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ベルマークの意味とは?仕組みや送り方、交換できる商品について解説!

2020年7月25日

ベルマークのイラスト

皆さんは「ベルマーク」を学校で集めた経験はありますか?

ベルマーク自体を知らないという方はあまりいないとは思いますが、ベルマークは、食品や消耗品などのさまざまな商品にベルの形をしたマークが付けられており、それを学校で回収して集めることで、学校の備品などを購入することができる仕組みとなっています。

しかし、「ベルマーク」を集めると「なぜ商品が購入できるのか」や、「どのような役割があるのかは分からない」という方が多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、

  • ベルマークの意味と歴史
  • ベルマークの仕組み
  • ベルマークで交換できる商品
  • ベルマークを個人で送る方法

について、解説・紹介していきます。

ベルマークの意味と歴史

「ベルマーク」は、子供達が平等に勉強を学ぶことができるようにと教育環境を整える目的で始められた『ベルマーク運動』のシンボルマークで、この形には、国内外のお友達に”愛の鐘”を鳴り響かせようという助け合いの意味が込められています。

ベルマーク運動は、※僻地(へきち)にある学校の先生達の声によって始められた教育援助制度で、朝日新聞社が1960年(昭和35年)に「財団法人 教育設備助成会」を設立したことで行われるようになりました。
※僻地とは、山間部や、離島といった不便な場所のことを言います。

現在では、「公益財団法人 ベルマーク教育助成財団」となり、2020年の時点で約2万7000の団体が参加する財団となっています。

ベルマーク教育助成財団への参加資格

ベルマーク教育助成財団への参加資格は、小学校を初め、中学校・高校・大学・特別支援学校・公民館・保育園・幼稚園などの学校団体となっていて、申込書を提出することで参加することができます。

参加した学校などの団体は、ベルマークを集めることでさまざまな商品を購入することができ、教育環境の充実に役立てることができます。

また、僻地学校や特別支援学校、発展途上国の教育や災害で被災した学校への支援として、ベルマークを使って購入した商品金額の10%が、ベルマーク財団に寄付され、各学校団体へと当てられています。

では、ベルマークの仕組みについて詳しく解説していきます。

ベルマークの仕組み

ベルマーク運動は、ベルマーク財団以外に協賛会社協力会社、そして購入者がいることで成り立っています。

協賛会社とは

協賛会社とは、『お金を支援してくれる企業』のことで、協賛会社は自社製品にベルマークを付けて売り、購入者が集めたベルマークの点数に応じてお金を支援するという仕組みになっています。

協賛会社のメリットとしては、次のようなものがあります。

  • 企業としてのブランドのイメージアップにつながる
  • ベルマークを付けることで商品の販売促進効果につながる
  • 企業活動を行いながら社会貢献ができる
  • 市場調査として活用できる
  • 毎年開かれる「ベルマーク運動説明会」で自社製品をPRすることができる(全国1,000カ所約15,000人が参加するイベント)
  • PTAの間で商品のイメージが浸透する

ベルマークの協賛会社となるためには、年間固定費である分担金225万円を支払ったうえ、支援金とは別に寄付金として入会3年間は30万円、4年目からは10万円の費用が必要になります。
(※2020年時点調べ)

分担金とは、ベルマーク財団が運営するにあたり、広報活動や広告宣伝費として企業が負担するお金のことを言います。

また、ベルマークを取りまとめる際に使用する整理袋の制作・発送費として30万円と、ベルマークは1点につき1.275円(2020年現在)を、1円は学校団体の支援金として、0.275円(内消費税0.025)はベルマーク財団の運営費として支払うことになります。

