豆知識

【2023年】年男・年女の意味や縁起は?厄年と重なる場合についても解説

2020年12月12日

着物を着た男女のイラスト

皆さんは、「年男」・「年女」という言葉をご存じでしょうか?

「今年は年男となりました。」と、年賀状で目にすることもありますが、「年男・年女となると、何か良いことはあるの?」と思う方が多いのではないでしょうか。

また、「年男・年女」と「厄年」が重なった場合、「厄除け」をするか否かで迷う方もいらっしゃるようです。

そこで、この記事では、

  • 年男・年女の意味や御利益(結婚・就職など)
  • 年男・年女のやるべきこと
  • 【2023年(令和5年)】の年男・年女の年齢・生まれ年
  • 【2023年(令和5年)】卯年生まれの年男・年女としての抱負
  • 年男・年女の厄年

について紹介・解説していきます。

年男・年女の意味とは?

十二支のイラスト

「年男(としおとこ)」・「年女(としおんな)」とは、
その年の十二支と同じ十二支生まれである男性・女性のことを言います。

※十二支とは、「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・馬(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)」の12の動物のことです。

2023年は卯年(うどし)になりますので、2023年の年男・年女は、「うさぎ年生まれの人」になります。

ちなみに、2023年の「卯年」に生まれた赤ちゃんは、まだ「年男」・「年女」ではないんだ。
12年後の「卯年」になって、初めて「年男」・「年女」を迎えるんだよ。

すずめ

もう一方の「年男」

「年男」という言葉は、実はもう一つ違う意味で用いられることがあります。

昔は、お正月の行事を「年男」と呼ばれる家の「家長」となる男性が、お正月を迎えるための飾り付けや、元旦の水汲み、お節料理・お供え物の準備といった全ての作業を取り仕切っていました。

これは、日頃忙しく働いている女性に正月くらい休んでもらう目的あったとか、女性を穢(けが)れた存在としていたため、穢れを嫌う神様を迎える神事に女性を関わらせないためなどと言われています。

「家長」は家で一番権限を持つ人のことですが、次第に家長から、長男や若い男性が「年男」となって行っていたそうです。

年男・年女の縁起は?何か良いことはある?(結婚・就職など)

大豆が入った升の写真

「年男」・「年女」と言われると、どのような縁起があるのか気になりますよね。

一般に「縁起が良い」と言われる一方、「縁起が悪い」と言われることもあるようです。

年男・年女の良い御利益

年男・年女となる人は、
年神様のご加護をより多く受けると言われています。

年神様は、お正月に各家庭に訪れるとされる神様で、1年の幸福をもたらしてくれる存在として祀られてきました。

また、歳神様のご加護が多く得られるので「物事が成功しやすい」と言われ、
何か新しいことを始めるのも良いと言われています。

加えて、年男・年女には邪気を払う力が宿ると考えられていたことから、節分に行う豆まきは年男・年女の役目とされることもあります。

しかしながら、「年男」に対し、「年女」という考えは戦後になってから広まった比較的新しいものであることから、昔ながらの風習が残っているところでは、門松を女性が触れたり、節分の豆をまいたりすることを良しとしないところもあるようです。

ちなみに、「年男・年女の周りにいる人にも良いことが訪れる」とされているので、年男・年女の人に協力することで御利益が得られるそうですよ。

年男・年女の悪いと言われること

一般的に年男・年女が「縁起が良い」と言われる一方、
地域によっては「当たり年」とされることから、災難に当たるとして「縁起が悪い」と言われることがあります。

一見、掛詞のようですが、12年に1度巡ってくる節目の年となっていますので、年齢の変化で体調を崩しやすくなるということもあり、「節目の年には気を付けなさい」という先人の教訓ともされています。

何か新しいことを始める際には、慎重に行った方が良いと言われていますので、結婚や就職、家の購入などを考えている方は、良い年である一方、慎重に進めるべきということでしょう。

年男・年女のやるべきこと(何をする?)

