意味とは?丙午生まれの女性の迷信についても解説

2020年8月14日

馬と女性の夕暮れ時のシルエットの写真

皆さんは「ひのえうま」という言葉を聞いたことはありますか?

「丙午(ひのえうま)」というのは、ある「午年(うまどし)生まれ」を表す言葉なのですが、『丙(ひのえ)』とは一体何を表すのでしょうか。

また、丙午の女性に関する迷信もあるようです。

そこで、この記事では、

  • 丙午の意味とは
  • 丙午の女性の迷信と由来
  • 丙午生まれはいつ?

について解説・紹介しています。

丙午(ひのえうま)の意味とは

馬の置物の写真

丙午(ひのえうま)は、60年に一度やってくる丙(ひのえ)の午年(うまどし)』のことを言います。

「丙(ひのえ)」とは、中国から日本に伝わった『十干(じっかん)』という暦のうちの一つになります。

十干(じっかん)とは

五行の相対図のイラスト

『十干』とは、「陰陽五行思想(いんようごぎょうしそう)」という『万物はの5種類の元素と、から出来ている』という考えを元にして作られた暦のことを言います。
※ちなみに「陰陽」は、(おんよう・おんみょう)とも言われています。

5種類の元素の意味は次のとおりです。

元素元素の意味
木の葉や花が咲き誇り、幹の上を覆っている立木が元となっています。
樹木の生長や発育する様子を表し、「春の象徴」とされています。
光り輝く炎が元となっています。
火のような灼熱の性質を表し、「夏の象徴」とされています。
植物の芽が地中から発芽する様子が元となっています。
万物の育成や保護する性質を表していて、「季節の変わり目の象徴」とされています。
土の中に光り輝く鉱物や金属が元となっています。
金属のような冷徹・堅固(けんご)・確実な性質を表し、実りの「秋の象徴」とされています。
泉から湧き出てくる水が元となっています。
これを命の水として体内と霊性を兼ね備えた性質を表し、「冬の象徴」とされています。

十干の種類

『木・火・土・金・水』の元素(五行)を元にして作られた『十干』は、次の10種類があります。

  • 【コウ・きのえ】木の兄
  • 【オツ・きのと】木の弟
  • 【ヘイ・ひのえ】火の兄
  • 【テイ・ひのと】火の弟
  • 【ボ・つちのえ】土の兄
  • 【キ・つちのと】土の弟
  • 【コウ・かのえ】金の兄
  • 【シン・かのと】金の弟
  • 【ジン・みずのえ】水の兄
  • 【キ・みずのと】水の弟

「十干」を見て気がついた方もいらっしゃると思いますが、十干は順番や成績など、「順」を表すものとしても用いられています。

一般に順番などを表したものは、「コウ・オツ・ヘイ」と音読みで読み、干支として読む場合は「きのえ・きのと・ひのえ」と訓読みで読みます。

また、日本では、五行の元素にという漢字を当てていて、兄は『』・弟は『』を表しているのだそうです。

そして、陰と陽には次のような性質があります。

陰の性質

陰の性質は内へと働く性質となっています。
不活発・収縮・集合・下降・暗い・小さい・死・月・冷たい・闇などの性質があります。

陽の性質

陽の性質は外へと働く性質となっています。
活発・膨張・分散・上昇・明るい・大きい・生・太陽・熱い・光などの性質があります。

世間一般的には「十二支」のことを「干支」と呼んでいますが、正式には「十干」と「十二支」を合わせたものが「干支」とされています。

また、陽の兄は「」・陰の弟は「」と読み、この二つを合わせた言葉が「えと」となることから、「干支(えと)」と呼ぶようになったそうです。

ちなみに、干支は『十干十二支(じっかんじゅうにし)』とも言われます。

では、「十干」と「十二支」を合わせたものを見ていきましょう。

干支の組み合わせ

十干」は、
甲(きのえ)→乙(きのと)→丙(ひのえ)→丁(ひのと)→戊(つちのえ)→己(つちのと)→庚(かのえ)→辛(かのと)→壬(みずのえ)→癸(みずのと)
の順で繰り返しています。

十二支」は、
子(ね)→丑(うし)→寅(とら)→卯(う)→辰(たつ)→巳(み)→午(うま)→未(ひつじ)→申(さる)→酉(とり)→戌(いぬ)→亥(い)
の順で繰り返しています。

