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花曇(はなぐもり)の意味とは?時期や、俳句の季語としての使い方についても紹介!

2020年4月5日

曇り空の桜の写真

暖かくなり桜の花が咲く頃になると、「花曇(はなぐもり)」という言葉を耳にすることがありますよね。

春の天気予報で「明日は花曇りの一日になるでしょう。」などといった言葉を聞いた覚えのあるって方もいらっしゃるのではないでしょうか。

なんとなく、「曇りの天気なんだろうな」といったイメージはできるかとは思いますが、具体的に花曇がどのような天気のことなのかは分からないという方も多いでと思います。

そこで、この記事では、

  • 花曇りの意味・由来
  • 花曇りがおこる原因
  • 季語としての花曇り
  • 花曇りと似た言葉「花冷え」・「花霞」

について解説・紹介していきます。

花曇の意味と時期はいつ?

「花曇(はなぐもり)」は、『桜が咲く時期に、空が曇っている』ことを言います。

花曇りは、空一面ねずみ色に見え、うっすらと白っぽいベールがかかったようなやや明るめの曇り空に見えます。

この花曇りの空に現れる薄い雲は、「巻層雲(けんそううん)」や「高層雲(こうそううん)」という名の雲になりますが、一般的には「鱗雲(うろこぐも)」や「筋雲(すじぐも)」などと呼ばれています。

鱗雲写真
巻層雲の種類の1つに当たる、鱗雲(うろこぐも)の写真

花曇は、桜が咲く頃に用いる言葉なので『3月下旬~4月上旬頃』が使用時期に当たります。

また、花曇は俳句の季語季節の挨拶としても使われ、古くから親しまれてきた言葉でもあります。

曇りでも気温はそれほど低くならず、比較的暖気が入りやすいことから、のどかな春の陽気となるのが特徴です。

そのため、花曇りの日には、春先ならではの気持ちの良い暖かさを味わうことができます。

また、花曇の日は、遠くが霞んで見えることがあり、その原因は空気中のちりやホコリ、また大陸からの黄砂の影響とされています。

花曇の言葉の由来

昔から春といえば桜、そして桜といえばお花見ですよね。

花曇の言葉の由来は、『年に一度のお花見の時期なのに、空が曇っているのは残念』と思い、曇り空の中の桜の様子に哀愁を感じた日本人の想いからうまれた言葉だと言われています。

花曇が起きる原因

天気は一般的に高気圧に覆われていると晴れ、低気圧に覆われていると曇りや雨となります。

春は移動性高気圧の晴天と、低気圧による悪天候の間隔が短い時期です。

また、日本列島は春になると高気圧が北上し、太平洋側に前線(暖かい空気と冷たい空気の境目)が停滞しやすくなります。

そのことで雨や曇りの日が多くなることが花曇の原因となるわけですね。

手紙や、俳句の季語として使う花曇

うぐいすが俳句を詠んでいるイラスト

「花曇」を手紙の季語として時候の挨拶に用いる場合には、
「桜の季節になりましたが、花曇の日々が続きますね。いかがお過ごしでしょうか。」
などといった使い方をするのが一般的です。

文末の締めの挨拶として用いる場合には、
「花曇の時期、まだ肌寒い日が続きます。くれぐれもご自愛ください。」
という使い方がされています。

また、俳句の『春の季語』としてもよく用いられており、江戸時代末期から明治にかけての俳人、『井上井月(いのうえせいげつ)』が詠んだ句には、下記のようなものがあります。

降るとまで人には見せて花曇

これは、桜が咲く時期、空を見ると雨が降りそうな様子であるけれども、人に降るかと思わせて降らないことが多い花曇の特徴をうまく表した句になります。

次は、明治の文豪である、夏目漱石が残した句を紹介します。

花曇御八つに食ふは団子哉 (はなぐもり おやつにくふは だんごかな)

夏目漱石は大の甘党で、奥さんに止められても食べていたため、甘い物の隠し場所を教えてくれる末の子を可愛がっていたというエピソードもあるようです。

他にも花曇が季語として使われている句は数多く存在します。

その他は、こちらのサイトでたくさん紹介されていますので、ぜひご参照下さい。

花曇りと似た言葉の紹介

花曇と似たような言葉で、「花冷え」や 「花霞」 という言葉がありますのでご紹介します。

『花冷え(はなびえ)』とは

花冷えとは、『桜の花が咲く頃の寒さ』のことで、ここで言う「花」もを表しています。

徐々に気温が上がったお花見シーズンの頃に、急に寒くなって冬が戻ったような寒い日がありますよね。

そのように、春になって急に冷え込むことを「花冷え」といいます。

要因としては、北から冷たい空気を持った高気圧が南下するために起こります。

移動性高気圧は昼間は晴れて暖かいのですが、夜は放射冷却によって冷え込み、朝晩の温度変化が大きいので体調には注意が必要です。

花冷えについては、下記の『花冷えとは?』の記事で詳しく紹介していますので、よろしければご覧ください。

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『花霞(はながすみ)』とは

花霞とは、『遠くに咲く満開の桜の花が、一面に霞(かすみ)がかかったように淡く白く見えること』を表した言葉になります。

花霞は、日本有数の桜名所でもある奈良県の吉野山で桜の時期によく発生するそうです。

花曇は花霞と同様に、『春の季語』としても使われます。

また、花霞という名前のふわふわとしたピンク色の可愛らしいバラもあるようですよ。

バラ科の花霞の写真
花霞

まとめ:花曇とは、桜が咲く時期の空が曇っている天気のこと

花曇りのイラスト
  • 花曇は、明るめの曇り空にもかかわらず、比較的暖かくのどかな春の陽気の日ことを表す
  • 時期は桜が咲く頃の、3月下旬~4月上旬に当たる
  • 花曇、花冷え、花霞の三語に共通する「花」というのは、全て桜を指す

いかがでしたでしょうか。
花曇という言葉は、桜が大好きな日本人の心から生まれた言葉で、挨拶文や多くの俳句にも用いられてきたことが分かりました。

また、「花曇」の類義語として、春は冬の鳥が帰る頃でもあるので「鳥曇」と表現することもあるようです。

春は一時的に寒くなることもあるので、お花見などお出掛けするときは防寒対策も忘れずに、しっかり行うといいですね。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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のすけ

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