「先見の明」と「先見の目」の意味とは?使い方や英語表現について解説

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「先見の明」ということわざをご存じでしょうか。

この言葉は、歴史的な偉人や、ヒット商品を生み出す企業などによく用いられる言葉ですが、誤って用いられやすい言葉となっているようです。

そこで、この記事では

・「先見の明」の意味やことわざの由来
・「先見の明」の類語・対義語
・「先見の明」の使い方【例文】
・「先見の明」の英語表現
・「先見の明」がある才能ある人を目指すには

について解説・紹介していきます。

「先見の明」の意味とは

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「先見の明」はせんけんのめいと読みます。

「先見」という言葉には、「先を見通す」という意味があり、「明」という言葉には、「物事の正しい筋道を見通す力」という意味があります。

このことから「先見の明」は、将来の事柄を見抜く見識(けんしき)という意味を持つ言葉になります。

※見識とは、物事を深く見通し、本質をとらえる優れた判断力や考えのことを言います。

「先見の目」とは

手でばってんを作った人の写真

「先見の」という言葉は、「先見の明」の誤った使い方となっています。

「明(めい)」が「め」と聞き間違いしやすいことや、「見る目がある」と同様に「先見の目がある」という意味の言葉だと勘違いしてしまいやすいことが誤りの原因と言われています。

また、「明」を「みょう」と読むことができることから、「先見の」と誤って変換してしまうということもあるようです。

「先見の目」や「先見の妙」と誤って用いることがないよう、注意が必要です。

先見の明の語源・ことわざの由来とは

雨に濡れたお花の写真

「先見の明」という言葉が用いられるようになったのは、中国の歴史書である「後漢書(ごかんじょ)」の中の『楊彪伝(ようひょうでん)』というお話が由来とされています。

楊彪伝(ようひょうでん)とは

~省略~
楊彪(ようひょう)は宮中に勤めていましたが、後漢の命運がないことを悟ると、足が悪いことを理由に宮中へは行かなくなりました。
楊彪の息子は、武将の曹操(そうそう)の元に仕えていましたが、曹操の機嫌を損ねてしまい殺されてしまいました。
その後、曹操が楊彪の元を訪れると、楊彪がたいそう痩せていたので、「なぜ貴方はそのように痩せてしまったのか」と尋ねました。
すると楊彪は、「私には金日磾(きんじつてい)のような先見の明が無く、老牛が子牛を舐めて可愛がるような情しか無かった自分を恥じたからです」と答えました。
曹操はこの言葉を聞くと、姿勢を正しました・・・

という話になります。

この話に登場する「金日磾のような先見の明」とは、前漢の政治家であった金日磾が息子に行ったある行動のことを言っています。

金日磾の2人の息子は、武帝に仕えることになりましたが、次第に武帝の側に置いておけないような乱暴な振る舞いを行うようになり、女遊びも行うようになっていました。

そのため金日磾は、このままではいつか大変な迷惑を武帝にかけることになると、自分の手で息子を殺したとされています。

このことから楊彪は、「自分には金日磾のように、子供が過ちを犯すことを予期できなかった。子供をただ愛おしい存在でしか見ていなかった自分を恥じてのことです」と曹操に答えたということになります。

楊彪が、金日磾が将来を見越して行った行動を「先見の明」と喩えたことが、「先見の明」のことわざの由来とされています。

先見の明の使い方【例文】

虫眼鏡の写真

「先見の明」という言葉は、革新的な人物や企業に対して用いたり、自分の将来の目標や失敗などに対して用いたりすることが一般的です。

では、いくつか「先見の明」を使った例文を紹介します。

  • 彼女は先見の明に長けている人だからこそ臨機応変に対応できるに違いない
  • あの企業が常に時代の最先端を切り開いているのは、先見の明があるからだ
  • 私には先見の明が無かったために、投資で幾度も失敗をした
  • 先見の明を養うには、様々な経験を積まなければならないだろう
  • 先見の明を持つためには、何事も計画的に行わなければならない

先見の明の類語とは

「先見の明」と同じような意味のある類語は次のようなものがあります。

  • 先見性…先を見越していること
  • 洞察力…物事の背景を推測する力
  • 予見(よけん)…物事が起こる前にその事を見通すこと
  • 見識(けんしき)…物事を深く見通し、本質をとらえるすぐれた判断力
  • 卓見(たっけん)・卓識(たくしき)…物事を正しく見通す、優れた意見・見識

