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岡山県が「晴れの国」とされている理由とは?日照時間ランキングも掲載

2020年8月21日

瀬戸大橋と岡山県のイラスト

岡山県は、中国地方に位置する日本で17番目に広い面積を持つ県となっていますが、実は『晴れの国』と言われているのをご存じでしょうか。

『桃太郎の発祥の地』としてとても有名な岡山県ですが、別名『晴れの国』と言われる理由は何なのでしょう。

そこで、この記事では、

  • 岡山県が『晴れの国』と言われる理由
  • 全国の日照時間のランキング
  • 岡山県の特産品

について解説・紹介していきます。

岡山県が「晴れの国」とされている理由・由来とは?

快晴の空と太陽の写真

岡山県が「晴れの国」と言われるのは、「岡山県のキャッチコピー」として平成元年から、県の広報活動で「晴れの国」と広く使用するようになったことが由来とされています。

岡山県を「晴れの国」と呼び始めた理由としては

  • 晴れの日が多い
  • 温暖な気候で災害が少ない
  • 自然がたくさんある
  • 美味しいものが豊富にある

といったことが挙げられています。

それでは、それぞれの理由について解説していきます。

岡山県は、晴れの日が多い

太陽の写真

気象庁は10年に1度、過去30年間の降水量や気温などを平均した平均値」を発表しています。

その「平均値」を使用して、各都道府県庁所在地等の年間降水量1㎜未満の日数をランキングにすると、岡山県が全国第1位となります。

現在気象庁が発表しているデータは1981年(昭和56年)~2010年(平成22年)の30年間となっているので、2021年に新たなデータが発表されるまでは第1位は岡山ということになりますね。

ちなみに、降水量1㎜未満の日数の『1位~5位・43位~47位』までは次のようになっています。

年間降水量1mm未満ランキング

順位都道府県降水量1㎜未満の日数(平年値)
1岡山県276.8日/年
2山梨県273.8日/年
3兵庫県271.6日/年
4広島県270.5日/年
5和歌山県269.0日/年
全国平均 247.8日/年
43福井県194.8日/年
44新潟県192.8日/年
45秋田県192.7日/年
46富山県188.5日/年
47石川県188.2日/年

過去30年の「平均値」で見る、岡山県のその他のデータとしては、

  • 『降水量の少なさ』では全国第3位 1105.9㎜(全国平均1609.1㎜)
  • 『日照時間の長さ』では全国第14位 2030.7時間(全国平均1896.5時間)

があります。

全て1位とはいきませんでしたが、晴れの日数からいうと岡山県は「晴れが多い」と言えますね。

ちなみに、近年の全国の日照時間のランキングもご紹介します。

各都道府県別日照時間ランキング

下記の図は、総務省統計局で2020年2月に刊行された『統計でみる都道府県のすがた』に掲載されている『2018年の都道県別日照時間(年間)』のランキングとなっています。

順位都道府県1年の合計
(時間)
1山梨県2391.3
2群馬県2381.3
3愛知県2330.6
4三重県2325.9
5埼玉県2308.3
6徳島県2289.9
7和歌山県2288.8
8岐阜県2277.8
9大阪府2265.6
10高知県2265.0
11香川県2248.1
12兵庫県2247.5
13岡山県2229.2
14静岡県2208.7
15茨城県2199.1
16神奈川県2194.6
17宮崎県2191.9
18広島県2181.5
19愛媛県2172.2
20栃木県2156.3
21大分県2143.3
22佐賀県2133.7
23長野県2121.9
24千葉県2120.2
25東京都2112.2
26福岡県2094.8
27熊本県2089.9
全国平均 2070.0時間
28奈良県2065.6
29滋賀県2060.4
30鹿児島県2051.2
31山口県2025.0
32宮城県1998.4
33長崎県1994.4
34京都府1981.8
35福島県1915.7
36石川賢1880.7
37沖縄県1876.5
38島根県1851.1
39福井県1844.4
40鳥取県1825.7
41富山県1799.5
42岩手県1778.1
43山形県1765.0
44北海道1741.6
45新潟県1698.8
46青森県1642.0
47秋田県1526.2

(出典:総務省統計局刊行 「 統計で見る都道県のすがた 2020」)

