皆さんは、「暑気払い」という言葉を耳にしたことはありますか?
私は、「パーッと暑気払いにでも行きますか」と言いながら汗を拭うサラリーマンの姿を想像してしまいますが、「暑気払い」という言葉には、どのような意味があるのかご存知でしょうか。
また、「暑気払い」はいつの時期に用いるべき言葉なのでしょう。
そこで、この記事では、
- 「暑気払い」の意味
- 「暑気払い」の期間はいつからいつまで?
- 「暑気払い」と「納涼会」の違いとは
- 「暑気払い」を使った飲み会の「案内文」・「挨拶文」【例文】
- 「暑気払い」の使い方
- 「暑気払い」の対義語・反対語はある?
- 「暑気払い」にオススメな食べ物・料理
- 「暑気払い」の英語表現
について解説・紹介していきます。
暑気払いの意味とは
まず、「暑気払い(しょきばらい)」という言葉には、『夏の暑さを打ち払う』という意味があります。
そして、「暑気払い」というのは、次のようなことを言います。
- 暑さの激しい夏に「体を冷やす効果のあるもの」を食べて『体に溜まった熱を取り除こうとすること』
- 『夏の暑さを和らげようとする行動のこと』
また、「暑気払い」には、夏の暑さで弱った体を元に戻すために『滋養に良いものを食べて元気になろう』という意味もあるそうです。
かつての暑気払いの風習
「暑気払い」というと、「冷たいビールを飲んで暑さを乗り切ろう」という『夏に開催される飲み会』をイメージしてしまいますが、本来の「暑気払い」は、体を冷やす効果があるとされる「漢方」や「薬湯」などを摂取する行事であったそうです。
また、江戸時代には、枇杷(びわ)の葉や桃の葉を煎じた薬湯を飲んだり、滋養に良いとされた本みりんと焼酎を混ぜ合わせて作った「本直し(ほんなおし)」と呼ばれる冷やした甘いお酒を飲んだりしていたと言われています。
ちなみに、「本直し」は地域によって「直し」や、「柳蔭(やなぎかげ)」といった風流な名前で呼ばれることもあります。
現在では「米リキュール」と呼ばれるのが一般的かもしれませんが、ぜひ暑気払いの一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
暑気払いの時期はいつ?期間はいつからいつまで?
「暑気払い」の「暑気」という言葉には、「夏の暑さ」という意味があるため、「暑気払い」は『夏の暑い時期』に使う言葉と言えますが、明確な時期が定められているわけではありません。
夏の暑い時期とは
一般的に、暦の上で「夏」とされているのは『立夏(5月5日頃)~立秋(8月7日頃)の前日まで』で、天文学的には太陽黄経が90°となる『夏至(6月21日頃)』から太陽黄経180°となる『秋分(9月23日頃)の前日まで』が「夏」となります。
その夏の季節の中でも、本格的な夏の暑さの到来は『夏至(げし)』の6月21日頃から、夏の暑さが和らぎ始めるのは『処暑(しょしょ)』の8月23日頃からと言われています。
二十四節気 | 時期 | 意味 |
夏至(げし) | 6月21日頃~ | 夏が訪れる頃 |
小暑(しょうしょ) | 7月7日頃~ | 梅雨明けが近づき、暑さが本格的に入る頃 |
大暑(たいしょ) | 7月23日頃~ | 快晴が続き、気温が上がり続ける頃 |
立秋(りっしゅう) | 8月7日頃~ | 夏が極まり、秋の気配が立ち始める頃 |
処暑(しょしょ) | 8月23日頃~ | 夏の暑さがピークを過ぎ、和らぎ始める頃 |
以上のことから、「暑気払い」は『夏至(6月21日頃)~処暑(8月23日)頃』に行うものと言えるでしょう。
しかし、夏至を迎える前に猛暑となり、夏の厳しい暑さを感じて「暑気払いにちょっと飲みに行かないか?」と部下の誘い文句として「暑気払い」を使ったとしても決して間違いではありません。
あくまでも、「暑気払い」を用いる一つの基準が『夏至(6月21日頃)~処暑(8月23日)頃』というだけなので、
『夏の厳しい暑さを感じた時に用いる』というのがポイントとなります。
立秋を過ぎると『残暑払い』?