この「十干」と「十二支」の組み合わせが次の表となっています。

干支(十干・十二支)表

12345678910
甲子乙丑丙寅丁卯戊辰己巳庚午辛未壬申癸酉
11121314151617181920
甲戌乙亥丙子丁丑戊寅己卯庚辰辛巳壬午癸未
21222324252627282930
甲申乙酉丙戌丁亥戊子己丑庚寅辛卯壬辰癸巳
31323334353637383940
甲午乙未丙申丁酉戊戌己亥庚子辛丑壬寅癸卯
41424344454647484950
甲辰乙巳丙午丁未戊申己酉庚戌辛亥壬子癸丑
51525354555657585960
甲寅乙卯丙辰丁巳戊午己未庚申辛酉壬戌癸亥

全ての組み合わせは60通りあり、60年周期で干支は巡っていきます。

ちなみに、2021年現在は、38番目の「辛丑(かのとうし)」です。

この干支の中で43番目の「丙午(ひのえうま)」の年に生まれた女性は、昔からある迷信が言われています。

丙午(ひのえうま)の女性にまつわる迷信とは?

丙午の女性の迷信は、江戸時代に起こったある出来事が元となり、言われるようになったと言われています。

八百屋お七の物語

1666年、丙午の年に八百屋の娘として生まれたお七は、1683年に起こった『天和の大火(てんなのたいか)』で家が燃えてしまい、家族揃ってお寺に避難することとなりました。
お七は、お寺に仕えていた寺小姓(てらこしょう)の青年と出会い、二人は両思いとなります。
しかし、お店が復興したことでお七は寺を去らなければなりませんでした。
お七は彼への想いが募り初め、もう一度家が燃えれば、また一緒にお寺で暮らすことができると考え付きます。
お七は彼に会いたい一心で自宅に火を付けましたが、火はすぐに消し止められ、ぼやとなっただけでした。
このことから、お七は放火の罪で捕まることとなり、火あぶりの刑に処されることとなってしまったそうです。

※お七の話は明確な資料は残っておらず、さまざまな説が言われています。

このお七の物語は小説となり出版され、その後井原西鶴(いはらさいかく)の『好色五人女』で取り上げられたことで、広く知られることとなりました。

当初は「丙午の年は火災が多い」という迷信が言われていたのですが、お七の物語が知られるようになってからは、

丙午の女性は気性が激しく、夫の命を縮める・不幸にする

と言われるようになったとされています。お七の激しい恋心と、放火するという過激な行動が、丙午の女性への恐怖心となりこのような迷信が生まれたようです。

ちなみに火災が多いと言われていたのは、丙と午がどちらも「火と陽」の属性を持つことが由来とされています。

灼熱の性質を持つ「火」と、活発・膨張といった性質を持つ「陽」を合わせて『火が激しく広がる様子』を表していると考えられたからです。

五行が元につくられた「丙(ひのえ)」の属性については「十干とは」で説明したとおり、「火の兄」で(火の陽)となっているので分かりますね。
では今度は、十二支(じゅうにし)の属性について説明します。

十二支(じゅうにし)の属性

干支のイラスト

※子(ねずみ)・丑(うし)・寅(とら)・卯(うさぎ)・辰(たつ)・巳(へび)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(いのしし)

 
未・丑
辰・戌

この表を見てもらうと、火の属性に「午(うま)」があり、加えて「陽」の性質にも含まれていることが分かります。

このことから、「火と陽」を重ね持つ「丙午」の年は「火災が多く災いのある年」とされ、人々の間で広まることとなったと言われています。

ちなみに、中国では「丙午・丁未(ひのとひつじ)の年は天災が多い」と言われていたようですが、日本に伝わると、「火事が多い」という話に変わったとされています。

丙午(ひのえうま)生まれの年齢(年)

丙午の年は、お七が生まれたとされる1666年(寛文6年)から調べてみると、

  • 1726年(享保11年)
  • 1786年(天明6年)
  • 1846年(弘化3年)
  • 1906年(明治39年)【2021年現在115歳
  • 1966年(昭和41年)【2021年現在55歳

