皆さんは何か役割を決める時など、「あみだくじ」を書いて決めたことはありますか?
「あみだくじ」は簡単に書けて、すぐに結果が分かる上に、不平不満が出にくいというメリットがあるため、学校のPTAの役員を決める際にも「あみだくじ」が使われることが多いようです。
このように、さまざまな決めごとで欠かせないツールの一つとなっている「あみだくじ」ですが、いつから使われるようになったのかご存じでしょうか。
そこで、この記事では、
- 「あみだくじ」の意味や由来
- 「あみだくじ」の由来と語源
- あみだくじの確率
- 海外でのあみだくじ
について解説・紹介していきます。
あみだくじの意味とは
まず初めに、「あみだくじ」の方法を説明しますね。分かる方は飛ばしていただいて大丈夫です!
あみだくじの作り方とやり方
「あみだくじ」とは、縦の平行線とその間を通る横線でできたはしご状のくじのことを言います。
あみだくじの【作り方】
- まず初めに、書きたいくじの結果の分だけ縦線を書いていきます。
※この時の注意点としては、線の長さは長めにすることです。後から横にも線を書き入れますので、長めの方が書きやすくなります。 - 縦線を書いたら、線の下に書きたい結果を書いていきます。
- すぐに結果が分からないようにするため、結果の部分を折って隠します。
- 最後に縦線の間にたくさんの横線を書いていきます。
※この時の注意点としては、横線は3本以上の縦線にまたがっては書かないということです。(たどり方が分からなくなるため)
横線の数は決まっていないので、たくさん横線がある方がくじを引いた時にどきどき感が味わえますよ。
あみだくじの【やり方】
- まず完成したあみだくじを用意し、参加者それぞれに重複しないよう縦線のどれか一本を選んでもらいます。
- くじを全員が選び終わったら、線の上から下へと線をたどっていき、横線が現れたら、その横線に従って進んでいきます。
- 選んだ線のたどりついた先が結果となります。
あみだくじの由来・語源とは
「あみだくじ」について説明しましたが、「あみだくじ」を漢字で書くと「阿弥陀籤」となります。この漢字で「あっ」と思われた方もいるのではないでしょうか。
「あみだくじ(阿弥陀籤)」は、仏教においての仏様である、『阿弥陀如来(あみだにょらい)』から由来して名付けられたと言われています。
では、なぜ「あみだくじ(阿弥陀籤)」と言われるようになったのかというと、室町時代~江戸時代に行われていた「阿弥陀の光(あみだのひかり)」と呼ばれるくじが由来とされています。
「阿弥陀の光」とは
阿弥陀の光とは、中心から放射線状に線を引いて作られるくじのことで、このくじの見た目が阿弥陀如来像の光背(こうはい)に似ていたことから名付けられたと言われています。
光背(こうはい)とは、後光(ごこう)を模して作られたもので、後光とは仏様から発せられる黄金の光のことをいいます。
「阿弥陀の光」は、中心に結果を書き、そこから人数分の線を放射線状に引いて、中心部を隠すだけというシンプルなくじになっています。
ちなみに、阿弥陀如来像の後背は48本の後光があり、これは阿弥陀如来が法蔵(ほうぞう)と呼ばれていた修行時代に、48の誓いを立てていたことに由来して作られているそうです。
「あみだくじ」の起源
この「阿弥陀の光」が行われ始めたのは室町時代と言われていて、博打(ばくち)の一種として始められたのが起源とされているようです。
当時「あみだくじ」には、主に金額を書いて使用していました。
お茶菓子などを買う際に、「阿弥陀の光」を作り、それぞれが出す金額を決めていたりしたそうです。
そして、買ったお茶菓子などは、各自に平等に配るという仕組みだったとされています。
ちなみに、中心に書いた金額はお椀などで隠し、外側には選んだ人の名前を書いていたようですよ。
そして、時代の流れと共に「阿弥陀の光」の”光”が”くじ”に変わり、明治以降に「あみだくじ」という名が一般的になったと言われています。
今のような縦線と横線のくじ引きになったのも、明治以降ではないかと考えられているようです。
残念ながら、今のスタイルに変化した理由や、誰が考案したのかは定かではありませんが、あみだくじをする中で、こうしたらもっと良いのではないだろうかと、考えられた結果が今のあみだくじとなっているのでしょうね。
それにしても、それぞれが違う結果となる「あみだくじ」の仕組みを理解しようとすると少し頭が痛くなってしまいそうです。
この「あみだくじ」の論理は「数学的帰納法」や、「背理法」と言われる証明方法で証明ができるのだそうですよ。
「数学的帰納法」での証明については、下記のサイトで詳しく説明がされています。
「あみだくじ」の確率とは
「あみだくじ」は平等と思っていましたが、その方法によっては当る確率が変わってくるようです。
その方法とは、『あみだくじの結果が隠されず見えている場合』つまり、途中の横線だけ隠されて、結果はどこに書かれているのが分かる場合です。
あみだくじの原理によると、当たりを選びたい場合、当たりの真上にくる場所を選ぶと当たりの確率が一番高くなるというものになります。
もし、あみだくじに横線が全く書かれていない場合、当たりは真上の線だけになりますよね。
次に、横線を1本だけ引いてみて当たりの場所を考えると、当たりはその上の線または、当りの隣の線だけということになります。
このように横線を増やし、当たる確率をどんどん調べていくと、くじが5本の場合でも、横線が100本はないと確率はほぼ等しくはならないようです。
実際に横線はそんなに引けませんので、かなり確率は変わってくることになってしまいます。
なので、確率を気にせず平等に「あみだくじ」をする場合には、次のようにするのがポイントです。
- 結果は隠して見えないようにする。
- 「あみだくじ」を作った人は最後に選ぶか、第三者が作るようにする。
このようにすると、確率とは関係なく『運』ということになりますので公平に楽しむことができます。
「あみだくじ」をする際には、くじが不公平にならないように行っていきましょう。
海外に「あみだくじ」はある?
日本では古くから親しまれている「あみだくじ」ですが、海外で見てみると、日本と韓国以外の国では「あみだくじ」は行われていないようです。
そのため、英語圏の方に「あみだくじ」の説明をすると、その仕組みにとても驚かれるようですよ。
韓国では「梯子(はしご)」や、「梯子乗り(はしごのり)」を意味する言葉で「あみだくじ」が使われています。
まとめ:「あみだくじ」は、「阿弥陀の光」と言われるくじが由来となって始まった
- あみだくじは、室町時代に行われていた「阿弥陀の光」が起源とされている
- 当時は金額を決めることにあみだくじが使われていた
- あみだくじは、やり方次第では確率が変わってくる
- あみだくじがあるのは、日本と韓国だけ
いかがでしたでしょうか。
今では様々なことに使われているあみだくじですが、現在ではスマホのアプリにもあみだくじができるものがあるようですよ。
人数が多い場合などは書くのも大変になるので、ぜひアプリを使って楽にあみだくじを楽しんでみて下さいね。
ここまでご覧頂き、ありがとうございました。