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水入らずの意味や由来、使い方とは?水臭い・水を差すについても解説

カップルが手をつないで歩く写真

よく、「夫婦水入らずで・・・」や「家族水入らずで・・・」といった言葉を耳にすることがあると思いますが、皆さんは「水入らず」にどのような意味があるのかご存知でしょうか。

なんとなく言葉の意味は理解はしていても、説明するとなると難しく、なぜ「水入らず」というのか分からないという方も多いようです。

そこで、この記事では、

  • 水入らずの意味
  • 水入らずの語源
  • 水入らずの使い方【例文】
  • 水入らずの類語
  • 「水臭い」・「水を差す」・「水入り」の意味
  • 水入らずの英語表現

について解説・紹介していきます。

水入らずの意味とは

2世代家族のイラスト

「水入らず」には、
内輪(うちわ)の者だけが集まり、他人(部外者)を交(まじ)えないこと
という意味があります。

「内輪」というのは、「家族や仲間などの親しい関係にある人」のことです。

よく、「夫婦水入らずで・・・」といった使われ方をしますが、こちらは『夫婦二人だけで・・・』という意味になり、ほかに邪魔をするものがいない状況を表した言葉となります。

中には「夫婦仲良く」といった意味で解釈される方もいらっしゃいますが、「水入らず」という言葉には「仲良く」や「楽しく」といった意味は含まれていません。

「仲良く」という意味をもたせる場合には、「夫婦水入らずで仲良く温泉旅行に出かけた」というように、水入らずに説明を補足する必要があります。

ちなみに、「水入らずの冷凍ラーメン」・「水入らずのシャンプー」といった場合は、「水がいらない・水が不要」という意味です。

水入らずの使い方【例文】

老夫婦で温泉につかるイラスト

「水入らず」は、主に夫婦や家族といった『親族』に用いられることが多い言葉ですが、友人や恋人などの『親しい人』に対しても用いることができます。

それでは、「水入らず」の使い方を分かりやすく【例文】で紹介します。

  • 久しぶりに妻と夫婦水入らずで旅行へ行こうと考えていたが、結局義理の母も同行することになった。
  • フラれて落ち込んでいる弟を見かねて、兄弟水入らずで飲みに出かけた。
  • 海外赴任が決まった兄を応援するため、家族水入らずの祝宴を開いた。
  • こうして親子水入らずの時間を過ごすのは何年ぶりだろう。
  • 彼女と私の水入らずで話してみたところ、私だけには本音を打ち明けてくれた。
  • 大学時代の友人達と水入らずで飲みに出かけると、当時のことが昨日のことのように思い出される。

水入らずの由来・語源

「水入らず」という言葉の由来は、2つの説があります。

【その1】油と水の関係から生まれた説

オリーブオイルの写真

1つ目は、油と水の関係から生まれたという説になります。

油と水は、混ぜ合わせようとしても性質上分離してしまい、混ぜ合わさることはありません。

そのため、油を「親しい人」、水を「部外者」に例え、
油に水が入っていない状態』つまり、親しい人の集まりで、部外者が入っていない状態を「水入らず」と言うようになった説になります。

ちなみに、『水と油』という「ことわざ」には、
2つのものがしっくりと調和しないこと
互いに気が合わず仲が悪いこと
という意味があります。
※「水に油」と言われることもあります。

【その2】お酒の席から生まれた説

盃に入ったお酒の写真

2つ目の説は、お酒の席から生まれたという説になります。

昔はお酒の席では、一つの「盃(さかずき)」を使ってお酒を酌(く)み交(か)わしながら飲むことが習慣として行われていました。
※盃とは、お酒を飲むための器のことです。

なぜ一つの盃を皆で回しながらお酒を飲むのかというと、一つの盃で酌み交わすことで心を通わせ、絆を深める意味があったからとされています。

お酒を酌み交わす際には、「盃洗(はいせん)」という盃を洗うための器が用いられ、盃を使用した後には、盃洗の水ですすいでから相手へ渡すのがマナーとされていたそうです。

しかし、親しい間柄になった相手には、盃を水ですすぐことなくそのまま使用することが多かったことから、『水が不要の親しい関係』という意味で「水入らず」と言うようになったという説になります。

水入らずの類語

「水入らず」と同じ意味をもつ「同義語」はありませんが、関連性のある類語を紹介します。

親しい間柄を表す言葉

気が置けない・仲の良い・気心が知れる・気安い・気兼ねしない・親密・親愛・別懇(べっこん)・昵懇(じっこん)・懇意(こんい)・睦(むつ)まじい・和気藹々(わきあいあい)・ねんごろ