となっています。2021年現在日本の最高齢の方で117歳の女性がいらっしゃいますので、115歳の女性もきっといらっしゃるでしょうね。

「丙午の女性」の迷信は、昭和になっても根強く言われ続けることとなり、1966年(昭和41年)の出生率が前年に比べて25%減少し、翌年には再び回復するなど、明らかに数字にも見て取れる結果となってしまいました。

※上記のグラフは、その年の『出生数』と、一人の女性が一生の間に産む子供の平均の人数を表す『合計特殊出生率』の推移となっています。

1906年(明治39年)の出生率も前年に比べて4%下がってはいましたが、昭和になってその割合がぐっと下がってしまったのは原因があるようです。

丙午の年の出生率が下がってしまった原因とは

丙午の年の出生率が下がってしまった理由としては、当時のマスメディアによって『丙午の迷信』が報道されたことにより、子供(女の子)を産むことに抵抗を感じてしまった夫婦が、子供をもうけるのを避けたことが原因とされています。

迷信を信じたというよりは、「あの子は丙午だから結婚に向かない」や、「災いを呼ぶ」など言われたら可哀想と思う親心からだと考えられます。

中には中絶する人もいたと言われ、丙午の女性に対して嫌がらせをするというトラブルも多発したため、自治体が啓発運動を行わなければならないほどだったようです。

「丙午」の迷信は何の根拠もなく、後からこじつけられたような話となっています。
そのため、丙午の年に生まれた女性に対して偏見を持ったり、嫌がらせをすることのないようにしましょう。

次の丙午はいつ?

午年のハンコのイラスト

次の「丙午の年」は2026年となります。

ちなみに、2026年までの干支(十干十二支)は次のとおりです。

  • 2021年 辛丑(かのとうし)
  • 2022年 壬寅(みずのえとら)
  • 2023年 癸卯(みずのとう)
  • 2024年 甲辰(きのえたつ)
  • 2025年 乙巳(きのとみ)
  • 2026年 丙午(ひのえうま)

「自分の干支(十干十二支)が何か知りたい」という方は下記のリンクから確認してみて下さいね。

自分の干支(十干十二支)が知りたい方はこちらへ

まとめ:丙午は60年に一度巡ってくる丙の午年のこと

丙午に餌をあげる人イラスト
  • 干支(えと)は「十干(じっかん)」と「十二支」の組み合わせのことで「十干十二支」とも言われる
  • 丙午の女性は『気性が激しく、夫の命を縮める・不幸にする』という迷信がある
  • 丙午の年は「火災が多い」と言われていた
  • 丙午の迷信は「八百屋のお七」が丙午の女性であったことが由来となっている
  • 丙午の迷信は何一つ根拠がない

いかがでしたでしょうか。
丙午の迷信は、丙午の女性にとってはとても迷惑な話と言えますね。

ちなみに、五行を元に作られた「四柱推命(しちゅうすいめい)」という『人の性格や運命を推察する方法』があるのですが、その四柱推命で「丙午」を調べてみると・・・

丙午の人は、芯の強い人が多く、トラブルにも柔軟に対応することができます。友情や恋愛を大切にしているため人から愛されますが、非常にプライドが高く、意見が合わない時には高圧的になることもあります。
しかし、非常に温厚な性格も合わせもっているため、二面性に戸惑う人もいるようです。
丙午の特徴としては、その強運で、強いリーダーシップと自分にはできるという強い意志で成功を収める事が多く、華やかな生活を送ることができるとされています。
また、非常に多くのパワーを秘めているため、恋愛では情熱的になる傾向がありますが、弱い部分を見せたいという思いも持っており、包容力のある異性と愛称がいいようです。
交際した際には、妥協することなく深い愛情を注いでしまうので、重いと思われてしまうこともありますが、非常にまっすぐ相手を思いやることができる人なので、愛情を受け止めてくれる人であれば末永く良い関係が築けるでしょう。

と言われています。こちらを見ると、お七と当てはまるような気もしますね。

いずれにしても、丙午の迷信を信じることなく、偏見を持つ人がいない世の中になることを願うばかりです。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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のすけ

ご覧いただきありがとうございます! 少しばかり私の紹介ですが、息子を育てる父親であり、会社員をしています。 父親として恥ずかしくないよう、皆様と一緒に日本文化について知識を深めていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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