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初夏はいつから?初夏の花は?季語や使い方、英語表現についても紹介

2021年3月31日

紫陽花の写真

皆さんは、「初夏」と聞くと何月を思い浮かべますか?

5月や6月を思い浮かべる方が多い一方、梅雨が終わりを迎える7月を初夏と考える方もいらっしゃるようです。

また、初夏の他にも、夏の中旬を表す言葉や終わりを表す言葉もあるのでしょうか。

そこで、この記事では、

  • 初夏はいつからいつまで?
  • 初夏の次は?
  • 初夏の季語
  • 初夏の使い方【例文】
  • 初夏の花は?
  • 初夏に旬を迎える食べ物
  • 初夏の英語表現

について紹介・解説していきます。

初夏はいつからいつまで?

光に照らされる木々の写真

「初夏(しょか)」は、『夏の初め』という意味があり、「孟夏(もうか)」・「首夏(しゅか)」とも言います。

「初夏」は、二十四節気では立夏(5月5日頃)~芒種(6月6日頃)の前日までのことを表しますので、
5月上旬~6月初旬が「初夏」となります。

二十四節気とは、1年を24の季節で分けたもので、「夏」は、「立夏(りっか)」から始まり、「小満(しょうまん)」→「芒種(ぼうしゅ)」→「夏至(げし)」→「小暑(しょうしょ)」→「大暑(たいしょ)」と続き、「立秋(りっしゅう)の前日」までのことです。

二十四節気については、下記の「二十四節気とは?」の記事で詳しく紹介していますので、よろしければご覧ください。

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初夏の次は?

入道雲の写真

夏は大きく3つの時期に分けることができ、「初夏」の次は、「盛夏(せいか)」、その次が「晩夏(ばんか)」となります。

そして、「初夏」・「盛夏」・「晩夏」を二十四節気に当てはめると、次のようになります。

  • 【初夏】(5月上旬~6月初旬まで)
      「立夏(5月5日頃)」~「小満(5月21日頃)」~「芒種(6月6日頃)」の前日まで
  • 【盛夏】(6月上旬~7月初旬まで)
      「芒種(6月6日頃)」~「夏至(6月21日頃)」~「小暑(7月7日頃)」の前日まで
  • 【晩夏】(7月上旬~8月初旬まで)
      「小暑(7月7日頃)」~「大暑(7月23日頃)」~「立秋(8月7日頃)」の前日まで

初夏の使い方【例文】

では、「初夏」の使い方を、例文で紹介します。

【例文1】
爽やかな初夏の日差しは暖かく、とても輝いて見えた。

【例文2】
新緑の美しい木々たちが初夏の訪れを感じさせる。

【例文3】
旬のグリーンピースを使った豆ごはんは、初夏の味と言っていいだろう。

【例文4】
春から初夏にかけて訪れるGW期間中には、旅行客でいっぱいになる。

【例文5】
初夏にもかかわらず、真夏日となるところも出てくるそうだ。

初夏の季語とは?

柏餅と鯉のぼりと菖蒲の写真

手紙や俳句の世界では、季節を表す言葉を「季語(きご)」と言います。

「初夏」という言葉自体も、初夏の季節を表す季語となっていますが、その他にも初夏を表す季語がたくさんありますので、ご紹介します。

初夏の季語(立夏~芒種前日まで)

時候
立夏・小満・薄暑(はくしょ)・清和(せいわ)・夏浅し・夏めく・卯月・五月・麦の秋

天文
筍流し(たけのこながし)・卯の花腐し(うのはなくたし)・迎へ梅雨(むかえづゆ)・麦の秋風

地理
卯波(うなみ)・代田(しろた)

生活・行事
更衣(ころもがえ)・新茶・豆飯・筍飯・柏餅・端午・鯉幟(こいのぼり)・吹流(ふきながし)・矢車(やぐるま)・ダービー・こどもの日・母の日

動物
初鰹(はつがつお)・松蝉(まつぜみ)・巣立鳥(すだちどり)

