皆さんは、「襟足」とはどこの部分かはっきりと答えることができますか?
何となく理解はしていても、正確な答えとなると意外と難しいのではないでしょうか。
また、「襟足」と「うなじ」の違いがよく分からないという方も多くいらっしゃるようです。
そこで、この記事では、
- 襟足とはどこの部分?
- 襟足の語源と由来
- 襟足の種類
- 「襟足」と「うなじ」の違い
- 襟足の英語表現
について解説・紹介していきます。
襟足とはどこの部分のこと?
まず、襟足の読み方は『えりあし』です。
えりあしは、「衿足」や「領脚」と書くこともあります。
そして襟足とは、『後ろ頭と首の境目に生える髪の毛』のことを言います。
ちなみに、美容院や理容室などで「襟足はどうされますか?」と聞かれることがあるけど、なんて答えたらいいのかな?
その場合は、「後ろの髪の耳より下の部分をどうしたいですか?」という意味だから、どのくらいの長さにしたいのかや、形を答えるといいよ。
襟足の語源・由来
ところで、なんで後ろの髪の生え際を『襟足(えりあし)』って言うんだろう?
それはね、襟足の生え際の形に由来しているようだよ。
なぜ、後ろ髪の生え際のことを「襟足」と言うのかというと、髪の毛を結い上げた際に「生え際に残る左右の髪が足のように見える」として、「襟足」と呼ぶようになったからだと言われています。
『足』と言われてもピンとこないという方は、下記のように想像してみるのも良いかもしれません・・・。
「襟(えり)」というのは、衣服の首回りのことを言いますので、「襟足」は「首回りにある足」という意味になりますね。
しかし「襟足」と言っても、「左右に残る2本線」という意味ではなく、「後ろ髪の生え際全体」を表す言葉ですので意味を間違えないように注意しましょう。
襟足の種類
ん~・・・襟足の生え際ってみんな2つに分かれているの?
もちろん分かれていない人もいるよ。
人によって様々だけど、大きく分けると4種類の形があるよ。
襟足の生え際の形には、大きく分けて次の4種類の形があると言われています。
- W型
- WM型
- U型
- 直線型(ぱっつん型)
①W型
W型は、襟足が『Wの形』になっているのが特徴です。
最も日本人に多いと言われている形で、脱毛やシェービングなどでW型にすると自然な見た目になると言われています。
②WM型
WM型は、WとMを組み合わせたような形のことで、『左右と中央の3箇所にVの形』があるのが特徴です。
首を最も細長く見せる効果があり、舞妓さん達にも人気の形と言われています。
③U型
U型は、Uの字のように『襟足に二本の線がなく、丸い形』になっているのが特徴です。
男性に人気の形で、柔らかい印象を与え、ツーブロックやネープレスといった髪型と相性が良い形と言われています。
④直線型(ぱっつん型)
直線型は、襟足が『一直線』になっているのが特徴です。
直線的な襟足にすると男性的な印象を与えると言われていますが、きっちりしすぎると不自然に見えることもあるようです。
「襟足」と「うなじ」の違い
襟足と似た言葉に「うなじ」という言葉があるけど、2つの言葉に違いはあるの?
うん!紛らわしい言葉だから、違いをよく理解しておこう。
うなじの意味
「うなじ」とは、『首の後ろの部分のこと』を言います。
「うなじ」を表す別の言い方としては、
・首筋(くびすじ)
・襟首(えりくび)
・後頸部(こうけいぶ)
・首根っこ(くびねっこ)
など、様々な呼び方があります。
「うなじ」を漢字で表すと、「項」または「脰」と書きますが、ひらがなで書くのが一般的です。
うなじの語源
「うなじ」という言葉は、下記の2つの言葉が合わさった言葉と考えられています。
- 『うな』・・・「首」や「首の後ろ」を表す
- 『じ』・・・「尻(しり)」=「後ろ」を表す
元々は、「うなしり」と呼ばれていたのが、「うなじ」へと変化していったのではないかということです。
また、「うなぜ」と呼ばれることもあるようで、こちらは、下記の2つの言葉が合わさった言葉と考えられています。
- 『うな』・・・「首」や「首の後ろ」を表す
- 『ぜ』・・・「背(せ)」=「後ろ」を表す
「うなじ(うなしり)」も「うなぜ」も、首を表す『うな』という言葉に、『後ろ』を意味する言葉が合わさった言葉となっています。
「襟足」と「うなじ」の違いは「髪の毛」か「首」か
「うなじ」と「襟足」は、場所が似ているため混同されやすい言葉になりますが、うなじには「髪の毛」や「産毛(うぶげ)」といった意味は含まれていません。
したがって、「うなじ」と「襟足」の違いは下記のとおりです。
- 襟足・・・『後ろの髪の生え際の部分』(髪の毛)
- うなじ・・・『首の後ろ側の部分』(首)
襟足の英語表現
襟足を英語にすると、次のように表現できます。
『nape of neck』
(襟足)
『back hairline』
(後ろ髪の生え際)
『border of hair at back of neck』
(首の後ろの髪の境目)
まとめ:襟足とは、後ろ頭と首の境目に生える髪の毛の部分のこと
- 襟足の語源の由来は、後ろの髪の生え際に残る2本の線が足のように見えることから
- 襟足の生え際の形は大きく分けると4種類
- うなじとは、首の後ろ側のことで、髪の毛や産毛などの意味はない
いかがでしたでしょうか。
襟足は、後ろ髪の生え際のことであり、うなじとは全く意味の異なる言葉ということが分かりました。
ちなみに、現在ではあまり意識されていないかもしれませんが、江戸時代には左右に二本の線が伸びる襟足が美しいとされ、「坊主襟(ぼうずえり)」の場合は、美観を損なうとされていたそうです。
坊主襟と呼ばれるのは、襟足の二本の線が短かったり、無かったりする襟足になります。
そのため、坊主襟の場合は中央部の余分な髪の毛を剃り、首元に「襟白粉(えりおしろい)」を塗って二本の線をつくることが多かったと言われています。
現在でも、襟足のムダ毛処理を行う場合には、二本線を残したほうが首が細く・長く見える効果があるため、女性はとくに全て剃り上げてしまわないほうが良いそうです。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。