左馬(ひだりうま)の意味とは?将棋の駒に記される由来についても解説!

左馬の飾り駒の写真

皆さんは、左馬(ひだりうま)と呼ばれる左右が反転した『馬』の字が書かれてある将棋の駒をご存じでしょうか。

将棋のことを詳しく知らないという人は、実際に将棋で使われる駒だと思われるかもしれませんが、左馬は”縁起の良い飾り物”として作られた駒となっているので、実際の将棋には左馬の駒は登場しません。

このようにお店や一般の家で飾られるようになった「左馬」ですが、なぜ縁起の良い飾り物として置かれるようになったのでしょうか。

そこで今回は、「左馬」の意味や縁起物の理由、そして、なぜ将棋の駒に記されるようになったのかについても詳しく解説していきます。

また、「左馬茶碗」と言われるものについてや、「王将」、「夫婦駒」といった飾り駒もあるようなのでそちらも解説していきたいと思います。

左馬(ひだりうま)の意味とは

白馬の写真

まず「左馬」と聞いて、なぜ「」という言葉がついているのか疑問に思いますよね。左馬なので、左を向いている馬を思われる方も多いと思いますが、「左」という言葉には「裏返し」という意味があるとされています。

「左文字(ひだりもじ)」という言葉もあり、主に印章などに彫られる裏返しの文字などに使われていたようです。

そして、この「左馬」には「幸福を招く」という意味があります。

「馬」は古代より神聖な動物とされ、「神様の乗り物」と考えられていました。そのため、神様への奉献(ほうけん)として馬が捧げられてきたようです。

そして、その多くが「白馬」とされていました。しかし、次第に土で作った人形などが奉納されるようになり、現在では馬が描かれた絵馬にお願い事を書いて奉納する形になったと言われています。

このことから「馬」自体も縁起が良いとされているのですが、その裏返しとされる「左馬」は、「うま」を逆さから読むと「まう」となり、「舞う」と表されることから、おめでたい席で踊られる「舞」を連想させ、より縁起が良いと言われるようになりました。

また他にも、「左馬」が縁起が良いと言われる理由がありますので解説していきます。

左馬が縁起物とされる理由とは

左馬の字の写真

「左馬」が縁起が良いと言われる理由は下記のようなものがあります。

  • 「馬」の字の下の部分がお財布の「巾着袋」に似ているとされ、巾着袋は口がよく絞まり、お金が出ていかないことから「富の象徴」と言われています
  • 通常は人が馬を引いて歩くものですが、左馬は逆となっていますので、馬が人を引いて歩いてくる、つまり、人を招いてくるとされ、「商売繁盛」に御利益があると言われています。
  • 通常、馬に乗る時は左側からとされていて、右側から乗ろうとすると落ちてしまったり、馬が転んでしまうと言われています。これは馬など、生き物は左向きに動こうとする習性があるからだそうです。そのため、左側から乗ると倒れないとされることから「人生を大過なく(失敗することがなく)過ごすことが出来る」と言われています。

このように「左馬」にはたくさんの御利益があると言われることから、万(よろず)の福を引き連れてやってくる「百福万来の神馬」とも言われています。

左馬が将棋の駒に記される由来とは

将棋の駒の写真

「左馬の駒」は、山形県天童市(てんどうし)で唯一作られている特産品となっています。

天道市は「将棋の駒」で有名な場所で、その生産量は9割を超えており、日本一の将棋の町と言われています。

天道市で将棋の駒が作られるようになったのは、江戸時代後期からと言われており、その当時の天童織田藩(てんどうおだはん)は財政難に苦しんでいたとされています。

特に藩に仕える下級藩士(武士)の生活は苦しかったようです。

そのため、天童藩家老であった吉田大八(吉田守隆)が、窮乏(きゅうぼう)対策として将棋の駒の指導者を米沢藩から招き入れ、武士たちに内職として勧めたのが駒作りの始まりと言われています。

当初は、武士が内職を行うことに批判的な人もいたようですが、将棋は戦法を必要とする競技になるので、吉田大八は、それを学ぶことは兵法戦術にも通じることとし、その駒を作ることは武士の面目を傷つけるようなことではないと擁護したと言われています。

その後、幕末には、天童市伝統の草書体による書き駒の基礎が築かれ、明治に入ると駒作りは産業化することとなりました。

このように発展していく中で、将棋を指す駒ではなく、飾る駒として左馬が登場したと考えられています。

また、第二次世界大戦時には、戦場の兵士へ送られる慰問袋(いもんぶくろ)の中に慰問品として将棋の駒が入れられ、兵士の心を支えていたようです。

このように「左馬」は、将棋の駒のイメージがありますが、他にも「左馬の茶碗」というものが存在しているようです。

左馬茶碗とは?