植物
新緑・新樹・卯の花・アカシアの花・すずらん・ルピナス・カーネーション・竹落葉(たけおちば)・若楓(わかかえで)・金雀枝(えにしだ)・木苺(きいちご)・芍薬(しゃくやく)・石楠花(しゃくなげ)・白丁花(はくちょうげ)・薔薇(ばら)・浜昼顔(はまひるがお)・マーガレット・葉桜・牡丹(ぼたん)・柚の花(ゆのはな)・紫蘭(しらん)・高菜(たかな)・夏茱萸(なつぐみ)・夏蜜柑(なつみかん)・新じゃが・新玉葱(しんたまねぎ)・豌豆(えんどう)・蚕豆(そらまめ)・苺・甘藍(かんらん)・麦・粽(ちまき)・蕗(ふき)・筍(たけのこ)

初夏の花は?

初夏は、5月上旬~6月初旬のことを言いますが、ここでは5月・6月頃に開花を迎える花を紹介します。

すずらん

すずらんの写真

すずらんは、スズラン亜科スズラン属の多年草で、春から初夏にかけて可憐で小さなベル状の白い花を咲かせるのが特徴の花です。

暑さに弱いため、初夏がちょうど見頃の時期となり、香水の原料とされるほどの強い香りがあります。

日本では、「君影草(きみかげそう)」や「谷間の姫百合(たにまのひめゆり)」という別名もあり、昔から親しまれています。

しかし、見た目の可愛らしさとは裏腹に、花から根まで全草に有毒な毒素を持っているため、注意が必要です。

葉が、山菜のギョウジャニンニクと似ていることから、誤って摂取されて中毒症状に至るケースもあり、嘔吐・頭痛・めまい・心不全・心臓麻痺の他、重篤の場合は死に至ることもあるとされています。

すずらんを活けた水にも毒素が移る恐れがあるため、すずらんやすずらんを活けた水に触れた後は、しっかりと手洗いをするようにして下さい。

紫蘭(しらん)

紫蘭の写真

紫蘭は、関東地方~九州地方に多く自生しているラン科の多年草です。

5月~6月に開花し、淡い紫色の星型の花を咲かせる姿を園芸などでは見ることができますが、野生種のものは準絶滅危惧種に指定されているそうです。

紫蘭は、白色の花を咲かせる「白花紫蘭(しろばなしらん)」や、花の中心が薄いピンク色をしている「口紅紫蘭(くちべにしらん)」と呼ばれる品種もあります。

ハナミズキ

ハナミズキは、ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木で、1912年(大正元年)に当時の東京市長であった尾崎行雄氏が、アメリカ合衆国ワシントンDCの親日家に桜の木を贈ったお礼として、1915年(大正4年)にアメリカから日本に贈られた花木になります。

4月下旬~5月上旬の初夏に、白や淡いピンク色の花を咲かせますが、実は花びらに見える部分は「苞(ほう)」と呼ばれる葉の一種で、その中心に花序(かじょ)と呼ばれる花の集合体があります。

秋には艷やかな赤い実をたくさんつけるため、とても美味しそうに見えますが、毒性がありますので、鳥が食べていたとしても食べないようにして下さい。

金雀枝(えにしだ)

エニシダの写真

金雀枝は、マメ科エニシダ属の落葉低木で、ヨーロッパの地中海沿岸が原産と言われています。

魔女の魔法のほうきは、この金雀枝の枝を束ねて作ったものとされていますが、枝や葉にはアルカロイドと呼ばれる成分が含まれているため、誤って口にしてしまうと中毒を起こす恐れがあるので注意が必要です。

金雀枝の花は、4月下旬~5月中旬に開花し、黄色の蝶形の花をたくさん咲かせます。

日本には、江戸時代にオランダから渡来したとされており、現在では品種改良されて白やピンクといった品種も登場しています。

浜昼顔(はまひるがお)

ハマヒルガオの群生の写真

浜昼顔は、ヒルガオ科ヒルガオ属の多年草で、海岸の砂浜に生育する海浜植物(かいひんしょくぶつ)です。

葉は、ハート型で厚みがあり、光沢のある深い緑色をしており、ツルが地面を這うように広がって成長します。

浜昼顔は、5月~6月の午前中に漏斗型(じょうごがた)の淡い薄紫色の花を次々に咲かせますが、一日花のため、午後には花はしぼんでしまいます。

その他の初夏の花(5月~6月)