そして、参加時保証金として350万円をベルマーク財団に預けることになりますが、脱退時には返却してもらえるお金となっています。

PTAなどの子育て世代を狙う企業としては、多くメリットが望めそうですが、資金に余裕がある企業でないと少し難しいかもしれませんね。

この協賛会社の他に、協力会社という形で参加している企業もあります。

協力会社とは

協力会社とは、ベルマークを集めると購入することが出来る商品を取り扱う「指定企業」のことを言います。

協力会社は、年2回春と秋に発行される『お買い物ガイド』に教育環境の充実を図れる商品を載せることができます。

「お買い物ガイド」で購入された商品金額のうち10%が国内外の子供達への資金援助として使用されることになります。

協力会社になると、年間固定費である協力金100万円と、売上金額の1.5%を比例割り協力金として支払う必要があります。

ちなみに、2019年度の売上金額は4億6027万円となっています。

では、ベルマーク運動の流れを見ていきましょう。

ベルマーク運動の流れ

  • ベルマークのついた商品を個人が購入します。
  • 個人が購入したベルマークを学校団体(PTA)が取りまとめ、企業ごとに集計を行います。
  • 学校団体(PTA)は、企業ごとに集計したものをベルマーク財団に送ります。
  • ベルマーク財団は、届いたベルマークの再確認を行い、協賛会社に点数分の金額の振込依頼を行います。
  • 協賛会社は振り込み依頼があると、学校団体のベルマーク預金(預金口座)に金額の振り込みを行います。
  • ベルマーク財団は振り込みの確認ができると、学校団体(PTA)に預金残高通知書を送ります。
  • 学校団体(PTA)は預金残高通知書が届いたのを確認して、「お買い物ガイド」から商品を選び、ベルマーク財団に注文を行います。
  • ベルマーク財団は注文書が届くと、協力会社へ商品の発注を行い、学校団体の口座から金額の支払いを行います。
    この時、支払った金額のうち10%が学校団体へ戻されることとなりますが、自動的にベルマーク財団に寄付され、それが子供達の支援へと繋がる仕組みとなっています。
  • 協力会社は発注された商品を学校団体(PTA)に納品します。
  • ベルマーク財団は寄付された金額を使用してさまざまな教育援助活動を行います。

以上が一連の流れとなっていますが、ベルマークを集めるだけでは学校団体は寄付することができない仕組みとなっていますね。

ベルマークを集めて協力会社から商品を購入するか、貯めた資金を直接「友愛援助」として戦争や貧困などで困っている子供達への寄付として使用することで、学校団体は寄付運動に貢献することができます。

それでは、具体的にベルマークで交換できる商品はどのようなもがあるのかご紹介します。

ベルマークで交換できる商品とは

会社員のイラスト

ベルマークで購入できる商品は、「おかいものガイド」に記載のある『協力会社の商品』となっています。

以前は、消耗品などは対象となっていませんでしたが、2010年3月からは消耗品も購入できるようになっています。

商品としては、授業で使用する楽器やプロジェクター・本・トロフィー・一輪車・ユニフォーム・文具用品など様々な商品があります。

他には、コピー機類であったり、冷蔵庫・デジタルカメラ・空気清浄機・テントなどの備品も購入することができます。

ちなみに、「おかいものガイド」に掲載していない商品でも、協力企業で取扱のある商品ならば購入することができるようです。

また、ベルマーク預金が足りない場合でも、商品金額のうち50%以上がベルマーク預金からの支払いであれば、残りの金額の現金をベルマーク財団へ振り込むことで商品を購入することも可能となっています。

ただし、ベルマーク預金を残した状態で現金を追加することはできないようなので注意して下さい。

もっと詳しく協力企業などを知りたい方は、ベルマーク財団のサイトに詳しく記載してありますので、そちらをご覧下さい。

ベルマーク財団 お買い物ガイドはこちらへ

それでは、ベルマークを集めるためにどのような企業が協賛会社として登録しているのかご紹介していきます。

2022年現在のベルマーク協賛会社紹介

町並みのイラスト

現在、2022年の時点で47の企業が協賛会社として登録をしています。

では、分かりやすく部類ごとに分けてご紹介します。

企業名をクリックすると、ベルマーク商品のページまたはホームページにアクセスします。
(※企業名の前につけてある番号はその企業のベルマーク番号です。)

食品類

04日本水産(株)(ニッスイ)/06三井製糖(株)/07キューピー(株)/08東京ワンタン本舗/09エスビー食品(株)/18日清オイリオグループ(株)/24日清フーズ(株)/25(株)明治/26森永製菓(株)/29 アサヒ飲料(株)/35日清食品ホールディングス(株)/36成田食品(株)/48(株)ブルボン/54キリンビバレッジ(株)/64マルトモ(株)/65フジッコ(株)/70(株)スミフルジャパン/77(株)湖池屋/83味の素(株)/88(株)ニチレイ/89白鶴酒造(株)/93石井食品(株)/95マルニ(株)

家庭用品

10(株)クレハ/17日本テトラパック(株)/21スリーエムジャパン(株)/37牛乳石鹸共進社(株)/43東芝ライフスタイル(株)

文具類

01イオントップバリュ(株)/05日本ノート(株)/19キャノンマーケティングジャパン(株)/28ブラザー販売(株)/31(株)新学社/52ナカバヤシ(株)/53ショウワノート(株)/55クツワ(株)/73エプソン販売(株)/84セメダイン(株)

服飾類

03ラッキーベル(株)/39(株)ファインプラス/78グンゼ(株)

楽器類

33(株)ヤマハミュージックジャパン/91トヤマ楽器製造(株)

保険会社

15ジブラルタ生命保険(株)/92あいおいニッセイ同和損害保険(株)