ダルマの写真

年男・年女となったら「新しい事を始めると良い」と言われていますが、節分の豆まきの他には、特別に行うべきとされていることはあまりないようです。

しかし、十二支によって守護してくださる仏様が違うため、自分の十二支の守護本尊(しゅごほんぞん)が祀(まつ)られてあるお寺に参拝に行くことで、より幸福のある1年を過ごすことができるかもしれません。

守護本尊は、その人が生まれてから死ぬまでの一生を守ってくださる仏様のことを言います。

また、縁日(えんにち)とされる日に参拝すると、一層の御利益が得られ、「真言(しんごん)」と呼ばれる聖なる呪文を唱えることで、声に乗って願いが届くとされています。

ちなみに、「真言」は、古代インドの言葉である「サンスクリット語」が元になっているのだそうです。

では、十二支の守護本尊をそれぞれ見てみましょう。

子年の守護本尊【千手観音菩薩】

子年(ねずみ)の守護本尊は、『千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)』になります。

「千手観音菩薩」は、千の手と眼を持ち、あらゆる生き物の願いや苦しみを救ってくださる仏様とされており、「苦難除去」・「所願成就」・「夫婦円満」・「恋愛成就」といった御利益があるとされています。

17日』が縁日となっており、お詣りの際には『オン・バサラ・タラマ・キリク』と唱え、祈願します。

丑年・寅年の守護本尊【虚空蔵菩薩】

丑年(うし)・寅年(とら)の守護本尊は、『虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)』になります。

「虚空蔵菩薩」は、無限の知恵と慈悲の心持ち、人々の願いを叶えるためや知識を与えてくださる仏様とされており、「成績向上」・「頭脳明晰」・「商売繁盛」・「記憶力増進」といった御利益があるとされています。

13日』が縁日となっており、お詣りの際には『オン・バサラ・アラタンノウ・オン・タラク・ソワカ』と唱え、祈願します。
※『ノウボウ・アキャシャ・キャラバヤ・オンアリキャ・マリボリ・ソワカ』とされることもあります。

卯年の守護本尊【文殊菩薩】

卯年(うさぎ)の守護本尊は、『文殊菩薩(もんじゅぼさつ)』になります。

「文殊菩薩」は、「三人よれば文殊の知恵」と言われるように、物事のあり方を見極める力や判断力を意味する「智慧(ちえ)」を司る仏様とされており、「治世明瞭」・「学業成就」といった御利益があるとされています。

25日』が縁日となっており、お詣りの際には『オン・アラハシャ・ノウ』と唱え、祈願します。

辰年・巳年の守護本尊【普賢菩薩】

辰年(たつ)・巳年(へび)の守護本尊は、『普賢菩薩(ふげんぼさつ)』になります。

「普賢菩薩」は、全てにおいて賢く、深い慈悲の心と知性で人々を救い、白象に乗ってあらゆる所に出現し、正しい道へと導く仏様とされています。

延命」・「増益」・「女性守護」・「減罪」といった御利益があるとされています。

24日』が縁日となっており、お詣りの際には『オン・サンマヤ・サトバン』と唱え、祈願します。

午年の守護本尊【勢至菩薩】

午年(うま)の守護本尊は、『勢至菩薩(せいしぼさつ)』になります。

「勢至菩薩」は、智慧の光で全てのものを照らし、人々を迷いや苦しみから救う仏様とされており、「知性明瞭」・「家内安全」・「除災招福」といった御利益があるとされています。

23日』が縁日となっており、お詣りの際には『オン・サンザク・ソワカ』と唱え、祈願します。

未年・申年の守護本尊【大日如来】

未年(ひつじ)・申年(さる)の守護本尊は、『大日如来(だいにちにょらい)』になります。

「大日如来」は、宇宙の根本を司り、知性と慈悲の光で全てを照らして、あらゆる事象を見通す力のある仏様とされており、「現世安泰」・「所願成就」といった御利益があるとされています。

8日』が縁日となっており、お詣りの際には『オン・アビラウンケン・バザラ・ダトバン』と唱え、祈願します。

酉年の守護本尊【不動明王】

酉年(とり)の守護本尊は、『不動明王(ふどうみょうおう)』になります。

「不動明王」は、大日如来の化身とされ、破壊と再生を司り、様々な煩悩を裁ち切って全ての人々を仏道に導く慈悲深い仏様とされており、「除災招福」・「悪魔降伏」・「現世利益」・「戦勝」といった御利益があるとされています。

28日』が縁日となっており、お詣りの際には『ナウマク・サンマンダ・バザラダン・センダン・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン』と唱え、祈願します。

