長年と永年の違いとは?それぞれ何年くらい?類語や使い方例文を紹介

水彩画の背景

皆さんは、「長年」や「永年」という言葉を、何年くらい経過した物事に対して使用していますか?

10年以上という方もいれば、3年という方もいらっしゃるようですが、いったいいつから使える言葉なのでしょう。

また、「長年と永年の使い分けが分からない」といった方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、

  • 長年と永年の違い
  • 長年・永年は何年くらいから使用できる?
  • 長年と永年の使い分け方【例文】
  • 「長年にわたり」と「多年にわたり」は同じ意味?
  • 「長年にわたり」を使った【例文】の紹介
  • 長年の類語・対義語
  • 長年の英語表現

について解説・紹介していきます。

長年と永年の違いとは?何年くらいから使用できる言葉?

困った男の人のイラスト

まず「長年」と「永年」の違いを解説する前に、「長年」と「永年」の意味をそれぞれ確認しておきましょう。

長年の意味

「長年」は、一般的には「ながねん」と読みますが、音読みでは「ちょうねん」とも読みます。

「長年」は、長い年月という意味があり、「長い」という言葉にはある地点までの間隔の大きさという意味があります。

永年の意味

「永年」は、訓読みで読むと「ながねん」、音読みで読むと「えいねん」と読みます。

「永年」は、永く積み重ねてきた年月という意味があり、「永い」という言葉にはある地点までの間隔が大きく、果てしないという意味があります。

長年と永年の違いと使用できる年数

「長年」と「永年」の違いについて説明すると、
長年は、単に長い年月が経過したことを表したい時に用いる言葉
永年は、長い年月が経過し、この先も果てしなく永続的に続いていくだろう未来を想像して用いる言葉
になります。
※永続的とは、物事が途切れることなく果てしなく続いていくさまを表す言葉です。

では、実際にどのくらいの年数が経過すると「長年」や「永年」を用いることができるのかというと、どちらも特に定められているわけではないため、人の感覚によるところが大きいと言えます。

勤続年数に応じて会社から表彰される制度である「永年勤続表彰制度(えいねんきんぞくひょうしょうせいど)」では、10年ごとに表彰する場合が多いようですが、会社によって表彰規定が違うため、早いところでは5年からというところもあります。

また、10代や20代の若者の場合、付き合って3年の彼氏・彼女というと「長年付き合っている彼氏・彼女」と思う方もいらっしゃいますので、何年から長年なのかという基準が難しいところです。

「長年」は、決して3年という年月の経過に対して用いることのできない言葉ではありませんが、違和感のないように使用することが大切です。

一般的に使用する場合には5年~10年以上継続している物事に対して用いるのが適切と言えるでしょう。

長年と永年の使い分け方

ポイントを表している男性のイラスト

では、実際に例文で「長年」と「永年」の使い分けを見てみましょう。

ポイントとしては、

・「長年」は「単に長い年月が経過した物事」や「期限・終わりがある物事」

・「永年」は「永続的に続いていくであろう物事」や「終わりがあっても永続的に続いていってほしい物事」

に使用することです。

ちなみに、「永年勤続表彰」の際に「長年」よりも「永年」という言葉が用いられることが多い理由としては、『永遠にとはいかないけれど、今後も末永く会社で働いてほしい』という願いを込めて「永年」という字を使用しているのだそうです。

長年を用いた例文

長年愛用してきた車だっただけに、手放す時は大きな決心が必要だった。

長年彼女がいなかった僕にも、ようやく運命の人が現れたようだ。

長年の経験から学んだノウハウを基に、コンサルティング業を行うことにした。

永年を用いた例文

①曽祖父の代から続いているこの店は、永年変わらぬ味を守り続けてきた。

永年猫と一緒に暮らしている私には、猫のいない人生なんて考えられない。

永年保証がついている靴下が話題になっていたが、それだけ商品に自信があるということだろう。

もし、「長年」と「永年」のどちらを使うかで迷ってしまった場合は、「長年」を用いるようにすると無難です。

「長年にわたり」と「多年にわたり」は同じ意味?

考えている男の人のイラスト

長年にわたり」という言葉は、長い期間においてずっとという意味を表す言葉になります。

「わたり(わたる)」という言葉は、『期間の継続』や『広い範囲に及び』という意味があり、漢字では「亘り」と書きますが、常用漢字ではないため、ひらがなで書くのが一般的です。

【「わたる」を使った例文】
・「多彩な分野にわたる貢献」
・「再三にわたる忠告にもかかわらず」
・「外部から内部にまでわたる損傷」

また、「多年にわたり」という言葉もありますが、「多年(たねん)」は、『多くの年月』という意味があり、『長年と同じ意味を持つ言葉』として用いられています。

もちろん「永年にわたり」でも言い換えができますので、文にふさわしいと思う言葉を選んで使用するようにしましょう。

「長年にわたり」を用いた例文【ビジネス】

「長年にわたり」という言葉は、少しかしこまった表現であるため、挨拶状や表彰状などのビジネスシーンで用いられることが多い言葉です。

それでは、「長年にわたり」を使用した例文をいくつかご紹介したいと思います。

【例文1】挨拶状(創立記念)

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、弊社は昭和○○年の創業以来、来る令和○年○月○日をもちまして創立○○周年を迎える運びとなりました。
これもひとえに皆様方の長年(永年)にわたる温かいご支援とご愛顧の賜物と深く感謝申し上げます。…

【例文2】挨拶状(新装開店)