芝桜・藤・君子蘭(くんしらん)・牡丹(ぼたん)・薔薇(ばら)・アヤメ・花菖蒲(はなしょうぶ)・カキツバタ・芍薬(しゃくやく)・シャクナゲ・ユリ・ツツジ・サツキ・ラベンダー・カーネーション・ライラック・ルピナス・マーガレット・ハゴロモジャスミン・バイカウツギ・エゴノキ・白雲木(はくうんぼく)・シナワスレナグサ・丁字草(ちょうじそう)・ゲラニウム・アリウム・あじさい・ヤマボウシ・エルダーフラワー・デルフィニウム・ヒナゲシ・クチナシ・柚子の花・アナベル・ヒメシャラ・オオデマリ・ネモフィラ

初夏が旬の食べ物(野菜・果物・魚)

枇杷の写真

初夏には、花以外にも旬を迎える食材がたくさんありますので、5月・6月に旬を迎える食材を紹介していきます。

初夏に旬を迎える野菜(5月・6月)

アスパラガス・ニラ・サヤエンドウ・グリーンピース(えんどう豆)・そら豆・スナップエンドウ・蕗(ふき)・クレソン・三つ葉・じゅんさい・わらび・トマト・新じゃが・新たまねぎ・春キャベツ・グリーンボール・よもぎ・筍(たけのこ)・らっきょう・新ごぼう・ヤングコーン・サラダ菜・新ニンニク・ズッキーニ・長なす

初夏に旬を迎える果物(5月・6月)

メロン・さくらんぼ・びわ・夏みかん・日向夏・ライチ・マンゴスチン・パパイヤ・グミの実・うめ

初夏に旬を迎える魚介類(5月・6月)

サザエ・ホタテ・ホヤ・シャコ・初鰹・アジ・キビナゴ・キス・ハナダイ・鮎(あゆ)・ヒラマサ・トビウオ・アオリイカ・ハモ・エ・ホタテ・ホヤ・シャコ・初鰹・アジ・キビナゴ・キス・ハナダイ・鮎(あゆ)・ヒラマサ・トビウオ・ハモ・時鮭(ときしらず)

初夏を英語で表現すると

「初夏」は、英語で次のように表現されています。

early summer(初夏に)
※ early=早期・初期

the begging of summer(夏の初め)
※ begging =初め頃・初頭

ちなみに、「first summer」は「初めての夏(1回目の夏)」という意味になってしまいますので、間違えないように注意して下さいね。

まとめ:初夏は、5月上旬から6月初旬までのこと

豆ごはんを食べようとしている人のイラスト
  • 初夏は、孟夏・首夏とも言う
  • 二十四節気では「立夏(5月5日頃)~芒種(6月6日頃)の前日まで」が「初夏」となる
  • 夏は、初夏・盛夏・晩夏の3つの時期に分けることができる
  • 「初夏」を表す季語は、立夏・新緑・豆飯などがある
  • 初夏の花は、すずらん・紫蘭・ハナミズキなどがある

いかがでしたでしょうか。初夏は、6月や7月のことではなく、「5月上旬~6月初旬」を表す言葉ということが分かりました。

日本の気象庁では、春は(3月・4月・5月)、夏は(6月・7月・8月)、秋は(9月・10月・11月)、冬は(12月・1月・2月)のことを表すと正式に定めているそうです。

そのため、二十四節気などの暦の上では、立夏(5月5日頃)から夏となりますが、一般的な四季区分での夏は6月から始まるため、6月が初夏と考える人がいてもおかしくありませんね。

体感的にも、5月初旬はまだ初夏には早い印象がありますので、初夏という言葉を用いる場合には、5月下旬~6月上旬に用いると違和感なく使用できるのではないでしょうか。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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のすけ

ご覧いただきありがとうございます! 少しばかり私の紹介ですが、息子を育てる父親であり、会社員をしています。 父親として恥ずかしくないよう、皆様と一緒に日本文化について知識を深めていけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

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