ちなみに、暦の上では「秋」となる『立秋』を過ぎて行う「暑気払い」は、『残暑払い(ざんしょばらい)』と言われることがあります。
「残暑」という言葉には、『秋になっても残る暑さ』という意味があることから、いつの頃からか『残暑払い』と用いられるようになったそうです。
しかしながら、「立秋」は8月7日頃ということもあり、感覚的に残暑というにはまだ早い時期になることから、お盆明けの『8月下旬頃』から用いられることが多い言葉となっています。
また、「残暑」は『立秋(8月7日頃)~秋分(9月23日頃)に残る暑さ』のことをいうため、「残暑払い」は、『お盆明けの8月下旬頃~秋分(9月23日頃)まで』用いることができる言葉と言えるでしょう。
暑気払いと納涼会との違いとは
「暑気払い」と似た言葉に、「納涼(のうりょう)」や「納涼会(のうりょうかい)」といった言葉がありますね。
「納涼」というのは、
『夏の厳しい暑さを避けるため、または暑さを忘れるために工夫をこらして涼しさを味わう行動をとること』を言い、
「納涼会」というのは、
『涼しさを味わいながら夏の厳しい暑さを忘れるための会合』という意味があります。
「納涼」の風習は、古来の人々が夏の暑さを避けるため、水辺や木陰に涼しさを求めていたことが始まりと言われていて、平安時代の貴族が水辺で夕風(ゆうかぜ)に涼を感じながら「釣り」や「詩歌の会」を開催して暑さを忘れさせていたことが「納涼会」の由来だと言われています。
暑気払いと納涼の違い
では、まず「暑気払い」の例を紹介します。
- 気化熱を利用して地面からの暑さを和らげる「打ち水」
- 直射日光から防いでくれる「すだれ」
- 直接体を冷やすことのできる「川遊び」
- 体の熱をとると言われる「スイカ」や「きゅうり」などの食材を食べること
- 滋養があると言われる「甘酒」や「うなぎ」などの食材を食べること
「暑気払い」は、暑さを取り除こうとする行動や、暑さで弱った体を回復させようとする行動というのがポイントです。
次に、「納涼」の例を紹介します。
- 船上での「夕涼み」
- 見た目が涼しい「そうめん流し」
- 河川敷で行われる「花火大会」や「夏祭り」
- 不気味な「怪談話」や「肝試し」
- 涼しい音色を奏でる「風鈴」
「納涼」は、必ずしも暑さから開放されて涼しくなるものではなく、夏の暑さを忘れさせてくれる涼しさを感じられるものも含まれているのがポイントです。
「暑気払い」と「納涼」の違いとしては、
『暑気払いは、暑さを和らげることや、弱った体を回復するためにとる行動』
『納涼は、涼しさを味うことや、涼しさ味わうために工夫を凝らして暑さを忘れるような行動をとること』
となります。
飲み会には「暑気払い」と「納涼会」のどちらを使うべき?
会社の飲み会などで、「暑気払い」と「納涼会」のどちらを使うべきか迷った経験はないでしょうか。
会社の飲み会では、「冷たいビールなどを飲み食いして(体力を回復させて)、暑い夏を皆で乗り切っていこう」という意味合いが強い行事となりますので、通常「暑気払い」が用いられるのが一般的です。
一方、「納涼会」を用いる場合ですが、飲み会の場所が屋形船(やかたぶね)であったり、ビアガーデンであったりする場合は、涼しさが感じられる場所での飲み会となりますので、「納涼会」がふさわしいと言えます。
「暑気払い」を使った飲み会の案内文・挨拶【例文】
それでは、「暑気払い」を使った飲み会の『案内文』や『挨拶(あいさつ)』を例文を用いて紹介します。
「暑気払い」の案内文
〈案内文のポイント〉
①「暑気払いのご案内」・「暑気払いのお知らせ」などの題名を記載する
②時候の挨拶を入れる
③案内の内容や趣旨を記載する
④日時・場所・会費などを記載する
⑤出欠の案内を入れる
【例文1】
②拝啓 盛夏の候、暑さが身に堪える季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今後も気温が高い日が続くとのことですので、くれぐれも体調を崩されませんようご自愛ください。