第三者が加わらない状態を表す言葉

二人きり・二人っきり・二人だけ・一家・家族・血縁者・仲間内

「水臭い」・「水を差す」・「水入り」の意味

水が入ったグラスの写真

「水入らず」の他にも、「水臭い」や「水を差す」、「水入り」といった『』の入った言葉があります。

これらの言葉にはどのような意味があるのか、あわせて確認しておきましょう。

【1】「水臭い」とは

「水臭い(みずくさい)」には、下記の意味があります。

  • 『親しい間柄にもかかわらず、よそよそしい態度をとる様子やどこか他人行儀な様子』
  • 『水分が多くて、味が薄く水っぽいこと』

一般的には、①の意味で用いられることが多く、②の意味で用いられることは少ないです。

①の意味での使い方としては、下記のような使い方ができます。

  • 結婚したのなら、すぐに報告してくれれば良かったのに、水臭いにもほどがあるよ。
  • 「お前だけには迷惑をかけたくなかった」なんて水臭いこと言うなよ、俺とお前の仲だろ。
  • 敬語を使うなんて水臭いじゃないか、お前らしくもない。いったいどうしたんだ。

「水臭い」の語源・由来

「水臭い」という言葉は、もともと江戸時代の大阪で「料理の味が薄い」・「水っぽくて味がしない」ことを「水臭い」と言っていたことが始まりされています。

その後、「料理が味気ない・薄い」という意味が人にも使用されるようになり、「愛情が薄い」・「薄情」・「味気なくよそよそしい態度」といった意味で用いられるようになったそうです。

【2】「水を差す」とは

「水を差す」には、下記の意味があります。

  • 『水を加えて薄くしたり、ぬるくしたりすること』
  • 『仲のいい者同士やうまくいっている物事に対して、邪魔したり乱したりすること』

②の意味での使い方としては、下記のような使い方ができます。

  • 皆が協力して頑張っていこうとしている中、「どうせうまくいきっこないよ」などと水を差すようなことを言うのはやめてもらいたい。
  • 休憩中水を差すようで申し訳ないが、今日中にプレゼンの資料をまとめておいてくれ。
  • すごく楽しみにしていた映画だったのに、後ろの人から何度も席を蹴られ、映画鑑賞に水を差されてとても腹が立った。

「水を差す」の語源・由来

「水を差す」という言葉が、邪魔をしたり、乱したりする様子を表す言葉になった由来としては、「水を加える」という行為が由来とされています。

もともと「差す」という言葉には、少量の液体を入れるという意味があります。
例えば「目薬を差す」・「オイルを差す」などが一般的ですね。

当然のことながら、熱い物に水を加えれば温度は下がり、濃い食べ物に水を加えればその分濃度が薄くなります。

しかし、ちょうど良いものに水を加えてしまうと、温度はぬるく、味は薄くなり一気に台無しになってしまいますよね。

このことから、良い状態のものを乱す行為に対しても「水を差す」と言うようになったとされています。

【3】「水入り」とは

「水入り」は、「水入らず」と反対の言葉のように感じますが、下記のような意味があります。

  • 『水が入っていること』
  • 『大相撲で取組が長引いて勝負がつかなかった時、一時中断し休ませた後、力水(ちからみず)をつけさせて再び同じ形でやり直させること』
    ※力水とは、お清めのための水のことです。
  • 『歌舞伎の演出で、役者が本物の水につかること』
  • 『歌舞伎に使用するカツラで、漆(うるし)を塗って光沢を出したもの』
  • 『船の水に浸かる部分のこと・喫水(きっすい)』

このように、「水入り」には様々な意味がありますが、「水入らず」とは関係のない言葉ということが分かりますね。

水入らずの英語表現

「水入らず」は英語では、次のように表現されています。

with no one else present
 (水入らずで)

just the two of us
 (二人っきりで)

with just us
 (私達だけで)

(all) by themselves
 (彼ら・彼女ら自身だけで) 

only with family members
just us as a family
 (家族だけで)

まとめ:水入らずは、特定の親しい人との間に部外者が入らない状態を表す言葉

夫婦で旅行に出かける夫婦と、それを見送る子供のイラスト
  • 水入らずという言葉は、油と水の関係から生まれたという説とお酒の席から生まれたという2つの説がある
  • 水入らずには同義語は存在しない
  • 「水臭い」は、主に親しい間柄にもかかわらず、よそよそしい態度をとる様子やどこか他人行儀な様子を表す言葉
  • 「水を差す」は、仲のいい者同士やうまくいっている物事に対して、邪魔したり乱したりすること
  • 「水入り」は「水入らず」の対義語ではない

いかがでしたでしょうか。
「水入らず」という言葉には、「仲良く」や「楽しく」といった意味はなく、特定の親しい人との間に邪魔する人がいない状況を表す言葉ということが分かりました。

なぜ「水」が邪魔者扱いなのか疑問に思っていたという方も、語源の由来を知ると納得できたのではないでしょうか。

水と油で考えると、油のほうが邪魔者に感じてしまいますが、ベタベタとくっつく油の性質が強い親密度を表しているような感じがします。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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のすけ

ご覧いただきありがとうございます! 少しばかり私の紹介ですが、息子を育てる父親であり、会社員をしています。 父親として恥ずかしくないよう、皆様と一緒に日本文化について知識を深めていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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