拝啓 〇〇の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のことと存じます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
この度、来る令和○年○月○日におきまして新装開店の運びとなりました。
これもひとえに皆様方の長年(永年)にわたるご支援の賜物と心より感謝申し上げます。…

【例文3】表彰状(永年勤続表彰)

あなたは株式会社〇〇に入社以来10年の長年(永年)にわたって職務に精励し業績の発展に貢献しました
よってその功績に感謝し金一封を贈り表彰いたします

【例文4】表彰状(定年退職者表彰)

あなたは昭和○年○月入社以来長年(永年)にわたり〇〇株式会社の発展のため尽力し多大なる功績を残されました
このたび定年を迎えるにあたり永年のあなたの功績を讃え記念品を贈呈し感謝の意を表します

【例文5】感謝状

貴社は長年(永年)にわたり当社協力会社として信頼関係のもと優れた製品の提供により当社の業績向上と発展に貢献されました
創立50周年を迎えるにあたり貴社の多大な功績に深く感謝の意を表します

ちなみに、表彰文として記載する場合には「、」や「。」といった句読点を付けないように注意してください。

句読点を付けない理由としては、次のことが挙げられています。

  • 区切ったり終わりを表したりする句読点は縁起が悪いとされる
  • 正式な文書には句読点を付けないのがマナーとされる

長年の類語とは

「長年」は『長い年月』を意味する言葉ですので、同じような意味を持つ「類語」は下記の言葉があります。

  • 永年(ながねん・えいねん)
  • 多年(たねん)
  • 積年(せきねん)
  • 久年(きゅうねん)
  • 長日月(ちょうじつげつ)
  • 長年月(ちょうねんげつ)
  • 百代(はくたい・ひゃくだい)
  • 百年・百歳(ももとせ)
  • 千秋(せんしゅう)
  • 千年・千歳(ちとせ・せんざい)
  • 万年・万歳(よろずとせ・ばんざい)

現在では、あまり用いられない言葉も多いと思いますが、百年・千年・万年といった言葉は、実際に長い年月であることから、転じて『非常に長い年月』を表す言葉として用いられるようになったと言われています。

長年の対義語(反対語)はある?

「長年の反対の言葉は?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、「長年」に対する「対義語」はありません。

しかし、「長年」の類語である「長日月」の対義語として「短日月(たんじつげつ)」を挙ている辞典(角川類語新辞典)もありますので、対義語に近い言葉と言えるのではないでしょうか。

「短日月」は『わずかな月日』や『短い期間』を表す言葉です。

ちなみに、わずかな日数を表す「数日(すうじつ)」という言葉がありますが、正確な日数は定められておらず、『2、3日か5、6日ほどの日数』や『10日より短い日数』といった曖昧な解説がされており、辞書によって違います。

一般的に「2、3日」と思う方が多いようですが、人によって考えが違いますので、約束事をする際などには「数日かかります」ではなく、「1周間程度かかります」などはっきりとした日数を提示するほうが良いでしょう。

「数年」は短い年数を表す言葉ではない

また「長年」に対し、短い印象のある「数年(すうねん)」という言葉もありますね。

「数年」は、2、3年か5、6年ほどの年数という意味の言葉です。

「〇〇会社に勤めて数年」といった場合、「ある程度の年数」と感じる方や、「短い年数」と感じる方もいらっしゃると思います。

では、「行方不明になって数年」といった場合どうでしょうか。

「短い」という印象は無くなり、「長い年数」と感じる方が圧倒的に増えると思います。

このように「数年」という言葉は、用いる内容によって年数の長さの印象が変わる言葉であり、決して短い年数を表す言葉ではないことが分かりますね。

長年を英語で表現すると

英語で「長年」は、次のように表現されています。

for many years』(何年もの間)

for a long time』(長い間)

まとめ:長年や永年は5年~10年以上の物事に対して用いるのが一般的

縁側でお茶を楽しむ年老いた夫婦のイラスト
  • 長年と永年は、どちらも『長い年月』という意味がある
  • 長年・永年には何年からという基準は定められていない
  • 長年は「単に長い年月を表したい時」や「終わりがある物事」に対して用いる言葉
  • 永年は「長い年月が経過し、この先も永続的に続いていくだろう未来」や、「続いていってほしい未来」を想像して用いる言葉
  • 「長年にわたり」と「多年にわたり」はどちらも『長い期間においてずっと』という意味がある
  • 長年の類語は、「永年」や「多年」、「積年」といった言葉がある
  • 長年の対義語はない

いかがでしたでしょうか。
長年と永年は、どちらも『長い年月の経過』を表す言葉で、この先も永続的に続いていく物事や、終わりがあっても続いていってほしい物事に対しては「永年」を用いるということが分かりました。

ちなみに、「昔からの友人」のことを「長年来の友人」と書いている文章をたまに見かけることがありますが、「年来」という言葉は、『数年前から続いていること(長年)』といった意味がある言葉です。

「年来」の使い方としては、下記のような使い方をします。
・「年来の友人」(長年の友人)
・「数年来の友人」(約数年前から続いている友人)
・「十年来の友人」(約10年前から続いている友人)
・「十数年来の友人」(約十数年前から続いている友人)
・「三十年来の友人」(約30年前から続いている友人)
・「何十年来の友人」(何十年前から続いている友人)

先程の「長年来の友人」で考えてみると、伝えたい意味は分かりますが、「年来」という言葉だけで「長年」といった意味をもつ言葉ですので、『どのくらい前から』といった説明を加えない場合は、「年来の友人」や「長年の友人」という使い方が正しい言葉の使い方となります。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。