③さて、今年も皆様が暑さに負けず乗り切っていけるよう下記のとおり「暑気払い」を開催いたします。
懇親の意味も含め、どうぞ多くの皆様にご参加いただきたく存じます。 敬具
④-記-
1.日時:〇月○日(○曜日) 午後○時~
2.会場:〇〇○○
(住所:☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓ TEL:☓☓☓-☓☓☓-☓☓☓☓)
3.会費:一人○○○○円(当日受付にて徴収いたします)
⑤お手数ではございますが、出欠のお返事を○月○日までにTELまたはメールにて幹事までお知らせください。
幹事:○○部 ○○
(TEL:☓☓☓-☓☓☓☓-☓☓☓☓)
(メール:☓☓☓☓@☓☓☓.☓☓.☓☓) 以上
【例文2】※会費はなく、会社負担の場合
②厳しい暑さが続いていますが、皆様お変わりありませんでしょうか。
③このたび、うだるような暑さに打ち勝つために、是非とも英気を養っていただきたく「暑気払い」を行うこととなりました。
開催日時は、下記の通りとなっていますので、よろしくお願いいたします。
④-記-
1.日時:〇月○日(○曜日) 午後○時~
2.場所:〇〇○○
(住所:☓☓☓☓☓☓☓☓☓☓ TEL:☓☓☓-☓☓☓-☓☓☓☓)
⑤何かご不明な点やご質問等がございましたら、○○までお願いいたします。
なお、欠席される方がいらっしゃいましたら、○月○日までにお知らせください。
「暑気払い」の挨拶
〈挨拶〉のポイント
①集まってくれたことへの感謝+自己紹介+開会の挨拶
②自己紹介(司会進行と違う人の場合)+乾杯の挨拶
③締めの挨拶(余裕をもって終了10分~15分前に行う
※顔見知りのみの小さな飲み会の場合は、自己紹介は必要ありません。
【例文1】
②「僭越(せんえつ)ながら乾杯の音頭を取らせていただきます、○○課の○○と申します。よろしくお願いいたします。連日猛暑日が続いていますが、本日の暑気払いで英気を養い、暑い夏を皆で乗り越えていきましょう!乾杯!」
③「皆様、宴もたけなわでございますが、そろそろお開きの時間となりました。暑気払い楽しんでいただけましたでしょうか。
(この後二次会も予定しておりますので、ぜひご参加いただければと存じます。)
暑い日はまだ続きますので、体調管理をしっかりと行い、本来の力が発揮できるよう最善を尽くして参りましょう。本日はありがとうございました。」
【例文2】
②「大変僭越ではございますが、社長からのご指名により、私が乾杯の音頭をとらせていただきます。皆様から早くしろとの熱い視線を感じておりますので、手短に参ります。本日は、暑さも吹き飛ぶような楽しい飲み会にしていきましょう!乾杯!」
③「皆様、宴もたけなわでございますが、お時間となりましたので、締めの挨拶に移らせていただきます。
(よろしければこの後二次会も予定しておりますので、ぜひお時間のある方はご参加ください。)
本日はお集まりいただき、ありがとうございました。まだまだ暑い夏は続きますが、無理をすることなく元気に楽しく一丸となって頑張っていきましょう!
それでは最後は一丁締めで締めさせていただきたいと思います。皆様お手を拝借、いよー《パンッ》ありがとうございました。」
※三本締め・一本締め・一丁締めの違いについては、下記の『三本締めの意味や由来とは?』の記事で紹介していますので、よろしければ合わせてご覧ください。
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「暑気払い」の使い方【例文】
では、「暑気払い」の使い方を【例文】で紹介します。
- 暑気払いを兼ねて、土用の丑の日には必ずうなぎを食べるようにしている。
- 妻が暑気払いにと、ゴーヤで緑のカーテンを作るそうだ。
- キンキンに冷えたビールは暑気払いにもってこいだ。
- 暑気払いに行う打ち水は、日陰に加え、早朝に行わないと逆効果になるらしい。
- 近年では、冷房病による自律神経の乱れ・体温調節機能の低下が問題視されており、サウナと水風呂で暑気払いをして体調を整える人が増えているようだ。
暑気払いの対義語・反対語はある?