戌年・亥年の守護本尊【阿弥陀如来】

戌年(いぬ)・亥年(いのしし)の守護本尊は、『阿弥陀如来(あみだにょらい)』になります。

「阿弥陀如来」は、計り知れない公明と、限りない命を持って人々を救済し続けるとされ、四十八願の誓いによりあらゆる人々を極楽浄土へと導く仏様とされており、「極楽往生」・「衆生救済」・「現世安泰」・「延命」といった御利益があるとされています。

15日』が縁日となっており、お詣りの際には『オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウン』と唱え、祈願します。

【2023年】年男・年女になる方の年齢と生まれ年リスト一覧

【2023年】は『卯年』となりますので、うさぎ年生まれの人が2023年(令和5)の年男・年女となります。

それでは、2023年の年男・年女の年齢と生まれ年を見てみましょう。

  • 12歳【2011年(平成23年)生まれ】
    癸卯(みずのとう)
  • 24歳【1999年(平成11年)生まれ】
    己卯(つちのとう)
  • 36歳【1987年(昭和62年)生まれ】
    丁卯(ひのとう)
  • 48歳【1975年(昭和50年)生まれ】
    乙卯(きのとう)
  • 60歳【1963年(昭和38年)生まれ】
    癸卯(みずのとう)
  • 72歳【1951年(昭和26年)生まれ】
    辛卯(かのとう)
  • 84歳【1939年(昭和14年)生まれ】
    己卯(つちのとう)
  • 96歳【1927年(昭和2年)生まれ】
    丁卯(ひのとう)
  • 108歳【1915年(大正4年)生まれ】
    乙卯(きのとう)
  • 120歳【1903年(明治36年)生まれ】
    癸卯(みずのとう)

【2023年】年男・年女としての抱負を例文で紹介

年男・年女として抱負を述べる際は、その年の十二支にちなんだ言葉を入れることで、その年らしい抱負となります。

2023年は「卯年」ですので、『うさぎ』にちなんだ抱負をご紹介します。

  • 今年は卯年で年男となりました。うさぎの耳の良さと俊敏さにあやかり、広くお客様の声を聞くことで、多くの方に満足していただけるような商品開発を行ってまいりたいと思います。
  • 昨年子供が誕生し、家族が一人増えました。『二兎(にと)を追う者は一兎(いっと)をも得ず』と言いますが、家庭と仕事の両立を実現するため、仕事の優先順位を明確化し、業務の効率化を図っていく所存です。
  • 今年は卯年ですので、『兎(うさぎ)の登り坂』で飛躍の年となるよう、何事も『獅子搏兎(ししはくと)』の精神で臨みたいと思います。
    ※兎の登り坂とは、条件に恵まれて物事が調子良く進むことを言います。
    ※獅子搏兎とは、簡単なことでも全力で物事に取り組むことを言います。

年男・年女であっても、厄年に厄払いは必要?

巫女さんの足元の写真

年男・年女は、厄年と重なる年が複数あるため、年男・年女=厄年と勘違いしてしまう方もいらっしゃるようですが、この二つは別物になります。

年男・年女となるのは、12年に1度ですが、厄年は一生で男性は3回、女性は4回訪れるとされています。

厄年とは

「厄年」は、厄災が多く降りかかるとされる年齢になる年のことで、平安時代から存在している風習のようですが、はっきりとした由来は分かっていません。

しかしながら、医学的にみて、身体的変化が起こる節目の年となっていることから、経験的に気を付けなければならない年齢となる年を厄年とした先人の知恵と言われています。

ちなみに、厄年の人は節分に鬼役になり豆をぶつけてもらうことで、豆に邪気が移り、厄払いの効果があるそうですよ。

厄年は「数え年」で考える

厄年は、男女で年齢が異なり、『数え年』で考えるのが一般的です。

数え年は、その年の満年齢に+1した年齢だよ。

すずめ

「数え年」というのは、昔の年齢の数え方で、人は生まれた時点で1歳となり、新年となる1月1日を迎えると1歳増えるという数え方のことを言います。

例えば、年末の12月31日に誕生した赤ちゃんは、その時点で1歳となり、翌日の1月1日を迎えると、2歳になるというものです。

まめすけ

えっ!?2歳になるのが早すぎて、同世代とは思えないほど他の子との差がうまれない?

