フェーン現象とは?原因や原理を分かりやすく解説します!

アルプス山の写真

天気予報などで「フェーン現象」という言葉を耳にしたことがありますか?

何となく暑い日が続くイメージはありますが…実は暑いだけでなく、火事の原因にもなったりする怖い現象です!

身近に災害を起こす可能性があるフェーン現象は、どのような原理で起こるのでしょうか?気温の計算や、起こりやすい季節などについてもあわせて紹介します。

フェーン現象とは何か?

フェーン現象とは一言でいうと、気流が山越えをしたあと麓(ふもと)に向かって、熱く乾いた空気となって降下する現象です。日本では場所によっては35.0℃を越える猛暑日になることもあります。

現在の最高記録としては、2018年7月23日に埼玉県熊谷市で観測された41.1℃だそうです!

風が吹いて山にぶつかると、風は山の斜面に沿って登ります。そして今度は斜面に沿って下がり、山の向こうへと進んでいきます。この時、山のこちら側と向こう側で気温が大きく変化し、風下側の麓(ふもと)は乾燥して気温が高くなってしまいます。

上にも書きましたが、フェーン現象は大火事の原因となります。フェーン現象が起こると空気が乾燥し、強風が吹くので火災を助長してしまうからだと言われています。

2016年新潟県糸魚川市で約140棟に延焼した大火災があったのを覚えていますか??連日ニュースで被害状況が取り上げられていましたよね。

この火災もフェーン現象が原因だったと言われています。この日、糸魚川市には強風注意報が出ており、朝から南寄りの強い風が吹いていたため、一軒の火元からこんなに広がってしまったのだそうです。

フェーン現象の名前の由来

フェーン現象の語源は、ヨーロッパの大きな山脈であるアルプス山麓のフェーン村から名付けられました。この地域では春や秋になると南寄りの風が吹き、アルプス山を越えて暖かく乾いた風が吹くため、その風で気温が上がり、降り積もった雪があっという間に消えてしまうことがあったそうです。このことが有名となり、同様の現象をフェーンと呼ぶようになったと言われています。

まさか村の名前だったとは思いもよりませんでした。ちなみに、雪が早く溶けるとワインにするブドウが多く実るという利点もあるそうですよ

また、日本の山とは違い、より標高の高いアルプス山脈から降りてくる高温で強い風の下降気流は、急に温度が上昇するだけではなく、人体に悪影響を及ぼすこともあります。高温により頭蓋内の血管が拡張し、片頭痛を引き起こすことがあるのです。

また、仕事できないくらい体調を壊す人もいて、”フェーン病” という病名もあるそうです。スイスでは、「フェーン予報」も放送されているようなので、スイスを訪れる際には気をつけて下さいね。

フェーンとは英語で「foehn」と書きますが、元はドイツ語の「Föhn」だそうです。日本語では、何だかシャレのようですが風炎(ふうえん)と書くこともあります。フェーン現象が起きると、大火事が起きやすくなってしまうので、当て字ではなくちゃんと意味を持っていると言えますね。

フェーン現象の原因・原理

フェーン現象といっても実は二種類あると知っていましたか?

1.湿ったフェーン

一般的に言うフェーン現象は、この湿ったフェーンのことを指します。乾いた風と説明していたので、乾いたフェーンと間違えてしまいそうですが、湿った空気が山の斜面にそって上昇するに伴ない、冷えて水蒸気(雨)が発生します。山頂付近で降水した後、山を越えて降りてくるタイプのものを湿ったフェーンと呼んでいます。

2.乾いたフェーン

こちらは、湿った空気が風によって上昇してくるのではなく、もともと山頂付近にあった冷えた空気が何らかの理由で山頂から斜面に沿って下降し、断熱昇温したものを乾燥したフェーンと呼んでいます。

フェーン現象の原理について…少しだけ算数的な説明になりますが解説しますね。小学校の理科でありましたね!

①まず風によって空気が山を昇って行く時は、雲ができるまでは100m上昇するごとに1℃気温が下がります。そして雲ができ始めると、100m上昇するごとに0.5℃気温が下がります。

➁次は降りるときですね。山頂から麓(ふもと)に向かって風が下りる時には、100m下降するごとに1℃気温が上がります。そのため、山を登る前より山を降りてきた方が気温が上がり、空気は乾燥することとなります。

上記の二つを前提として、どれくらいの温度の気流でスタートしたかによって、風下が何度くらいの気温になるかが計算できます。

具体的な気温や計算方法については、下記に詳しくあるのでご参照下さい⇩

参考「テストに出るフェーン現象、理科問題の解き方!中学受験と中学校理科用

日本でフェーン現象が起こりやすい季節は?

日本でフェーン現象が起こりやすいのは、一般的に初夏~秋にかけての北陸地方などです。激しい気温上昇をもたらし、熱中症などの被害も出てしまいます。

湿った南寄りの強い風が吹き、風下側である日本海側(北陸地方など)の気温が高くなります。北陸では、5月に30℃を超す真夏日を観測することもあるようです。

2019年5月には、あの涼しい北海道ではありえない、39.5℃という北海道の史上最高気温が計測されました!網走地方の佐呂間で、西風が北海道中央部の山岳地帯を越え、東側で気温を上昇させたそうです。1年の最高気温が5月に計測されるというのはなんだか異常な感じがしますよね…。

冬に北西の季節風が吹くと、太平洋側でフェーン現象が起こっているようですが、そもそもの気温が低くフェーン現象は目立たないそうです。

まとめ:フェーン現象とは、気流が山越えをしたあと麓(ふもと)に向かって、暑く乾いた空気が降下する現象

フェーン現象イメージイラスト
  • 語源はヨーロッパの大きな山脈であるアルプス麓のフェーン村で、雪が溶けるほど気温が上昇する。
  • 日本でフェーン現象が起こりやすいのは、初夏~秋にかけての北陸地方など。
  • フェーン現象が起きると、小さな火事でも強い風で広がって大火事になりやすくなってしまう。
  • 急激な温度上昇で猛暑日になることもあるため、熱中症に注意が必要です。

ちなみに、フェーン現象が原因で世界で一番高い気温を記録したのは、アメリカのデスバレーと言われています。その気温は、なんと56,7度だったそうです!これは地面で目玉焼きが作れるくらいの暑さとのことです。

少し計算なども出てきましたが、フェーン現象についてのまとめでした。暑い日が続いて強い風が吹いた時など、天気予報を見る意識が変わってフェーン現象を実感できるかもしれませんね。