「暑気払い」の対義語や反対語というと、「寒さを払う」や「暑さを取り入れる」といった意味の言葉になりますが、「寒気払い」や「暑気受け」のような反対を意味する言葉はありません。
しかしながら、『暑さを求める』という意味では『暑気寄せ(しょきよせ)』や『暑気乞い(しょきごい)』という言葉が用いられることがあります。
「清涼飲料」や「アイス類」などの商品を取り扱うメーカーなどでは、猛暑になるほど売れ行きがよくなることから、『猛暑日になってほしい』という願いを込めて「暑気寄せ」や「暑気乞い」といった言葉を使って宴会や飲み会を行うのだそうです。
暑気払いにオススメな食べ物・料理
それでは、暑い夏を乗り切るためにも、「暑気払い」にオススメな食べ物を紹介します。
甘酒
「甘酒」(麹甘酒)は、「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養が豊富な飲み物とされていて、古来から「暑気払い」の飲み物として親しまれてきた歴史があります。
甘酒(麹甘酒)には、次のような成分が含まれています。
- エネルギー源となる「ブドウ糖」
- 糖分をスムーズにエネルギーに変える役割をする「ビタミンB群(ビタミンB1・B2・B6・葉酸)」
- 人の体内では合成することの出来ない「9種類の必須アミノ酸」
- 腸内環境を整える「オリゴ糖」
- 様々な栄養素を生み出す「アミラーゼ・プロテアーゼ・リパーゼ」といった豊富な「酵素(タンパク質)」
これらの栄養素は、疲労回復や免疫力の向上、アンチエイジング(抗老化)などに効果があると言われています。
ちなみに、甘酒が作られる工程で、麹菌がそれ以上発酵しないように加熱処理されるのが一般的なのですが、熱に弱い酵素はその時点で死滅してしまいます。
「生甘酒」と呼ばれる加熱処理をしていない甘酒もありますが、酵素は生きていても腸まで生きて届くことはなく、胃の中で死滅してしまうそうなので、効果は変わらないそうです。
甘酒の種類
実は甘酒は、大きく2種類の甘酒に分けることができます。
- 『米麹(こめこうじ)』から作られる「麹甘酒」(ノンアルコール)
- 『酒粕(さけかす)』から作られる「酒粕甘酒」(微量なアルコール成分を含む)
どちらも豊富な栄養が含まれる「麹甘酒」と「酒粕甘酒」ですが、「暑気払い」にはお子さんや妊婦さんも安心して飲める「麹甘酒」がオススメです。
うなぎ
スタミナ食と言われる「うなぎ」も、「暑気払い」にオススメな食べ物になります。
「うなぎ」には、次のような成分が含まれています。
- 疲労回復・皮膚や粘膜の健康維持に役立つ「ビタミンB1・B2」
- 身体の抵抗力を高める「ビタミンA」
- カルシウムの吸収を高める「ビタミンD」
- 健康維持や細胞の老化を防ぐ「ビタミンE」
- 動脈硬化や高血圧などの予防・改善に効果のある「DHA」
- 血液の健康を保つ「EPA」
- 体の健康を維持する「亜鉛」
他の魚や肉類に比べて、とても栄養バランスの良い「うなぎ」ですが、蓄積型のビタミンAは摂り過ぎると健康障害を引き起こしてしまうリスクもあるようなので、過剰に食べることは避けるようにしましょう。
現在では、「うなぎ」に限らず様々な食品から栄養を摂ることができますが、昔は『夏痩せ(夏バテ)に効く』と言われる貴重な栄養食品であったとされています。
ちなみに、江戸時代では「お金持ちはうなぎ、庶民は甘酒」と言われていたそうですよ。
夏野菜
夏に旬を迎える「夏野菜」は、栄養が豊富で、体を冷やす効果があると言われています。
ウリ科の夏野菜
ウリ科の夏野菜は、きゅうり・ゴーヤ・冬瓜(とうがん)・かぼちゃ・ズッキーニ・メロン・スイカなどがあります。
ウリ科の野菜は「カリウム」や「水分」を多く含んでいるため、利尿作用によって塩分と一緒に熱を排出し、体温を下げる効果があると言われています。
特に、『ゴーヤ』には次のような豊富な栄養があるため、夏バテ予防にはオススメです。
- 免疫機能を高め、美肌効果もある「ビタミンC」
- 貧血予防に良い「鉄分」
- 消化液の分泌を促進し、胃腸を刺激して食欲改善に効果がある「モモルディシン(苦味成分)」
- 腸内環境改善に効果のある「食物繊維」
- 抗酸化作用があり、皮膚や粘膜を健康に保つ「βカロテン」
- 体を健康に保つ「カルシウム」
- 赤血球や細胞の生産を助ける「葉酸」
注意点として、ゴーヤの種には「モモルカリン」と呼ばれる成分が含まれており、マウスによる動物実験では、妊娠阻害作用と堕胎作用が確認されているそうです。
生のゴーヤや種を摂取しない限り、人体的には問題はないという意見もありますが、確実な安全性が確認されていないため、妊娠を望む方や妊娠中の方は万全を期すためにも避けた方が良いかもしれません。