2018年では、岡山県は13位となりました。
全国を見てみると、秋田県が一番日照時間が少ないという結果となっていますが、紫外線の影響を考えると、色白・美肌の「秋田美人」と言われるのも納得できますね。

岡山県は、温暖な気候で災害が少ない

瀬戸大橋の写真

瀬戸内海に面している岡山県は約8割が「瀬戸内海式気候」の影響を受けているため、1年を通して温暖な気候となるようです。

強烈な暑さをもたらす夏の季節風は、九州山地と四国山地によって遮られ、厳しい寒さをもたらす冬の季節風も、中国山脈によって遮られるため、季節風の影響が少ないと言われています。

そのため、「夏は涼しく冬は暖かい」と言われ、温暖な住みやすい気候とされています。
ちなみに、2019年岡山県の『月別平均気温』は下記の気温となります。


2019年
月別
平均気温

1月2月3月4月5月6月
5.36.59.413.819.923.2
7月8月9月10月11月12月
26.328.225.719.812.37.6

また、岡山県は活断層が少ない地域となっており、兵庫県南部にある山﨑断層帯以外に活断層はありません。

そのため地震の影響は少ないとされており、南海大地震が発生した場合でも、四国と瀬戸内海の後ろに位置する岡山県は、津波などの影響は受けにくく、被害も少ないと考えられています。

しかしながら近年では、日本中で「前例のない自然災害」が起こっている時代でもあり、安全とされている場所であっても注意は必要です。

岡山県は、自然がたくさんある

『自然がたくさんある』とは、晴れが多いことで木々が良く育ち、豊かな自然があるということでしょうね。

岡山県の面積7114.33㎢の約68%は森林となっており、北部には中国山地、中部には吉備高原(きびこうげん)、南部には瀬戸内海があり、とても豊かな自然に恵まれています。

また、岡山県を流れる一級河川である「吉井川(よしいがわ)」・「旭川(あさひがわ)」・「高梁川(たかはしがわ)」の総流域面積は、県全体の約80%を占める広さとなっています。

※流域面積とは、雨などの水がその川へと流れる範囲を含めた面積のことです。

岡山県では、昔から受け継がれてきた豊かな自然を守るため、『岡山県自然保護条例』を制定しており、自然保護にも努めています。

岡山県は、美味しい物が豊富

ぶどうの写真

岡山県は、温暖な気候を生かして、「清水白桃・マスカット・ピオーネ」の栽培が盛んに行われており、その品質は全国No.1となっています。

また、「くだもの王国おかやま」として、梨・いちご・いちじく・ドラゴンフルーツ・すいか・メロンなどの栽培や、岡山県オリジナルの品種である「おかやま夢白桃」・「オーロラブラック(大粒の黒ぶどう)」・「岡山ニューピオーネ」などの栽培も行われています。

他にも、野菜・畜産・お米など多種多様な農畜産業が行われていて、「晴れの国」ならではの特色と言えるでしょう。

では、気になる「晴れの国」岡山県の特産品について紹介していきます。

「晴れの国」岡山県の特産品は?

桃太郎のイラスト

やはり、岡山県と言えば「桃太郎」ですよね!桃太郎に登場する「きびだんご」は、岡山県の特産品となっています。

種類もたくさんあり、様々なメーカーで取り扱われているお菓子となっているので、選ぶ際には迷ってしまうかもしれません。

「晴れの国」岡山県の「きびだんご」

だんごの写真

「きびだんご」には、主に黍(きび)を使用した『黍団子(きびだんこ)』と、主に餅米を使用した『吉備団子(きびだんご)』があります。
※黍(きび)とは、イネ科の穀物の一種であり、日本では五穀の一つとされています。

『黍団子』は、桃太郎のお話にも登場する「きびだんご」を言い、『吉備団子』は、「吉備の国」と言われた岡山県の名前がつけられた、お土産としての「きびだんご」となっています。

きびだんごの元祖は『廣榮堂(こうえいどう』と言われており、1857年(安政三年)から創業されています。

『廣榮堂』の公式ホームページはこちらへ

「晴れの国」岡山県の「桃・ぶどう」

桃の写真

岡山県は「桃」の代表的な産地であり、県外各地で栽培されている桃の多くは、岡山県の桃がルーツとされています。

岡山県の桃は色が白く、とても柔らかで甘いのが特徴です。

その種類はとても多く、「清水白桃」・「おかやま夢白桃」・「陽だまりの詩」など、30種類以上の桃が栽培されています。

また、ぶどうの生産も盛んに行われており、「瀬戸ジャイアンツ(桃太郎ぶどう)」・「マスカット・オブ・アレキサンドリア」・「ニューピオーネ」など、こちらも30種類以上となっており、日々品種改良が行われています。