そうだよね。だから昔は年末に赤ちゃんが生まれると、出生日を1月1日にずらして調整することがあったから、1月1日生まれの人が多くいたみたいだよ。

すずめ
まめすけ

本当の出生日じゃないのが複雑だな・・・。

厄年の年齢(数え年)

 厄年
男性25歳(24歳)※42歳(41歳)61歳(60歳) 
女性19歳(18歳)※33歳(32歳)37歳(36歳)61歳(60歳)

上記の数え年が、厄年となります。(カッコ内の年齢は今の数え方である満年齢です)

中でも、男性の42歳・女性の33歳は「※大厄(たいやく)」と言われ、特に注意が必要とされています。

【例】2023年に30歳になるという方は、数え年では2023年1月1日を迎えると31歳ということです。

このことから、年男・年女と厄年が重なる日を考えてみると、下記の人があてはまります。

  • 男性は、数え年25歳(満年齢24歳)・数え年61歳(満年齢60歳)
  • 女性は、数え年37歳(満年齢36歳)・数え年61歳(満年齢60歳)

年男・年女の厄年

年男・年女は『邪気を払う力が宿る』と言われていますので、厄年に行う厄払いは必要ないのでは?と思う方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、年男・年女であっても、『神様のご加護を願い、厄年を無事に過ごすための祈願』である「厄払い」は必要とされています。

厄払いは意味がない?

厄年には厄払いという考えがありますが、実のところ「厄払い」は『本人の気持ち次第』というところが大きく、「自分は厄年なんて気にしない」という方は厄払いをしなくても問題はないと言われています。

とはいえ、「厄年だから何かあるのでは…」と気にしてしまったり、体調がすぐれず「厄年のせいかも…」と不安が募ったりするようでしたら「厄払い」をしてもらうことで、晴れやかな気持ちでその年を過ごすことができるので、厄払いをしてもらったほうが良いと言えるでしょう。

厄年にやってはいけないこと

一般に厄年にやってはいけないと言われているのが、「新しい事を始める」ということです。

年男・年女では、一般的に「新しい事を始めるのは良い」と言われていますので、逆のこととなっていますね。

なぜ、新しいことを初めてはいけないと言われるのかというと、大きな変化の起きる年に、更なる変化を重ねるべきではないという考えが元になっているからだそうです。

しかしながら、厄年だからといって「何も行わない」というのではなく、「当たり年」の考えと同様に、慎重に物事を取り組むということが大切なことと言えます。

年男・年女となり、厄年とも重なったという人は、是非とも年神様を味方に付け、厄年を乗り切って下さい。

まとめ:年男・年女は必ずしも厄年ではない

十二支と年神様のイラスト
  • 年男・年女となる年は12年ごとに訪れる
  • 2023年の年男・年女は、『卯年生まれの人(うさぎどし)』
  • 年男・年女は、『年神様のご加護をより多く受ける』とされ、邪気を払う力が宿ると考えられたことから、節分の豆まきの役目を担うものとされる
  • 年男・年女は、「当たり年」ということから、『災難に当たる』として縁起が悪いと言われることがある
  • 年男・年女と厄年は別物で、年男・年女であったとしても、厄払いは必要とされている

いかがでしたでしょうか。
年男・年女は、年神様のご加護を多く受けるおかげで、物事が成功しやすいと言われていることが分かりました。

ちなみに、年男・年女と似た言葉で、福男・福女と言われることがありますが、特に有名なのが、兵庫県の西宮神社で開催される『十日戎開門神事福男選び(とおかえびすかいもんしんじふくおとこえらび)』になります。

商売繁盛の神様である「えびす様」を「えべっさん」と信仰し、総本社となっている西宮神社では、福を求めて全国から100万人もの参拝者が訪れるそうです。

毎年テレビなどでも取り上げられているので、ご存じの方も多いと思いますが、1月10日に開催される「福男選び」では、早朝6時の開門と同時にくじを引き当てた参拝者が、一番早く福を授かるために本殿へ向かって走るという「走り参り」が行われます。

先に本殿へと着いた3名が「福男・福女」となって大きな福を授かり、周囲の人達にも福を分け与えるとされています。

ちなみに、女性の参加ももちろん認められており、年齢制限といった縛りもありませんが、過去に女性が3位以内に入ったことは一度もないということです。

脚の早さに自身のある女性の方は、ぜひ史上初の「福女」を目指して挑戦してみてはいかがでしょうか。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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のすけ

ご覧いただきありがとうございます! 少しばかり私の紹介ですが、息子を育てる父親であり、会社員をしています。 父親として恥ずかしくないよう、皆様と一緒に日本文化について知識を深めていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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