ナス科の夏野菜
ナス科の夏野菜は、ナス・トマト・ピーマン・唐辛子などがあります。
ナス科の野菜にも同じく「カリウム」や「水分」が多く含まれるため、体温を下げる効果が期待できます。
特に、ナスの皮には「ナスニン」と呼ばれるポリフェノールの一種が含まれており、強力な抗酸化作用や眼精疲労の改善、生活習慣病の予防にも効果があるのでオススメです。
理想的な調理法としては、「ナスニン」は水に溶けやすい性質があるため、『水にさらし過ぎない』のがポイントで、揚げ焼きすると油が表面をコーティングしてくれるため、栄養が外に流れるのを防いでくれると言われています。
ちなみに、唐辛子の辛味成分である「カプサイシン」は、新陳代謝を高めてくれるだけでなく、胃腸を刺激して消化液の分泌を活発にする効果があり、食欲増進が期待できるそうです。
唐辛子とナスの相性もピッタリですので、ぜひ暑気払いの料理として取り入れてみてくださいね。
麦
東洋医学では、「麦」は体を冷やす食べ物とされています。
例外もありますが、次のような食べ物が「体を冷やす食べ物」と言われています。
【体を冷やす食べ物】
- 夏が旬の食べ物
- 原産地が南国地方である食べ物
- 色が寒色系の食べ物(白・緑・紫など)
- 水分が多い食べ物
- 柔らかい食べ物
- 地上に実る食べ物
- カリウムが多い食べ物
麦は初夏が旬であり、麦から作られる食べ物は「体を冷やす食べ物」となります。
【例】
・麦茶
・ビール
・そうめん
・パン
・うどん
そうめんは、夏バテによる食欲のない時でも食べやすく、簡単に調理することができるのも魅力ですね。
ちなみに、ほぼ同じ材料から作られる「そうめん」・「ひやむぎ」・「うどん」の基準(JAS規格)は次の通りです。
- 「そうめん」…直径1.3㎜未満のもの
- 「ひやむぎ」…直径1.3㎜以上1.7㎜未満のもの
- 「うどん」…直径1.7㎜以上のもの
暑気払いを英語で表現すると
「暑気払い」を英語にすると、次のように表現されています。
『dispelling the summer heat』
(夏の暑さを吹き飛ばす)
『beating the summer heat』
(夏の暑さを避ける)
『avoiding the summer heat』
(夏の暑さを打破する)
まとめ:暑気払いには、暑さを払い、元気に夏を乗り切ろうという意味がある
- 「暑気払い」は、体を冷す効果のある物や滋養に良いと言われる物を食べたり、暑さを和らげようとしたりして、夏を乗り切ろうとする行動のこと
- 「暑気払い」に時期は定められておらず、一般的に暑さの盛りと言われる『夏至(6月21日頃)~処暑(8月23日)頃』に行われ、使用される言葉と言えるが、『夏の厳しい暑さを感じた時に用いる』のがふさわしい
- 「暑気払い」は、『お盆明けの8月下旬頃~秋分(9月23日頃)』には「残暑払い」と言われることがある
- 「暑気払い」と似た言葉である「納涼」は、『涼しさを味うことや、涼しさ味わうために工夫を凝らして暑さを忘れるような行動をとる』ことをいう
- 「暑気払い」の対義語・反対語はない
- 「暑気払い」にオススメな食べ物としては、「甘酒」や「夏野菜」などがある
いかがでしたでしょうか。
現在「暑気払い」は、「夏の飲み会」という意味で用いられることが多いですが、本来の「暑気払い」は、体の熱を取ると言われる「漢方」や「薬湯」を摂取することで厳しい夏の暑さを乗り越えようとする風習であったことが分かりました。
ちなみに、「飲みニケーション」という言葉をご存知でしょうか。
「飲みニケーション」というのは、「飲み」と「コミュニケーション」を合わせた造語で、会社の同僚や上司と一緒にお酒を飲みながらコミュニケーションを図ることを言います。
近年では、『会社の飲み会は仕事の一貫だから自腹を切るのはおかしい』や、『時間外の飲み会は残業代が出るべき』、『出欠制だけど皆が出席する中欠席しにくい』といった意見が多く聞かれるようになりました。
また、『酔った上司の相手をしてお酌して回るのが苦痛』という意見もあるようですが、戦国時代ではお殿様が一生懸命戦った家来を労うために自らがお酌を行っていたと言われています。
「暑気払い」と称して飲み会を開催する会社もたくさんあると思いますので、皆が一致団結できるよう、日頃頼りない部下だとしても、飲み会においては仕事のことは忘れ、上司が部下を労い、部下は上司との絆を結ぶ会となることを願うばかりです。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。