「晴れの国」岡山県の郷土料理「ままかり」

ままかりの写真

「ままかり」とはニシン科の魚で、通常「サッパ」と言われる魚になります。

「ままかり」を使用した、にぎり寿司や酢漬け、甘露煮などは岡山県の郷土料理となっています。

「ままかり」は漢字で書くと「飯借」と書きますが、『ご飯を隣の家から借りに行く(貰いに行く)』ほど酢漬けにした魚が美味しかったことからこの名前が名付けられたと言われています。

「晴れの国」岡山県の「鰆(さわら)」

バラ寿司

瀬戸内海では春になると、鰆(さわら)を初め、様々な魚の産卵場所となっており、お刺身と言えば「鰆」と言われるほど県民に親しまれている魚となっています。

鰆の旬は秋~冬の季節とされ、脂の乗った鰆を刺身やたたき、バラ寿司などの郷土料理で楽しむことができます。

「晴れの国」岡山県の「地酒」

日本酒の写真

酒米の最高品質とされる「雄町米(おまちまい)」は、全国生産量90%以上が、岡山県で栽培されています。

そのため日本酒や米焼酎が有名ですが、特産のぶどうを使用したワインや桃のリキュール、三大河川の伏流水を使用したビールなどのお酒も特産品とされています。

「晴れの国」岡山県の「備前焼(びぜんやき)」

備前焼の写真

岡山県南東部に位置する備前市では「備前焼(びぜんやき)」が有名で、釉薬(ゆうやく)を使わず窯で焼かれた器は、茶褐色の落ち着いた色合いとなり、使うほどに味が出ると言われています。

また、窯の焼き方によって変化のある模様をつけられた器は、ひとつとして同じ模様がないというのも備前焼の特徴です。

「晴れの国」岡山県の「烏城彫り(うじょうぼり)」

「烏城彫り」は、国産の天然木を使用して作られた、木目が綺麗な艶やかな漆器です。

手彫りされた漆器には、野菜や果物、古瓦などの彫刻がされ、丁寧に色漆で着色されています。

艶やかな光沢は、何度も生漆(きうるし)を塗っては拭き取るという作業を行うことで生まれ、そうして作られた「烏城彫り」は、使用していくたびに艶が増すと言われています。

丸いお盆や小物入れ、手鏡など、様々な作品が作られているようですよ。

烏城彫協会の公式サイトでは、素敵な作品を購入することができますので興味のある方は下記のリンク先からアクセスしてみて下さいね。

烏城彫協会の公式ホームページはこちらへ

まとめ:岡山県は豊かな自然に恵まれた『晴れの国』

桃太郎イメージのイラスト
  • 過去30年間の平均値を使用して『年間降水量1㎜未満の日数』を計算すると、岡山県が第1位となる
  • 岡山県は、瀬戸内海気候の影響を受け、1年を通して温暖な気候となっている
  • 晴れの日が多いことで、農作物がよく育ち、美味しい物がたくさん収穫できる

いかがでしたでしょうか。
岡山県は気候が安定している上、晴れの日が多く、自然が豊かな『晴れの国』に相応しい県だということが分かりました。

また、平成26年から『もんげー岡山!』というキャッチフレーズも使用しており、『すごい岡山!』として、県一丸となってPR活動を行っています。

個人的には、「宮崎県」も『晴れの国』というイメージがありますが、宮崎県のキャッチコピーは『日本のひなた宮崎県』となっており、イメージ通り太陽のキャッチコピーとなっていました。

もし、自分の県のキャッチコピーが気になる方は、下記のリンクから自分の県を調べてみて下さいね。

47都道府県のキャッチコピーはこちらへ

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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のすけ

ご覧いただきありがとうございます! 少しばかり私の紹介ですが、息子を育てる父親であり、会社員をしています。 父親として恥ずかしくないよう、皆様と一緒に日本文化について知識を深めていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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