左馬茶碗のイラスト

「左馬茶碗」とは、馬の絵(頭が右を向いてお尻が左を向いている馬)が描かれていたり、左馬の字が書かれているご飯茶碗のことを言います。

このお茶碗は、新しい窯に初めて火を入れた”初窯”で作られる数少ないものとなっていて、このお茶碗を使うと中風(ちゅうぶう)にならないと言われているとても御利益のある縁起物とされています。

中風とは、脳卒中の後遺症である「半身不随」や「片麻痺」・「言語障害」・「手足などの麻痺や痺れ」のことを言います。

焼き物の世界では、新しい窯で焼く際には「うまく焼けますように」という願いを込めて「左馬茶碗」が焼かれているのだそうです。

しかし、左馬自体が縁起が良いとされていますので、初窯とは関係なく縁起物として焼かれることもあるようです。

ちなみに、左馬ではなく「王将」や「夫婦駒」といった将棋の駒の置物も縁起が良いと言われているようなのでご紹介します。

「王将」や「夫婦駒」の飾り駒とは?

王将駒の意味とは

王将の飾り駒の写真

将棋の駒と言えばやはり「王将」ですよね!この「王将」の字が書かれた飾り駒も福を呼ぶ縁起物として飾られています。

「王将」は、将棋の中では最上位とされる駒であることから、その威厳や風格にあやかり、「出世」や「成功」といった意味があると言われています。

夫婦駒の意味とは

夫婦駒の写真

夫婦駒」と呼ばれる飾り駒は、縦長い将棋の駒に黒い字で「左馬」が書かれたものと、赤い字で「馬」の字が書かれたものがセットになっている飾り駒のことを言います。

この駒は黒い字で書かれた「左馬」の駒を男性に見立てて左側に置き、赤い字で書かれた「馬」の駒を女性に見立てて右側に置くものとなっています。

通常「馬」の字は、左を向いた馬からできた漢字となっているので、向かい合う馬を表すために、右側に置く駒は通常の「馬」の字となっていると言われています。

この「夫婦駒」の意味としては、「夫婦円満」や、「子孫繁栄」といった意味があると言われています。

では最後に、現在では様々な左馬の商品もあるようなので、少し紹介させていただきます。

左馬の商品をご紹介

左馬のストラップ

左馬のストラップの写真
出典:金沢・クラフト広坂 詳しい内容はこちらへ

こちらは、『金沢・クラフト広坂』の「左馬」のストラップとなっています。左馬のストラップは気軽にどこにでも付けられるので人気の商品となっています。

こちらのものは、色もたくさんあるのでどれを選ぶか迷ってしまいますね。

ちなみに、山形県天童市の『ふるさと納税』でも左馬のストラップや、飾り駒などの商品が選べるようなので、購入しようと思われている方は一度検討してみて下さい。

山形県天童市ふるさと納税サイトはこちらへ

左馬のお守り

こちらは、全国随一の「競馬の神様」と言われる京都市伏見区にある『藤森神社』のお守りになります。

競馬関係者や、競馬ファンなども参拝に訪れると言われ、『勝負事』や『学問』に御利益があるとされています。

左馬のお酒

こちらは福島県にある『有賀醸造合資会社』の純米吟醸の「生粋左馬」となります。

ふくよかな甘みと後味の余韻のバランスを目指しており、麹が生み出すきれいな甘みの中に、艶やかさとセクシーさを感じさせるお酒となっているようです。

「生粋左馬」は純米酒や純米大吟醸のお酒もあり、シリーズ展開している商品となっています。

まとめ:左馬には「百福万来の幸福を招く」という意味がある

左馬を描く人イラスト
  • 左には「裏返し」という意味があり、左馬は裏返しの馬となっている
  • 左馬には「幸福を招く」・「富の象徴」・「商売繁盛」・「人生を大過なく過ごせる」など様々な御利益があるとされている
  • 左馬は山形県天童市が発祥で、江戸時代後期に将棋の駒が作られるようになり、その中で左馬の飾り駒も作られるようになった。
  • 左馬は駒だけではなく、「左馬茶碗」・「夫婦駒」といったものも存在する

いかがでしたでしょうか。左馬はこんなにも御利益があるものだったのですね。

左馬は飾り駒だけではなく、最後に紹介したようなストラップなどの小さく持ち運べるものもありますので、ぜひ気に入る一品を見つけてみて下さい。

ちなみに、神奈川県大和市に「左馬神社」という神社があるのですが、読みは「サバ」となるようです。この地域に流れる境川流域には「サバ」と読む名前の神社が12社もあり、古くからこの7つのサバ神社に参拝する「七サバ巡り」という風習が行われていたようです。

12の神社のうち、どの神社が7つのサバ神社に当るのかは諸説あるようですが、1日で7つの「サバ神社」を巡ると悪病除けになると言われていますので、旅行で近くを訪れる際はぜひ、巡ってみて下さいね。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。