先見の明の対義語とは

「先見の明」の反対と考えると、「事が起こるまで気が付かない」や「正しく本質をとらえられない」といった意味の言葉が対義語となります。

  • 察しが悪い…物事を察知する能力に劣っているさま
  • 浅慮(せんりょ)…考えが浅いこと
  • 見る目がない…正しく物事を評価するための洞察力や観察力がないこと
  • 後知恵(あとぢえ)…物事が起こったあとから出てくる知恵のこと
  • 節穴(ふしあな)…物事の意味を見抜く力のないこと

先見の明を英語で表現すると

「先見の明」を英語で表現すると、「先見性」という意味のある『foresight(フォーサイト)』という言葉があてはまります。

また、人や企業などに「先見性がある」という場合には、『have the foresight』や『visionary(ビジョナリー)』といった言葉を使うと良いでしょう。

先見の明がある、才能ある人を目指すには

握手する人の写真

「先見の明」がある人というのは、物事や人の本質を見通す力である洞察力に優れ、非常に高い観察力がある人が多いようです。

洞察力

洞察力に優れている人というのは、客観的に物事を捉えることができるため、的確に相手の意図を読み取ることができ、先を見通した行動ができると言われています。

また、物事を瞬時に見極める能力である直感力に優れているという点も挙げられます。

直感力

直感力というのは、様々な知識や経験を積むことで養うことができると言われています。

高い経験値があるからこそ、正しい判断が瞬時にできるわけですね。

直感力を養うには、新しいことに積極的に挑戦することや、相手の意見に流されず自分の直感を信じ行動するということが大切になります。

もし、自分の直観を信じ行動して失敗をしてしまったとしても、そのことが新たな経験値となり、自分の直感力を鍛えることに繋がるからです。

ビジネスなどで成功した「先見の明」がある人は、一種の才能のように感じますが、常にあらゆる情報を取り入れることで、様々な発想や、やるべき目標が見えてくると言われています。

「先見の明」を養うために行うこと

「先見の明」を持つ才能のある人を目指すためには、次のことを意識して行うと先見性を養うことができ、先を見通した行動を行う習慣が身に付くとされています。

  • 過去から現在に至るまで、様々な情報を学ぶ
  • 未来を想像し、目標を設定する
  • 目標までのプロセスを考え、実際に行動する

また、何事においても、先を見据えた考えをするように心掛けておくと、思わぬトラブルが起きた時でも瞬時に行動することができます。

継続して予測・対策・行動を繰り返すことで、「先見の明」がある人へと変わっていくことができるということです。

まとめ:「先見の明」とは、先に起こる事柄を見抜く力のこと

子供の手を引く人のイラスト
  • 「先見の明(せんけんのめい)」は、「後漢書」の中の『楊彪伝(ようひょうでん)』の話が由来となっている
  • 「先見の目」や「先見の妙」という言葉は存在せず、これらは誤った「先見の明」の使い方
  • 「先見の明」の類語は「先見性」や「見識」などがある
  • 「先見の明」の対義語は「察しが悪い」や「後知恵」などがある
  • 「先見の明」は、継続して予測・対策・行動を繰り返すことで養うことができる

いかがでしたでしょうか。「先見の明」は、特別な能力のようですが、努力することで先見力を養うことができるということが分かりました。

革新的なアイディアを考えるのは難しいことのように感じますが、日頃感じている不満であったり、もっとこうなったら良いのになぁと思う心から素晴らしいアイディアが生まれることがあります。

また、先見の明を持つ成功者の本などからも多くのことを学ぶことができます。

アメリカの天才的投資家と言われるピーターティールという人物をご存じでしょうか。

世界最大規模のオンライン決済サービス「PayPal」の共同創業者であり、「Facebook」への投資を創業から行い大成功を収めた人物でもあります。

現在は企業価値2兆円と言われる「パランティア・テクノロジーズ」の会長である彼が書いた著書『ZERO to ONE』には、0から新しいことを創り出すヒントが書かれてあります。

ぜひ、「先見の明」を養うことの一つとして参考にしてみてはいかがでしょうか。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。