その他

56グリーンスタンプ(株)/76NGP日本自動車リサイクル事業協同組合

以上が協賛会社となっています。ついつい見落としてしまうベルマークですので、商品を購入している企業がありましたらチェックしてみて下さいね。

ベルマーク教育助成財団のホームページでは、『ベルマーク一覧表』をPDFで掲載してありますので、詳しくチェックしたい方は下記のリンクからアクセスしてご覧下さい。

『ベルマーク一覧表』の確認はこちらへ

ちなみに、ブラザーなどの使用済みインクカートリッジや、テトラパックのロゴマークが付いた紙容器などの商品には直接ベルマークが付いていない商品もあります。

この商品の場合は、企業に専用回収箱を請求し、いっぱいになったところで集荷の依頼を行い回収してもらうと、後日「ベルマーク点数証明書」が届くという仕組みです。
※箱代や集荷費用などは、企業が負担しています。

詳しく請求の方法などを知りたいという方は、上記の企業名からアクセスを行うと、ベルマークのページに飛ぶことができますので、そちらからご確認下さい。

また、学校とは関係のない個人でもベルマークを集めてベルマーク財団に送ることで、教育援助活動の支援ができますので、ぜひ支援の輪に参加してみてはいかがでしょうか。

では、個人でのベルマークの送り方について説明していきます。

個人で集めたベルマークの送り方

ベルマークのイラスト

まず初めに注意点として、ベルマークを送ることで支援することはできますが、個人ではベルマーク預金に変えて商品の購入はできませんのでご注意下さい。

では、個人で支援に参加する方法としては、次のような方法があります。

  • 集めたベルマークを参加している学校に送る
  • ファミリーマートや、スーパーなどに回収BOXが置いてある場合はそれを利用する
  • 直接「ベルマーク財団」に送る

近くの学校などに送る場合は、ベルマーク運動を行っている学校か確認して送って下さいね。
その際、仕分けができるようであれば、企業番号ごとに分けて送ることで作業軽減に繋がります。

また、学校に送るとその学校での備品購入の助けになり、財団に送ると支援が必要な学校の助けとなります。

ファミリーマートは協賛会社として運動に参加している企業となっていますので、回収BOXは設置してあると思いますが、スーパーなどはお願いされて置いてある場合が多いため、必ず設置しているわけではありません。

スーパーに買い物に行った際などに、置いてあるか確認をしてみて下さい。

では、直接財団に送る方法を説明していきます。

ベルマーク財団への送り方

まず、封筒を用意します。ベルマークは必ずしも点線通りに切る必要はなく、扱いやすい形に切り取ったものを用意します。

封筒に入れる際、企業番号ごとに仕分けをして、透明の小袋などに分けていると、財団の事務の軽減に繋がるようです。

封筒には、ベルマークだけを入れ、現金や小切手等、その他のものは入れないようにして下さいね。

宛先は、下記のとおりです。

〒104‐0045 
東京都中央区築地5­-4-18 汐留イーストサイドビル7階 
ベルマーク教育助成財団「〇〇寄贈マーク係」宛

〇〇」には、「一般」・「震災」のどちらかを記入します。

  • 「一般」は、僻地(へきち)の学校や特別支援学校への支援
  • 「震災」は震災被災校への支援

寄贈先の学校を指定したい場合は、財団に連絡を行って、財団の指示に従って下さい。
ベルマーク財団へのお問い合わせ先は、TEL(03)5148-7255となっています。

また、差出人として住所・名前を記入すると、『ベルマーク財団のホームページ』と『ベルマーク新聞』に「県名と名前」が掲載されるようです。

名前を掲載されたくないという方は、『匿名希望』と書いて送ると名前は掲載されないので安心して下さい。

ベルマークを送るというのは個人による支援活動となっていますので、切手は自己負担となっています。

ベルマーク教育助成財団の掲載ページはこちら

まとめ:個人でもベルマークを集めることで教育援助活動を行うことができる

ベルマークを集める人イラスト
  • ベルマーク運動は学校などの教育環境を整える目的で行われている
  • 学校団体はベルマーク預金で商品を購入したり、友愛援助として直接預金を寄付することで、困っている子供達への寄付運動となる
  • ベルマーク運動は、協賛会社・協力会社・購入者がいることで成り立っている

いかがでしたでしょうか。
学校関係者だけではなく、個人でも集めて送ることで、困っている子供達の支援になることが分かりました。

実際にお金を寄付するというのは、難しいと思われるかもしれませんが、普通に購入した商品にベルマークが付いていて、それを集めることで支援することができるのであれば、誰にでも簡単にできる支援だと思います。

ベルマークも早く電子化をされることを祈るばかりですが、少しの手間も子供達の支援になると思うと、頑張って集める原動力になるのではないでしょうか。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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のすけ

ご覧いただきありがとうございます! 少しばかり私の紹介ですが、息子を育てる父親であり、会社員をしています。 父親として恥ずかしくないよう、皆様と一緒に日本文化について知識を深めていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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